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令和6年9月熊本県議会定例会における議案説明要旨

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0214593 更新日:2024年9月11日更新

1. 最近の県政の動向について

 今回の定例会に提案しております議案の説明に先立ち、最近の県政の動向について御説明申し上げます。

(1)台風第10号について
 まず、台風第10号についてです。
 非常に強い台風第10号が九州に上陸し、暴風、大雨を伴いながらゆっくりと進み、本県においても猛威を振るいました。被害を受けられた方々に心から御見舞い申し上げます。
 県としましては、引き続き、被害状況の的確な把握に努め、一日も早い復旧に努めて参ります。
 また、これからの本格的な台風シーズンを控える中、先月8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報」等も踏まえながら、市町村や関係機関等と連携し、災害にしっかりと備えて参ります。

(2)赤潮被害の状況・対応について
 次に、赤潮被害の状況・対応についてです。
 八代海で発生した赤潮により、14億円を超える被害が生じています。令和3年度から4年連続で発生しており、この4年間の被害総額は50億円を超えるなど、養殖業者の経営に深刻な影響を及ぼしています。
 このような状況にしっかりと寄り添いながら対応すべく、7月には現場で養殖業者の訴えをお聞きした上で、予備費等を活用した、へい死魚の処理や金融面の支援など緊急対策を実施しました。
 並行して、同じく赤潮の被害を受けている長崎県、鹿児島県の両知事に呼びかけ、国に対し、養殖業者に対する支援の強化や赤潮発生メカニズムの解明、予防対策の研究の推進などについて、3県合同で緊急要望を行いました。
 さらに、今定例会には、代替魚の購入や漁場環境保全活動に対する支援のための予算を提案しております。
 今後も、本県の養殖業者の希望の灯が消えないよう、必要な対策にしっかりと取り組んで参ります。

​(3)球磨川流域の「緑の流域治水」の推進について
 次に、球磨川流域の「緑の流域治水」の推進についてです。
 8月24日に、国による球磨村渡地区遊水地事業の着工式が行われ、私も出席して参りました。今後とも、国や流域市町村と連携し、住民の皆様方の御理解をいただきながら、流域全体の総合力で安全・安心を実現していけるよう、着実に取組みを進めて参ります。
 また、五木村の振興については、7月に、国・県・村の三者で、振興計画を新たな流水型ダムの建設を前提としたものへ改訂しました。8月には、村主催の行政座談会で、国・県・村から村民の皆様へ計画改訂について説明し、御意見を直接伺いました。
 相良村の振興については、河川改修や新たな道路、基幹林道に係る説明会で、今後の具体的な整備スケジュール等をお示ししました。
 引き続き、両村と密に連携しながら、目に見える形で振興策を進めて参ります。

​(4)熊本都市圏の渋滞対策について
 次に、熊本都市圏の渋滞対策についてです。
 7月、8月と、熊本市とのトップ会談を行い、県と熊本市で連携して取り組む渋滞対策の方向性について合意しました。
 まず、短期的な対策として、県警とも連携し、主要渋滞箇所を中心に信号制御と連携した交差点改良等を進めます。このような取組みを国や熊本市との連携を更に強化し、推進して参ります。また、今月には、通勤・通学のピーク時間帯の交通量を減らすべく、県・熊本市の職員が共に在宅勤務や時差出勤に取り組んでいます。
 さらに、抜本策となる中長期の道路ネットワーク整備についても、スピード感を持って進めて参ります。
 引き続き、周辺自治体とも連携しながら、熊本都市圏の渋滞解消に向け取り組んで参ります。

​(5)マニフェストの早期実行に向けた新たな推進本部の設置等について
 次に、マニフェストの早期実行に向けた新たな推進本部の設置等についてです。
 マニフェストの早期実行に向け、関係部局による課題共有や連携体制を構築し、課題解決に向けた取組みを推進するため、渋滞解消、地下水保全、こどもまんなか熊本の3つの推進本部に加え、今定例会前に新たに2つの推進本部を設置しました。
 まず、8月に設置した「くまもとで働こう」推進本部では、建設業や医療・福祉など県内産業における人手不足が深刻になる中、各産業の人材育成・確保を図るべく、県内定着や人材育成などの対応策を検討、推進して参ります。
 9月に設置した「熊本県外国人材との共生推進本部」では、県内における在留外国人数が過去最高となる中、多文化共生の推進とともに、外国人材から「選ばれる熊本」を目指して、外国人材の確保と受入環境の整備に取り組んで参ります。
 また、10月からは、庁内組織においても、今定例会に関係条例案を提案しております観光戦略部の改編による「観光文化部」の新設のほか、「食のみやこ熊本県」を創造するための「食のみやこ推進局」、国際ビジネス戦略を強力に推進するための「国際・くまモン局」などを設置する予定です。
 既に設置した各推進本部と、庁内組織の体制強化により、「くまもと新時代」を県民の皆様と共に創っていけるよう、スピード感を持ってマニフェストに掲げた政策の実現に向け、まい進して参ります。

​(6)台湾との交流拡大について
 次に、台湾との交流拡大についてです。
 先月、知事として初めて台湾を訪問し、新竹サイエンスパーク等を視察するとともに、TSMCの幹部の方と意見交換を行い、第3工場も是非、本県に検討いただきたい旨を要請しました。
 また、台湾との交流拡大に向けては、面会した台湾当局関係者から、経済だけでなく青少年や文化など様々な交流が、熊本と台湾の間で更に活発化していくことに対して、強い期待が示されました。
 なお、県内では、7月には、教育旅行として台湾の中高生が尚絅中学・高校の生徒と文化交流を行われ、熊本大学におかれては、台湾の大学と半導体研究関連のシンポジウムを開催されています。
 また、アメリカンフットボールチームの九州熊本マーベリックスや、バスケットボールチームの熊本ヴォルターズが台湾のチームと交流試合を行うなど、スポーツの分野においても交流が進んでいます。
 さらに、県では、先月、中國信託フィナンシャルホールディングと、経済、観光、スポーツなどの分野で交流を進める包括的連携協定を締結したところです。
 引き続き、様々な分野において台湾との交流が進むよう、取組みを進めて参ります。

​(7)「防災推進国民大会2024」及び「『世界津波の日』2024高校生サミットin熊本」の開催について
 次に、「防災推進国民大会2024」及び「『世界津波の日』
 2024高校生サミットin熊本」の開催についてです。
 防災推進国民大会2024は、防災に取り組む多様な団体等が出展し、取組みや知見を発信・共有する、日本最大級の防災イベントです。10月19日から2日間、熊本で開催され、県内外から約400団体が出展する予定です。入場は無料で、どなたでも参加できますので、広く県民の皆様に御来場いただければと思います。
 また、10月23日から2日間、「世界津波の日」2024高校生サミットin熊本が開催されます。世界約40カ国・地域から500人を超える高校生が熊本に集い、防災や減災、創造的復興について議論します。熊本が経験した地震や豪雨災害の経験・教訓を国内外に発信し、次世代に継承していく重要な機会になると考えています。

​(8)パリ2024オリンピック・パラリンピックについて
 次に、パリ2024オリンピック・パラリンピックについてです。
 オリンピックでは10名の、パラリンピックでは6名の県関係選手が出場されました。これまで懸命に努力してこられ、大会において最後まであきらめることなく戦い抜かれた姿は、私たち県民に多くの感動と勇気、希望や夢を与えていただきました。
 全ての選手、選手をサポートされた全ての方々、そして様々な形で応援いただいた県民の皆様に心から感謝申し上げます。​​

2. 議案について

 続いて、今定例会に提案しております議案について、御説明いたします。

 まず、一般会計補正予算は、災害復旧関連事業や赤潮被害への対応、マニフェストの実現に向けて取り組む事業などを計上しています。
 この結果、49億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、8,610億円となります。

 このほか今定例会には、マニフェストに掲げた政策の早期実行に向け観光戦略部を観光文化部に改編するための「熊本県内部組織設置条例の一部を改正する条例」など各種条例案件や、決算の認定なども併せて提案しております。
 また、今会期中には、人事案件についても追加提案する予定です。

 これらの議案について、よろしく御審議くださるようお願い申し上げます。