本文
令和6年8月22日(木曜日)10時00分~
日時:令和6年(2024年)8月22日(木曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
会見録
知事定例記者会見の会見録や資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目・コメント
・パラリンピックについて
・天草市轟の滝周辺での川遊びに関する注意喚起
・令和5年度熊本県産農林畜水産物等の輸出実績について
・熊本県いじめ防止対策審議会の答申について
質疑応答
1熊本県いじめ防止対策審議会の答申について1
2台湾訪問について1
3令和5年度熊本県産農林畜水産物の輸出実績について1
4知事の発言について1
5熊本県いじめ防止対策審議会の答申について2
6熊本県いじめ防止対策審議会の答申について3
7TSMC関連事業の推進について
8令和5年度熊本県産農林畜水産物の輸出実績ついて2
9熊本県いじめ防止対策審議会の答申について4
10知事の発言について2
11原子力発電について1
12知事の発言について3
13パラリンピックについて
14知事の発言について4
15自民党総裁選について
16令和5年度熊本県産農林畜水産物の輸出実績について3
17千寿園の訪問について
18台湾訪問について2
19水俣病独自懇談について
20原子力発電について2
21原子力発電について3
22執務室の環境について
まず、オリパラですね。まず12日に閉幕したオリンピックにつきましては、皆さんいろいろ報道していただいているとおり、熊本県内の選手の方、多くの方が大変活躍されました。
本当に私も心から嬉しく思いますし、またその選手を支えていただいた県民の皆さん、スタッフの皆さんにも感謝を申し上げたいと思います。応援してくださった県民の皆さんにも感謝を申し上げたいと思います。
そしていよいよ、28日からパラリンピックが開催されます。パラリンピックにもご覧いただいていますスライドのとおり、県内から6名の選手が出場されることとなっています。
皆さん、実は2回目以上の方々ばかりでございますけれども、前回の東京パラ(リンピック)で3つのメダルを獲得した富田宇宙選手。そして車椅子ラグビーの島川さん(選手)、乗松さん(選手)は皆さんもご承知のとおり、リオ、東京と2大会連続で銅メダルを獲得されている方です。
そのほかにも私も注目している車椅子テニスの田中選手とか、車椅子フェンシング(の藤田選手、加納選手)など、6名の方が今までの練習の成果を十分に発揮し、ベストパフォーマンスができるよう期待しておりますので、県民の皆さんと一緒になって応援したいと思っています。よろしくお願いいたします。
今、急を要しますので現状のご報告でございます。天草市、轟の滝周辺での川遊びに関する注意喚起ということで、天草市の天草町、西海岸のほうにございますが、天草町の轟の滝周辺で川遊びをしていた高校生が最初7名、嘔吐とか下痢をされたということで連絡が天草保健所にありましたところ、同様の訴えが複数出てきたものですから、今、この川遊びが原因として疑われております。まだ、原因は特定できておりませんが、食中毒とかそういうのではなくて、この川遊びが何か影響しているのではないかということで、18日にこういうかたちで看板を設置しておりまして、滝周辺での遊泳や水遊びを控えるよう呼びかけさせていただいております。
今、県からの呼びかけとして、もしこういう何か症状等ある方など、また不安に思われている方はぜひ保健所にご連絡をいただきたいと思います。21日の9時時点にはなりますけれども、医療機関から保健所に連絡のあった嘔吐、下痢などの有症状の方は69名、すでに報道等されていますけれども、69名となっております。
現在、県においては、県の保健環境科学研究所、保環研というところで、宇土にありますけれども、そこの研究所で、今、滝周辺の河川の水質とか感染症の検査を行なっています。なんとか原因が判明できるように検査しています。また、医療機関においても患者の便の検査などを行なっております。
結果については判明次第、記者会見とかブリーフィングなどでご報告したいと思っていますが、まずもって轟の滝周辺での遊泳、水遊びは控えていただきたい。そして症状のある方はまず医療機関を受診する。不安のある方も保健所にご連絡ください。天草の方が多うございますので、天草保健所の電話番号をここ(表示されているスライド)に入れさせていただいていますが、お住まいの、天草以外の方でも、お住まいの最寄りの保健所までご連絡いただきたいと思っております。ホームページに掲載しておりますので、QRコードからお調べください。県としても早急になるべく原因を究明したいと思っております。
続きまして3点目、ご報告です。令和5年度の熊本県産の農林畜水産物の輸出実績ということで、昨年度の統計がまとまりました。
令和5年度の農林畜水産物の輸出額の合計は122億4,000万円ということで、過去最高になりまして、県の目標額も大きく上回ることとなりました。目標は達成されました。
各分野をちょっと簡単に、資料のほうでもお付けしておりますので、そちらを参考にしていただければと思いますけれども、まず農畜産物については、やはりアジアの日本食の人気が非常に高いということで、一番額が大きいのは牛肉、伸び率が高いのはいちご、対前年度比167%、メロンなどの輸出が増加しましたことで、対前年度比122%の9.9億円の増額となっています。
林産物でございます。林産物は最大の貿易相手国である中国に対する丸太の輸出が増加しましたので、これを中心に輸出額、輸出量とも過去最高になりました。
続きまして水産物です。これにつきましては残念ながら去年の8月24日に、例の中国による日本水産物の禁輸措置がありましたので、対中国向けの輸出が8月の末、実質9月以降止まっていますので、その影響でマイナス18.8%になっておりますけれども、北米とか台湾が増加したことによりまして、こちらも輸出額は過去最高になっております。
非常にこれはいい傾向だと思いますので、これからも輸出に関わる皆様の日々のご尽力に感謝申し上げつつ、県としてしっかりとサポートしていきたいと思います。
県ではこのように、これは昨年の実績ですけれども、海外のバイヤーを招いての商談会、フェアですね。そして現地のシェフを招いてのフェア、そして現地での展示会、そして視察ツアーなど様々な取組みを行なっています。
今年度もこれらを更に強化いたしまして、特にTSMCの進出をきっかけに関心が高まっている台湾を中心に、輸出拡大の取組みを行なって、しっかりとフォローをしていきたいと思っております。
今後も、特にくまモンが大変海外でも人気でございますので、くまモンを活用した海外でのプロモーションを通じて県産品の輸出拡大に努めてまいりたいと思っております。
最後に、コメントの項目にはないのですが、いじめ案件につきまして私からひと言コメントを申し上げたいと思います。
昨日、熊本県いじめ防止対策審議会から熊本県教育長に対しまして、県内の高校でのいじめ案件について調査報告書が出されました。私もその内容について報告を受けました。昨日、教育長、教育委員会が記者会見をされているとは思いますが、私からも本日、教育長に対しまして、ともかく再発防止について学校と早急に協議を行なってほしいこと、それと今回の事案が部活動という場面で起きたことでありますことから、県内の県立高校に対しまして提言を踏まえた部活動の指導などについての確認を周知するように、徹底するようにと、そして教育委員会でそういう議論をしてくださいということを要請、指示いたしました。
また、私立高校についても教育委員会の対応を見ながらしっかりとした対応を、これは県の私学担当としても講じていきたいと思っております。こうした悲しい事案が二度と起きないように教育委員会のみならず知事部局も含めてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
私からは以上でございます、では幹事社さんからお願いいたします。
幹事社
私から一点お伺いいたします。今冒頭のコメントありました、最後に言及されていましたいじめ案件についてのことですけれども、改めて知事が今回の報告を受けて、自身どういうふうに感じられたかと、今後の再発防止に向けて知事としての決意というところを確認させてください。
木村知事
こうしたいじめ案件、いくつか今までも私が副知事時代、知事になってもありますけれども、特にこの部活という、部活動の中での非常に長年の慣習という言葉はよくないのかもしれませんが、長年の中でこういうことが行われてきたであろうということが、かなり正確に、というか徹底的に調査をされましたので、やはりこういうことが他の学校でも起きうるというのが私は報告書について(教育委員会から)報告を受けてつくづく思いました。
ですので、ともかく提言を踏まえた部活動の指導のあり方について、今一度しっかりと各学校で見直すようにということを提言には再発防止策として入っていますので、ともかくこれをまず県立学校においては教育委員会を通じて徹底していただきたい。また、その他の学校についてもそれぞれのルートからしっかりと対応を講じたいと思っています。教育長も昨日、このようなことが二度と起きないように、いじめの未然防止と再発防止に向けて全力で取り組むと言っておりますので、知事部局としても全力で取り組んでまいりたいと考えます。
幹事社
台湾の訪問についてお伺いいたします。前回調整中のところもあったかと思いますが、26日のTSMC訪問者への訪問に際しまして、どなたに会われるのか、どういったことが話されるのか、話せることがあれば教えてください。
木村知事
最終的にはちょっと今まだ会うメンバーは確定していませんが、CEOのシーシー・ウェイさんがちょっと厳しい、海外に行かれるんじゃないかという話を聞いておりまして、それは最終調整になりますが、いわゆるバイスプレジデント、上級副社長の方とお会いするということで今、調整をしております。まだ確定ではございません。
ただ、(TSMC本社に)行けるか行けないかということですが、行くということはもう確定しています。(どういうことを)話し合う(かという)ことにつきましては、私がまず知事に就任して初めての本社訪問で、というか実情、私自身は実は副知事(の時)も行っていませんので、初めての本社訪問で信頼関係をしっかりつくっていきたいということ。そして第1工場そして第2工場について、しっかりと建設について県としてもサポートしていくこと。また、地元で例えば渋滞対策とか、地下水(保全)・排水対策でこういうことをやっていきたい、また、それに当たっては当然TSMC側でもしっかりと協力していただきたいということの申し入れなどをしていきたいと思っております。そうした中で第3工場については6月にCEOからの言及もありましたので、それに向けて県も頑張っていきますということを申し述べようと思って、誘致に向けた姿勢は示そうと思っています。
幹事社
農林畜水産物の実績についてなのですが、まず過去最高を更新したこと、それについての知事の受け止めと、それからTSMCに絡めてお聞きするんですけれども、知事は常々TSMC効果を県内に波及するということを言っておられまして、これを見ると台湾もかなり有力な輸出先になっているんじゃないかなと思います。工場の土地そのものが影響を及ぼしづらい地域は、台湾への輸出の強化なんかも選択肢に入ってくるのかなと思うんですが、そういったお考えがあるのかどうかというのが一点。
木村知事
はい、ありがとうございます。
まず、過去最高になったということは、熊本は日本有数の農業県である、農業生産高(農業産出額)が全国5位ですけれども、それが東京とかそういう大消費地の原材料供給県に留まるというのを脱却したいというのが私の思いでありました。「食のみやこ熊本県」というマニフェストで目標を掲げたのも、付加価値を高く売っていきたいという中で、やはり輸出という形で、海外でもしっかり売るということが熊本の農業をこれから支えていくと思っています。
特に今、円安でもありますし、輸出はこれからも、東京だけを見て仕事をするのではなくて、世界を見て仕事をしていきたいと私どもは思っていますので、ぜひこの流れをさらに強くしていきたいと思っています。
その中での台湾の位置づけについてはまさにおっしゃるとおりでございまして、それぞれの品目で台湾が大きく伸びたことが今回起因しています。
いちごなんかですと前年比の5倍ぐらいに増えていたりしています。そういうかたちですごく台湾が伸びているというところを、これからも活かしていきたいと思っています。私もいつもいろんな講演とかでも申し上げますけれども、東京と同じ距離に台湾とか上海があるという、この熊本の日本の中の位置づけというのを活かして、東京だけに目を向けていた今までのビジネスモデルから、台湾と中国、できれば今回TSMCという形で台湾との飛行機便も含めたいろいろな物流が活発になりましたので、それに乗っかっていくということが熊本県内に、熊本県中にTSMC効果を広げていく非常に大きな価値があると思っています。
これからもそういう農業者の皆さんの台湾を中心にした輸出活動を応援していきたいと思っています。
Q
先日の県内産業の人材確保の会合の中で、一般事務や普通科はいらないというようなご発言がありました。様々な受け取られ方がされているかと思うんですけれども、改めて知事の真意をお伺いしたいです。
木村知事
私の発言が十分に真意を伝えきれずにいたところで、ご不快な思いをされた方がおられると思います。
既に今日の段階でいうと3通、苦情というか私への苦言をいただきました。3通というか2通がいわゆるメールで、1件が電話で来ました。
本当に事務職をなくすとか、また県内の普通科高校を全廃するとかそういうつもりは全くございません。
今の県内の雇用、人手が足りないと多くの企業が言っている中で、実際は求人が一般事務に思いっきり偏っているということが原因の一つでもあります。
また、もう一つ、普通科のことを申し上げたのも、普通科以外のいろいろな専門家の子たち、夢を持っている人たちにもっと光を当てたいという思いが強く昔からありましたものですから、そういう発言に至ったことは本当に申し訳なく思っております。
ぜひ、これから普通科で学ぶ学生、高校の皆さんには単に大学進学することだけではなくて、大学進学した先にどういう夢があるのか、どういう仕事をしていくのか、していきたいのかということも、普通科も含めたところで職業教育、キャリア教育をしっかりして、そのために大学に行くこと、また、科目を学ぶことだけではなくて、いろんな社会課題に向き合っていく学生を作っていきたい。私にとって県行政の一番大事なことは教育と福祉だと思っています。はっきり言えば、経済よりも、経済はその次の話でして、教育、福祉をしっかりやっていきたい、という中で、ぜひ、そういうエッセンシャルワーカーの人をもっと増やしていきたいという思いもあった中でのああいう発言でございましたので、そこは訂正してお詫びをしたいと思います。
Q
県庁内の多くの職員も一般事務にあたるかと思うんですけれども、そのあたりはどうお考えだったのかなと。
木村知事
一般事務というなかでも、職種というなかでの、私は常にクリエイティブというか、例えば、くまモングループの職員も一般事務なんですけれども、彼らは常にくまモンをどういう形で展開していくかと、あの時ちょっと例を挙げたのも、過去の経緯を並べていくことはAIが代替していく、という、私が知事会の時に聞いた有識者の方のお話が本当に合点がいったのは、これからは人間でしかできないことをやっていく、それが一番素晴らしいのがエッセンシャルワーカー。介護や医療やお料理をつくる調理師の方だったり、そういう社会におけるエッセンシャルワーカーを太く(多く)していく、その有識者の方曰く5万ドルぐらい稼げる、だから年収でいうと800万ぐらい稼げるとすごくいい分厚い中間層がこの日本にはできるよねというお話で、おっしゃるとおりだと思う中で、ぜひそういう社会をつくっていきたいという思いでした。
ですので、一般事務という職種でいけばもちろんそのとおりなんですけれども、私は事務職員だからこそできる、人間だからこそできる機械的にやることではなくて、創造性を求めるという意味においては今も変わりませんし、県庁の新入職員とかにいつも発言しているのも、ともかくいろんな想像力をもって行政やろうよということでございますので、そこはそういう意味で、事務職の方にそういう誤解を与えてしまったところは申し訳ないと思っております。
Q
最後に掘り返すようで恐縮ではあるんですけれども、水俣病問題での吊るし上げ発言、先日のバレーのなんとかさん、そして今回と、少し配慮を欠いたような発言が散見されるように思うんですけれども、公人として知事の発言には責任、重みがあるかと思うんですが、そのあたりどうお考えでしょうか。
木村知事
はい、丁寧な、私はなるべく自分の言葉、または、その場の中でなんとか、一昨日(8/20)の会議ですと、あまりにも議論が停滞していたところだったので、例えばデータを見れば明らかに事務職が不足している中で、いや、なくなりますよね、どう思いますっていうような感じだったわけです。
また、横に教育長がおられたので、そうすると普通科というのはだんだん必要なくなるんじゃじゃないですかと、どのように思います、という形で投げかけたんですけれども、公開の会議だったというところで、それがどう切り取られるかというところを十分踏まえていなかったところについては、申し訳なく思います。
発言についてはしっかりと気をつけてまいりたいと思います。
Q
先ほどのいじめ問題について一点お尋ねします。いじめ問題の中で、知事部局としてできることを取り組んでいきたいというふうにおっしゃいましたけれども、知事部局にできることっていうのは具体的に何があるのか教えていただけますでしょうか。
木村知事
まず知事部局は私立学校を抱えていますので、私立学校についてどういう指示をするのか。まだ、昨日、教育委員会に提言書が出されている中でございますので、それに対する教育委員会の対応を見ながらではありますけれども、私立学校に対する通知とかなにかそういう場をまず検討したいと(思います)。あとこれは、タラレバの仮定の話にはなるんですけれども、今回の調査に対して、もしご遺族、お家族の方がちょっとご不満というか、ちょっとこれでは違うと思うところがあれば、よく知事部局の方での第三者委員会、正確な名前は、「熊本県いじめ調査委員会」というのを健康福祉部の方で所管していますので、今回の教育委員会の調査に対してのまた流れを受けて、そちらが再度ご遺族の方をフォローしていくこともあり得るという、その2点が主だと思います。
Q
やはり知事としても、教育、いじめ分野に関しても積極的に教育委員会任せにせず関わっていかれるということですか。
木村知事
はい、ともかく今のように、当然教育委員会は独立した機関ではあるんですけれども、先ほど私が今朝、教育長に徹底した対応を求めたように、県知事としてできることはあろうかと思っています。または県と教育委員会が議論する総合教育会議のような場でも言うことだろうかと思いますが、このいじめ問題は、知事部局、知事としてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
これだけ悲しい事案が、そしてまた、受け取り方によっては、どこでも起こり得るような、部活の中でも長年のそういう行為を学校ないしは学校が捉え切れてなかったという、これは今一度、全ての学校において点検すべきであるし、私としては許せない行為だと思っていますので、しっかりと対応していきたいと思っています。
Q
今のいじめ問題の関連で、この件の発生から既に2年近く過ぎていて、もちろん調査をしっかりされたというのが、昨日の結果だと思うんですけれども、例えば部活に問題があるかもしれないという状況は既にあったと思うんですけれども、現時点までに既に県内で講じられている対応とか対策というのはあるんでしょうか。
木村知事
その一点目については教育委員会の方でどういう対応をしているかは、今日、私も昨日の報告書を受けて、報告書の概要と今後の対応についてレクを受けた段階ですので、担当課の方にお尋ねいただきたいと思いますし、まだまだ調査があがってくるまで、その実態の全容を把握できなかったと私は思っておりますので、ともかくこういうかたちで報告書が、提言書が出たことはしっかりと受け止めて、これからやれることを全力で頑張っていきたいと思います。
Q
TSMCの関係なんですけれども、ここ数ヶ月取材をしてみて、やはり県庁全体でかなり優先順位が高く、TSMCの進出を成功させるということに取り組んでいると感じるんですけれども、これが何のためなのかというそもそもの部分を改めて教えていただきたいんですけれども。
木村知事
私はTSMC一社のために何かをするという思いではありません。県民が豊かになり、熊本に生まれ、育ち、暮らしていくことに満足できる熊本をつくっていく。そのために、一つが、これは私の考えにはなりますけれども、県庁の中でもかなり浸透していると思いますけれども、先ほど農産物の輸出でも話をしましたように、熊本県がこれからも生き残っていくためには、熊本がもっと世界に開かれる、これはもう日本の地図上の地政学的に見て、熊本というのは日本の西の端にあるので、東京だけを今まで見てきた経済とか、農業とかだったのが、もっと台湾とかと取引をすることによって、より多くのビジネスチャンスが広がってくる。また、熊本の日本の中での優位性が活かされてくると思っています。それが、なかなかこの止まらない人口減少の中で、どうやって県内の富を広げていくかというときに、私はTSMC、台湾の世界的な半導体企業が進出してくる、そしてそれに伴ってこれまでの熊本の多くの半導体関連企業、またはそれに携わる企業が元気になるということが、大変、熊本にとって意義があると思っています。そうした中で特に熊本が国際化していくために、TSMCの話をしっかりと成功につなげていきたいと思っております。
Q
確認なんですけれども、世界に開かれる、理解はできるんですけれども、やや抽象的だと思うんですけれども、やはり端的にいうと経済効果に期待する部分が大きいというふうに受け止めたんですが、そういうことでいいですか。
木村知事
はい、経済効果もさることながらというか、結局全部はそういうふうに数字に置き換えれば、金銭に置き換えれば経済効果にはなってしまうんですけれども、例えば外国人の労働者が熊本で仕事をすることによって、熊本が海外からも選ばれる。今の人材不足を補うように世界からいろんな人が参画してくれるということも、意義あることだと思っていますし、ですから、熊本がこれからも言葉は過ぎるかもしれませんけれども、生き残っていくために、ぜひ世界に開かれていくということ(が重要)だと私は思っています。
Q
一方で渋滞ですとか、農地ですとか、地下水とかはリスクとしては見えやすい。一方でメリットの部分がなかなか見えにくいのかなと思うんですけれども、改めてどのようなメリットを県民は期待できるのでしょうか。
木村知事
まずは、雇用の場が増えること、そして今まで実は熊本に私も来てから、よく県民の皆さんから聞く不満は、熊本には(世界的に)大きな企業がないという言われ方をしていたわけです。だけれども世界的に大きな企業が来る。または熊本にこれまで進出してきた企業も多く投資をしていく。熊本の人にとって県内で働く場が増えるということは、最大のメリットだと思っています。
また、その上で、台湾とつながることによって繰り返しですけれども、これまで東京ばかり見てきたこの熊本が、世界に向けてビジネスチャンスを広げていくことで、必ず農林畜水産物が、この今回の輸出の実績のように県民がより熊本で働いていくことの機会が増えていくものと思っています。
Q
農畜産物の輸出のことで、知事が先ほどから台湾のことをおっしゃっているのであえて聞くんですが、林産物と水産物は台湾伸びていますよね。一方で農畜産物は、台湾は減っていますけれども、そのあたりどのように分析しているのか。これに関しては伸びが著しいのか、特に台湾の伸びていないというのが極めて目立つのですが、どのように見ていらっしゃいますか。
木村知事
はい、また細かいところはぜひ、分析データを出していますが、一つは、一昨年は台湾への牛肉(の輸出)が非常に伸びたのが、(今年は)牛肉(の輸出)が減ったんです。いわゆる令和4年のブームが減った部分が額的に大きいです。減少した原因は、牛肉が、これ12億円ですよね。12億円ですけれども、去年は13億9,000万円だったんですね。そこが大きいです。ただ一方で、例えば先ほども例を挙げましたけれども、いちごなんかの場合ですと、5倍ぐらいに、2,200万円だったのが1億円まで増えていたりしていますので、台湾については減ったというよりも横ばいぐらいかな。その原因は牛肉が減った分をほかの品目が増えたと。じゃあ、牛肉がなんで減ったのかといえば、ちょっと原因は必ずしも全て押さえきれていませんけれども、令和4年度が14億円ぐらいまでどんと増えた分、その前の年が10億円だったのが、4割ぐらいバッと増えたのが、ちょっと高止まりというか落ち着いたというふうに思っています。
これからも台湾との農畜産物を含めた、農畜産物の貿易、また輸出は増えていくものと思っています。
Q
交流が深まっているということで、単純に伸びるのではないかと私なんかは見ていたんですけれども、単なる交流だけではおそらくその輸出というのは増えないと思うんですが、具体的になんかいろいろありますけれども。
木村知事
写真をいろいろ掲げさせていただいておりますけれども、これから特に台湾の場合ですと一般的なフェアもさることながら、より個別のバイヤーさんとか商社さんとか、そういう人たちとの付き合いが広がっていくような局面に来ているのではないかと思っています。
ともかく農家の皆さんと相談をしながら、もちろん農家も、もちろん当然、輸出よりも国内で売ってもらったほうが手続き的には楽なところもあります。
(海外に輸出するという)そうした新しいチャレンジをしてもらう気持ちを押し上げることも含めて、こうした販路拡大の取り組み、繰り返しですけれども、海外でのプロモーション活動、または海外から来てもらうこと、そして台湾の輸出の場合ですといわゆる農薬とかそういう非関税障壁がいろいろありますので、そういうのをみんなで勉強したりするという形で機運をしっかり盛り上げていきたいと思っております。
Q
いじめに関する件なんですけれども、昨日の報告書の中で、たしかに部活動の問題としても取り上げられた点がかなり多くあったんですが、一方で、いじめ、指導を行なっていたグループリーダーと当事者の生徒さんを直接同じ場に話し合いをもたせたりだとか、そういう担任の先生のその後のケアについても問題があったのではないかという指摘もありまして、これに関しては部活動の問題だけではなくて、いじめのような事案が出てきたときの学校のケアのあり方にも問題提起をされていたと思うんですが、これについては改めるお考え等はございますか。
木村知事
おっしゃるとおりだと思っています。部活動の問題のほかに顧問の先生を中心にした学校の指導体制の問題もさることながら、その後の話し合いとか、いわゆる学校のもめ事に対する関与の仕方にも問題があったというふうに、私も報告書からそう読み取っています。この点につきましてもしっかり教育委員会で議論をしていただいて、しっかりと各学校にそうしたことが起きないような、学校全体での理解促進についての改善をする必要があると私も思っております。
Q
先ほどの知事のご発言に関する点でお伺いしたいことがありまして、一般事務のお話もありましたし吊るし上げのお話もありましたし、なんとかさんのようにというご発言もありましたが、先ほどの質問の中でも、一般事務職へのご発言に関する分析はあったんですが、知事の真意や思いとは別として、結果として物議を醸すようなちょっと棘のあるような言葉が出てしまっているということについては、どういうふうにご自身分析されておられるのかということを教えていただければと思います。
木村知事
場と立場をわきまえて、なるべくこれからは棘のある発言を避けていくということに尽きるのではないか(と思います)。
Q
発表項目以外の質問になるんですけれども、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の核のごみの問題があるかと思います。先日、佐賀県の玄海町でも文献調査に名乗りを上げて、現状全国の3自治体が文献調査を行なっているという状況ですけれども、なかなか国民的な議論も進まないという現状もあるかと思います。この問題に対しての知事のお考え、もしお立場というものがあればお聞かせ願えますか。
木村知事
なかなか難しいご質問です。
ただ、熊本県内に原子力発電所が立地していないことをもって、人ごとのように言うことは私はできないと思っています。
やはり、国としてああいう福島での事故がありながら、原子力発電所に一定量、頼らなければいけないこの国において、どこかでどういうふうにそれを処理していく、また、補完していくということは国民的な議論があってしかるべきだと思いますし、政府においてしっかりと判断すべきだと思っています。
熊本県内にそうしたものを誘致したいという自治体はないと聞いておりますし、私もそのつもりは全くございませんが、国においてしっかりと議論していく必要がある事項だとは思っております。
Q
仮定の話で恐縮なんですが、仮に県内の自治体が文献調査に名乗りを上げたと想定した場合に、知事としては今ありましたけれども、反対のお立場というスタンスという状況でしょうか。
木村知事
それは各自治体の、タラレバの話は私は良くないと思っています。
ただ、今、熊本県でそういう施設を受け入れる理解があるとは思っていませんし、私自身もそれを推進するつもりはございません。
Q
もう一点だけ、先ほど発言に関してのご質問もあったかと思います。以前お話を伺ったときに、知事として、副知事から知事になって、発言の重みが全く違うというお考えもあったかと思いますけれども、改めてその重みについて現状どういうふうに認識されているか教えてもらえますか。
木村知事
以前インタビューを受けたときにも、私は副知事から知事になり何が変わりましたかといったときに、発言の重みと言うことがありました。
本当に、一昨日の会議でともかく、会議の議論を活発にしたいという中での話ではあったというところはご理解いただきたいと思っているのですが、私自身が特にああいう公開の場での会議の場なので、もちろん非公開だったらなんでも(言っていいのか)、なんかそういうのはどうなのかという議論はちょっと置いておいて、公人として誤解を招くような発言は慎むように(いたします)。私は、ただ、一方で、なんとか自分の言葉でしゃべろうというのが、実は前の知事に対するアンチテーゼとしてすごく強く持っているので、なんとか自分の言葉でしゃべろうとするんですけれども、至らぬところはご許し願いたいですけれども、私としてもしっかり反省してまいりたいと思っております。
Q
冒頭コメントがあったパラリンピックについて2点お伺いします。知事ご自身、左手に障がいをお持ちです。パラリンピックには様々な障がいをもったアスリート、障がい者スポーツの祭典という位置づけだと思うんですけれども、ご自身の境遇などを踏まえて、どのような思いでご覧になられるか、というのが一点と、もう一点が、選手6人ご紹介いただきましたけれども、ほとんどの方が県外を拠点に活動されている方が多くいらっしゃいます。県内における障がい者スポーツの、裾野の拡大という意味も含めて、障がい者スポーツの県内の環境整備についてどのようなお考えがあるか聞かせてください。
木村知事
はい、特に後者はまさに痛いところだと思っています。
まず、前者について申し上げますと、私自身実は運動音痴なものですから、やはりスポーツの世界で称賛を浴びるというか、世界で活躍できるというのは、もうなんか神様みたいなというか、これはもう障がいあるなしに関わらず子供の頃からそういうスポーツで喝采を浴びる同級生とか見て、いいなとか、羨ましいなとか思ってきた人生です。
そうした中で、特に障がいを持ちながらという言葉も本当は好きじゃないんですけれども、ただパラリンピック(に出場される選手)の中で、特に(親しくお話ししたことがあるのは)富田選手なんですけれども、途中でどんどん視力を失っていくというつらい境遇、私みたいな生まれつきとはまた違う悔しさの中で自分自身がその障がいを受け入れて、でもスポーツで自己表現をしていくという素晴らしさというか、私は単純にかっこいいな(と感じる)ということと、そういう人を応援していきたい。そしてまた可能ならスポーツを通じていろんな人に感動を与えるだけではなくて、その人がスポーツというもので生きていけるようになればいいなと思って見ています。
そうした中で、後者の話はまさに熊本県内でまだまだ活躍の場、それは先ほど経済の話にも至るところもあるんですけれども、なかなかスポンサーになってくれる大きな企業がないっていうのも熊本にある中で、(選手が)全国に(活動の拠点を移して)行っていたりしています。
ですので、皆さんよくご存じでしょうけれども、車いすのマラソンとかやってらっしゃる山本行文先生が、私も大変いつもご指導いただいていますが、山本先生とかと一緒にパラスポーツの普及をまずはしていって、県民の理解を広げていく中でいずれは企業(と連携する)とか、またはそういう形で県内で活躍できる選手を支えられる状況が作れればいいなと思うんです。しかし、いきなりそれを特に県内の企業と連携してできる状況はまだ整っていないように思いますので、私自身も10月には、車いすふれあいジョギング(大会)に、また今年も参加したいと思っていますけれども、そうした形でパラスポーツの普及を自らも先頭に立って頑張っていきたいと思います。
Q
質問重なってしまって、失言というか物議を醸す発言の中で、先ほど一般職もという話のとき、お叱りのメールが3件きたと知事おっしゃっていましたが、それ以外に例えばシダマツコンビの(表敬時の)バレー(選手)についての発言だったり、その前の水俣病の吊るし上げだったり、そういう中での県民からの怒りの声、メールだったりとか何件あったとか確認はされていますか。
木村知事
そこは広報グループに聞いていただければと思っています。
県民の方からのマイナスの話は「知事への直行便」という名前がなくなったからいろいろ物議をかもしましたが、(「県への提案」として)ちゃんと私のところに入ってきています。
今日までで3件、一昨日の件については(提言が)あったということ、シダマツペア(が表敬された時)の件については(まだ、報告は)何もなかったと認識しています。
ただ、いわゆる水俣病の時には本当に数多くいただいたと思っています。
本当に数多くて何百件ではないですけれども、それはまた広報グループなり水俣病保健課に聞いていただきたいと思います。
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Q
もう一点が、今、自民党総裁選という話が中央で出ていて、党としての選挙なので知事として答えられること、ないことはあると思うんですけれども、熊本にとってどういう人がなってほしいと言ったらちょっとあれなんですが、なったらプラスが多いかそういったところのもしお考えがあると教えていただければと思います。
木村知事
今、自民党のみならず野党第一党の立憲民主党も代表選に入りますので、そうした与党第一党の総裁選そして野党第一党の代表選が活発な政策論議をしてより良いトップの方が選ばれることを期待しています。
特に熊本においては先ほどTSMCの話もありますけれども、熊本の地方創生を実現するにあたって熊本自身がいろいろ変わっていかなければいけないところで、国の支援というか国とともにやらなければならないものもいっぱいあります。
特に半導体産業の集積は国策として始まっているものでもございますので、そうした中でしっかりと地方の現場の課題に理解があって、それに応えていただける自民党の総裁や立憲民主党の代表が選ばれることを期待しています。
Q
農林水産物の輸出の件で、今回2023年度の目標で110億円の設定をされたと思います。新たに目標額の設定というのを考えられていますか。
木村知事
良いことを聞いていただきました。
これは、次の総合戦略を策定する中で来年度以降の目標については立てていこうと思っています。
昨日(先日)、現場と議論をしたんですけれども、職員から(目標額)はちょっと増えるのかなと(話がありましたが)、僕は(目標額は)いっぱい増えた方がいいんじゃないかというところで、しっかりと夢のある目標値(額)を立てていきたいと思います。これは今年度中には立てたいと思います。
Q
今年度中にですか。
木村知事
はい、立てていきたいと思います。
Q
関連して台湾の輸出の件なんですけれども、先ほどおっしゃられた非関税障壁というのがなかなかこれ難しいというか、一般の農家はなかなか普通の農薬を使っていると輸出できないとかそういったこともあるんですけれども、本気度といいますか、具体的にこういうことを支援したいとかそういう具体的なところって何かありますか。
木村知事
これはおっしゃるとおりでして、台湾の場合は非関税障壁がいろいろあります。
ただそれについて本気度というのは、国のフラグシップ(GFP大規模輸出産地生産基盤強化)事業という農水省の輸出拡大のための事業にあえて手を挙げて、特にイチゴとメロンについてそれをとって(採択を受けて)、特に台湾の残留農薬基準に対応した基準を熊本の意欲のある農家さんと組んで徹底したりとかをやっておりまして、それによって台湾については厳しいとはいえ、どんどん増えている。
さっきのイチゴが1億130万円でしたけれども去年が2,290万円で一昨年が930万円だったことを考えると、倍々ゲームどころか何十倍ゲームに今なっているところでして、しっかりと農業団体と連携してある程度輸出を最初から考えてやってたら無理じゃないところもありますので、それはまず農業団体の農業者の方としっかりと理解をいただきながら進めていくというかたちで、まずは農家さんのやりたいという気持ちから始めたいと思っています。
Q
先程報道資料で知事が千寿園を訪問されるというのが出ていたんですけれども、このタイミングで訪問される理由と、あとはどういう経緯で、向こうから来てほしいと言われたのかこちらから行くと言ったのか、そういったところを言える範囲で教えてください
木村知事
はい、球磨村の千寿園につきましては、私も令和2年7月の球磨川の水害の中で大変な被害があったこと、その当時、私は消防庁の広域応援室長という立場だったんですけれども本当に厳しい現場を聞いておりました。
そして、10月に熊本に出戻ってきてからも何とかそこで再建したいという球磨村の人たちの切実な思いをずっと私も聞いてまいりましたので、ようやくこの地元球磨村での再開というので、今回お出かけ知事室で球磨村に行きますので、それに合わせて行かせていただくという形で私どもの方からお願いして行くことになったということでございます。
Q
台湾訪問に関してなんですけれども、先ほどTSMCの目的はお伺いしたんですが、それ以外に交通大学であったり中國信託フィナンシャルホール(ディング)の方にもお伺いされると思うんですが、この目的であったりこの台湾訪問をどうして成し遂げたいことといいますか、実現したいことというのはどういうことなんでしょうか。
木村知事
新竹のサイエンスパークであるとかまたは台湾のほぼ国立に近い研究機関の元締めであるITRI(イトリ)などにつきましては、今後の熊本でのサイエンスパークと私はマニフェストの方には仮称で書いていますけれども、より多くの企業のみならず研究機関とか、またはそうした(ところで働く)方々の住まい・街づくりみたいな観点で視察と意見交換をさせていただいて、どういう形で熊本でそういうことができるかというのを検討する視察にしたいと思っております。
また、中國信託銀行、CTBCにつきましては先日ホールディングの方と一緒にいわゆるMOU(包括連携協定)を結びましたので、そのお礼とともに現地でトップの方とお会いしながら具体的な、例えば台湾企業の熊本への関心や動向とか、そのために何が必要なのかなどのニーズについて半導体に限らずいろいろな人たちと接点がある金融機関から情報を集めて県の対応を考えたい。人数は少ないですし、時間は短いんですけれども密度の濃いミッションにしていきたいと思っております。
Q
今回の行程には含まれていないと思うんですが、高雄市は県との友好関係も深くて、TSMCの第1工場建設中、第2工場、第3工場と少し似通ったような状況があるかと思うんですけれども、こことの意見交換であったり、参考にし合うような状況だとかそういうところはないんでしょうか。またそのお気持ちなど。
木村知事
高雄市につきましては友好提携を結んでいる中で、まだ私もですから知事就任後一度も行けてない。
国内案件があまりにも多かったので、本当に海外自体が知事就任後今回初めてになります。
できれば早いうちに高雄市にも行きたい、別の機会で行きたいと思っておりますし、そのための下準備みたいなのを始めたいと思っています。
高雄市は熊本県と長いこと友好というかたちで、地震の後からさらに深まった関係でございます。しっかりと高雄市ともやり取りしていきたいと思っております。
Q
水俣病の関係で、昨日環境省に、要望書を知事の名前でお出しになられている中で、二つお尋ねしたいんですけれども、(離島加算の)1万円という金額について、先日の懇談で(は、この数字の妥当性について、内部で)協議したいというような発言があったというふうに聞いているんですが、この1万円という数字を要望書の中で明記した理由が一つ、もう一つは交通の検討チームについて、環境省の参加と支援の要望が織り込まれていると思うんですけれども、このレスポンスがあるまでは検討チームは立ち上げないんだろうかというふうに思ったんですが、その点について。
木村知事
はい、二点ありました。(離島加算)の1万円につきましては、団体側の要望をそのままお伝えしたというのが実情でございます。私としても、団体に寄り添って、今回要望させていただいたということでございます。
二点目の地域交通につきましては、国の支援が無くても、県と自治体で出来ることであればやりたいと思っていますが、多分(国の支援とは)水俣病総合対策事業の中で盛り込めるものがあればということですけれども、検討チーム自体については、国の関与、(要望に対する)レスポンスが無くても、早いうちに立ち上げたいと思っております。
Q
先ほど原発は忘れていたのでちょっと知事の原発に対する考えを伺いたいですが、出水というのは川内原発から40キロ圏内、福島を見れば40キロ圏内というのは飯館村とか普通に帰宅困難地域になるぐらい近いけれども、でも実際何かあったときには水俣の方も避難しないといけないし、鹿児島からの避難は当然、原発に対するお考えというのは知事はそもそもどう思っていますでしょうか。
木村知事
先ほどの原発事故の話とか川内原発の緊急時を想定した訓練というのは常に熊本県も参画しておりますし、危機管理の中で対応しておりますし、たぶん訓練も危機管理防災課でたしか何年か前には一緒にやっていたと思います。
そこは危機管理防災課に確認したいと思いますが、そうしたものに対する備えは県としてもやっております。
原発についての基本認識を申し上げさせていただきますと、私は、実は福島の事故の時にちょうど別の県から霞が関に戻った頃で、当時、選挙部というところにいまして、原発の避難者の方々に選挙の投票をどのようにやっていただくかについて担当していた時に、その事故によってふるさとを出て行かざるを得なかった方々のご苦労というか辛さを実は知っております。
埼玉県とかまたは会津の方にドカッと移った人たちでどういうふうに村の選挙をするかみたいなことだったので、だからこの事故みたいな万が一のことに対する備えというのは徹底的に国や電力会社でやっていただきたいという思いがあります。
ですので、積極的にこれをどんどんやるのが正しいことだとは思ってないというのが私の正直な考えです。
ただ今の日本の電力需要の中でどうしても日本人が必要とする電力量を満たせないので、やはり原発というのが今稼働している以上はそれを安全に何とか続けていけるように全力を注入してやっていくべきだというのが私のスタンスです。
Q
原発そのものに対するお考えはわかるんですが、いざ何かあったら住民、県民ですよね。その県民を巻き込んでの訓練というのは恐らく当初はやってたんでしょうけれども、最近は全く記憶にないんですが、その辺りの認識というのはどうですか。
木村知事
たぶん訓練というのは県がやる訓練、また市町村がやる訓練いろいろありますが、ちょっと今、私もデータがないので申し訳ありませんが、正確には危機管理防災課からお返しをさせていただきますが、たしかに最近やってないような気がしますが、気がするだけではちょっといけませんので、確認してご回答いたします。
ただ、どうしても県の訓練、年に一回の大きな訓練、最新の課題になると、今は南海トラフに対する備え、訓練をどうするかというのはどうしても優先事項です。
今年はたぶんそれに能登半島地震もあったので、天草地域をターゲットに、離島における災害対応をどうするかというのが、その時々のトピックの中でそうなってしまっているというところはご理解いただきたいと思っています。
Q
今のご質問に関連してなんですけれども、原子力発電への基本的な姿勢なんですが、日本の電力量は原発事故直後は他の設備で維持していたので、私も最新の状況を知らないんですけれども、電力量が維持できないことはないのではないかと思うんですが、原子力発電を使うという政策的選択を国はしてきているんだと思いますけれども、それも踏まえて現状は維持せざるを得ないということなんでしょうか。
木村知事
細かな数字はすみません。私も県のエネルギー政策の担当者じゃないので分かりませんが、私は現状として原発が稼働している状況は仕方ないと思っています。
Q
一方で積極的にこれをどんどんやることが正しいとは思っていないとおっしゃったのはさらに増やすとかいうことには賛成できないということなんでしょうか。
木村知事
地域全体として、また、国全体として必要であればそれはしょうがないところはあろうかと思いますけれども、あまり積極的に、例えば誘致したいという気持ちはないです。
Q
興味本位の質問になってしまうんですが、今年の夏も非常に暑くて、県庁のエアコンについてなんですけれども、7月の頭の熊日さんの記事では設定温度を下げることにより効率は上がったみたいな記事が出ていましたが、記者室は結構暑めなんですけれどもそれを下げてくれというのではなくて、執務室によって結構ばらつきがあったりとかするのかなと疑問に思ったんですが、そのあたり何か把握されていることとか、働き方をこうしてくれみたいな声が上がっているとかありますでしょうか。
木村知事
はい、これはまた総務部財産経営課にちょっと伺っていただきたいと思います。
返答させるようにします。私は、7月に指示して、折々指示しているんですよ。
私自身の執務室ないしは今日のこの記者会見場は比較的快適かなと思っておりますが、それを私が言い出して指示をした頃に職員の人からうちのフロアは一番厳しいんですよ、ぜひ知事お願いしますみたいなお声をいただいて、そういうのもちゃんと見てねということを指示はしたことはあります。
ただ、それちょっとまだ成果として、どういうふうにしたか(直接、報告は受けていませんが)、ただ、だいぶ改善したというふうに私はそういうふうに思っております。私はそっちの声をいただいています
細かい対応状況は一度、担当課とお話いただきたいと思います。