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熊本県内の川(湖)における遊漁のルール・マナーについて
はじめに
熊本県は、豊かな地下水に恵まれ、多くの川や湖では、アユやコイ、ヤマメなどの魚類を始め、水草や水生昆虫など、たくさんの動植物が育まれています。
県では、これらの動植物を保護するとともに、多くの皆様が、釣りや魚獲りをトラブルなく楽しんでいただけるように、漁業法基づき定められた熊本県漁業調整規則(以下、県規則という。)等によってルールを定めています。ここでは、それらのルールについて、わかりやすく紹介しておりますので、ご高覧の上、今後とも皆様のご協力をお願いいたします。
皆さまが気持ちよく自然豊かな熊本県の川や湖を利用できるよう、ルールを守り、ゴミを残さないようにしましょう。
1. 使用できる漁具・漁法には制限があります
次に掲げる漁具又は漁法により水産動植物を採捕してはいけません(県規則第35条第2項)。
- 発射装置を有する漁具
- びん(ガラス、陶、金属及び化学製品のものをいう。)漬、おけ漬及び箱漬
- う飼い
- 提灯たぶ(別名いなあみ又は地獄網)
- さかうけ
- 流水を枯渇させ、又は著しく減少させる漁法
- 潜水弓掛
- からから(別名弓張、川掃除又はばたばた(へらびき及びうづなを含む。))
- 二重以上の網地をもって構成する刺網
- 地びき網及び船びき網
- 水中に電流を通じてする漁法
- 球磨川水系における火光利用漁法
- 球磨川水系における夜堀
この他にも漁具又は漁法が規制されている事項がありますので、詳しくはこちらをご確認ください。 (PDFファイル:131KB)
2. 採捕できる水産動物には、禁止期間や体長等の制限があります
熊本県の川(湖)では、表1のとおり、採捕してはならない期間やその大きさが定められている水産動物があります(県規則第40条第1項)。もし誤って採捕した場合は、再放流(リリース)をお願いします。違反して採捕した水産動物又はその製品を所持、販売した場合、処罰される可能性があります(県規則第40条第3項)。
その他、県内の漁協が定める遊漁規則により、個別に水産動物に対する採捕禁止期間が定められている場合もありますので、ご注意ください。
水産動物 | 採捕禁止サイズ | 採捕禁止期間 |
---|---|---|
アユ | すべてのサイズ | 1月1日から5月31日まで |
ニホンウナギ(注) | 全長21センチメートル以下 | 周年 |
ボラ | 全長10センチメートル以下 | 周年 |
コイ | 全長10センチメートル以下 | 周年 |
ヤマメ、アマゴ | すべてのサイズ | 10月1日から翌年2月末日まで |
(注)ニホンウナギについては資源保護や密漁防止の観点から、表2のとおり他にも採捕が禁止されている大きさや期間があります。
表2 県規則以外でのニホンウナギの採捕の禁止について
根拠 | 採捕禁止サイズ | 採捕禁止期間 |
---|---|---|
漁業法第132条第1項 |
全長13センチメートル以下 (シラスウナギ) |
周年 (免許や知事が許可する漁業に基づく採捕の場合は除く) |
熊本県内水面漁場管理委員会指示 | 全長21センチメートル超 | 10月1日から翌年3月31日まで |
3. 採捕を禁止している区域があります
熊本県の川(湖)には、あらゆる水産動植物の採捕が禁止されている場所があります(県規則第39条)。
禁止区域の一覧はこちらをご確認ください。 (PDFファイル:127KB)
4. 漁業権について
漁業権とは、行政庁の免許により設定された一定の水面において、排他的に特定の漁業を営むことのできる権利であり、「定置漁業権」、「区画漁業権」及び「共同漁業権」の3種類があります。
中でも、「共同漁業権」は、一定の水面を共同に利用して漁業を営む権利で、漁業協同組合(漁協)に免許され、漁協の管理のもとでその組合員が漁場を使うものです。
熊本県の複数の川(湖)には、この「共同漁業権」が設定されている場所があり、その設定区域で対象となっている水産動植物(「第1種及び5種共同漁業権」で対象となっている生物)を無断で採捕したり、また、組合員が行う漁業の妨害等を行った場合、漁業法第195条第1項の漁業権侵害に該当する場合がありますので、注意してください。なお、対象となる水産動植物は設定されている共同漁業権毎に異なります。詳細については、漁業権管理者(地元の漁協)または下記の問い合わせ先までご連絡ください。
- 第1種共同漁業権の対象となっている水産動植物の例
- 貝類:しじみ、はまぐり
- 藻類:あおのり、ちすじのり、かわのり
- 第5種共同漁業権の対象となっている水産動植物の例
- 魚類:あゆ、やまめ、こい、ふな、うなぎ等
- 甲殻類:もくずがに、てながえび等
- その他:すっぽん等
5. 遊漁規則について
漁業権を免許された漁協は、それぞれの漁場の区域において、知事の認可を受けて、遊漁規則を定めています。
遊漁規則は漁協の組合員以外の一般の釣り人に対するルールを定めているもので、該当する川(湖)で漁業権の対象となっている水産動植物を採捕する場合には、遊漁規則に従わなければなりません。
なお、遊漁規則には一般的に次のような事項を定めていますが、漁場毎に内容は異なりますので、詳細については、漁業権管理者(地元の漁協)または下記の問い合わせ先までご連絡ください。
- 遊漁についての制限及び範囲(漁具、漁法の制限、採捕区域や期間など)
- 遊漁料の額及び納付の方法
- 遊漁に際して守るべき事項
- 漁場監視員に関する事項
- 違反者に対する措置に関する事項
6. 遊漁料について
漁業権を免許された漁協は、稚魚等の放流・産卵場の造成や保全など、水産動物を増やす取り組みを行っており、これらの取り組みにかかる費用は、そこで漁業を行う組合員と一般の釣り人が負担しなければなりません。
そのため、一般の釣り人が漁業権の対象となっている水産動物を採捕する場合は、遊漁規則に定められている遊漁料を漁業権管理者(漁協)に支払い、遊漁券(遊漁承認証)を購入する必要があります。
また、購入した遊漁券(遊漁承認証)は携帯し、漁場監視員の要求があった場合は、提示する必要があります。
7. 内水面漁場管理委員会指示について
内水面漁場管理委員会は、都道府県に設置された行政委員会であり、熊本県には熊本県内水面漁場管理委員会が設置されています。
そして、熊本県内水面漁場管理委員会は水産動植物の繁殖保護や漁業調整のために必要があると認められるときは、水産動植物の採捕に関する制限又は禁止等必要な指示をすることができます。
委員会指示の例
- 球磨川における右岸八代市麦島東町、左岸八代市高下東町球磨川堰上流端から上流へ30メートル、同堰上流端から下流へ80メートルまでの区域においては、水産動物の採捕が禁止されています。
※ただし、県規則第39条の規定で定められた採捕禁止区域等と重複する区域及び期間を除きます。 - 球磨川水系前川における右岸八代市末広町、左岸八代市麦島東町新前川堰上流端から上流へ30メートル、同堰上流端から下流へ80メートルまでの区域においては、水産動物の採捕が禁止されています。
- コイヘルペス病のまん延を防止するためコイ(マゴイ及びニシキゴイを言う)について、県内の公共の用に供する内水面及びこれと連接一体を成す内水面において、コイを持ち出し他の水域に放流してはいけません。
8. 外来魚について
- ブラックバス及びブルーギル等の特定外来生物として指定されている魚種については、飼育、運搬、放流等が禁止されており、違反した場合、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」に基づき処罰される可能性があります。
- 熊本市では条例により、江津湖地域での特定外来生物等の外来魚について、放流、再放流(リリース)が禁止されています。
9. 内水面利用に関するお問い合わせ先
- 熊本県農林水産部水産局水産振興課 漁場管理班
〒862-0950 熊本県熊本市中央区水前寺6丁目18-1
電話 : 096-333-2456
Fax : 096-382-8511 - 熊本県天草広域本部農林水産部 水産課
〒863-0013 熊本県天草市今釜新町3530
電話 : 0969-22-4364
Fax : 0969-23-2856