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甲佐町住まいの復興拠点施設

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004622 更新日:2020年8月1日更新

甲佐町住まいの復興拠点施設鳥瞰の画像

熊本地震からの復旧・復興として甲佐町が計画した「住まいの復興拠点施設」である。

災害公営住宅15棟30戸とみんなの家(集会施設)、子育て支援住宅20戸、防災公園を一体的に計画することで、人口減少に歯止めをかけ、新たに多世代間の交流を生み出している。甲佐町役場に隣接する暮らしやすい立地にありながら、周囲には水田と畑が広がり、防災公園とみんなの家を取り囲むように配置された災害公営住宅と子育て支援住宅では、心地よい風が流れる。甲佐町の創造的復興のシンボルであり、今後の災害時の拠点ともなるこの場所で、更なる発展につながる地方創生が実現することを期待している。

建築概要

2016年4月に発生した熊本地震で被災した甲佐町において計画された復興拠点施設。災害公営住宅15棟30戸、みんなの家(集会所)と、子育て支援住宅20戸、防災公園を一体的に計画することで、地震からの復興の先に新たに多世代の交流を生み出し、町の活性化を期待するものである。敷地の南北には水田や畑が広がり静かで穏やかな環境である他、甲佐町役場と隣接する暮らしやすい立地でもある。被災した高齢の方々の住まいと若い子育て世代が同じ敷地で新たに暮らすことになるため、多世代間の交流を積極的に促す事が大切であると考えた。そこで、この土地に特徴的な風の流れを生かした南北の交流の軸をつくり、災害公営住宅と子育て支援住宅によって、公園とみんなの家を囲むことで距離を保ちながらも集まることができるような配置とした。
災害公営住宅は、交流軸の道からさらに枝分かれした小道沿いに配置して住戸間の距離を確保しつつ、2戸がずれながら1棟となる長屋形式とした。ずれて生じた壁や植栽がウィンドキャッチャーとなり、土間を通じて有効に室内に風を取り込むことができる。みんなの家は、交流軸上の公園に面して配置することで多世代の交流拠点となることを目指している。垂直に伸びた屋根が敷地の中で馴染みながらも突出しており、住民から親しまれる存在となる。
子育て支援住宅は、公園に向かって手を広げているような佇まいで、公園で遊ぶ子どもの声が聞こえるような距離感をつくっている。甲佐町以外の地域からやってくる子育て世代の家族が孤立しないよう、エレベーター前の共用部に大きなベンチやテーブルをつくり、入居者同士が利用できる交流スペースをつくった。各住戸は災害公営住宅と同様にずらしながら隣接させることで、室内に風を有効に取り入れている。室内においてもルーバーや可動間仕切り等により風が流れるプランとした。
この土地の豊かな気候風土を最大限に生かし、風や光を採り入れながら自然と近い暮らしが実現することを期待している。

建築データ

名称 甲佐町住まいの復興拠点施設
所在地 熊本県上益城郡甲佐町大字豊内地内
事業主体 甲佐町
設計者 岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ+ライト設計共同企業体
総工事費 1349百万円

町営住宅甲佐団地(災害公営住宅+集会所)

災害公営住宅
災害公営住宅内観
みんなの家
みんなの家内観
災害公営住宅夜景

主要用途 長屋、集会所
発注者 熊本県
施工者  山王株式会社(建築)、株式会社ミヤデン(電気)、藤本水道株式会社(機械設備)
敷地面積 7903.03平方メートル
建築面積 2004.70平方メートル
延床面積 2003.00平方メートル
階数 地上1階
構造 木造
外部仕上 外装薄塗材吹付、杉羽目板WP
施工期間 2018年4月~2019年3月

ヴェルデ甲佐(子育て支援住宅)

子育て支援施設
エンブレム
東京五輪・パラリンピック公式エンブレムデザイナーの野老朝雄(ところあさお)氏と地域の子どもたちによりデザインされたエンブレム

子育て支援施設内観
子育て支援施設キッズスペース
主要用途 共同住宅
発注者 甲佐町
施工者 株式会社松島建設(建築)、田中建設株式会社甲佐支店(外構)、有限会社伊豆野設備(浄化槽)
敷地面積 2448.72平方メートル
建築面積 841.24平方メートル
延床面積 1987.92平方メートル
階数 地上3階
構造 鉄筋コンクリート造
外部仕上 コンクリート打ち放しのうえ、フッ素樹脂塗装(カラークリヤー)
施工期間 2018年8月~2019年8月

甲佐地区防災公園(みんなの庭)

防災公園
パーゴラ

主要用途 公園
発注者 甲佐町
施工者 田中建設株式会社甲佐支店
敷地面積 2407.02平方メートル
施工期間 2019年9月~2020年1月

敷地平面図

建築家プロフィール

岡野道子建築設計事務所岡野氏
岡野 道子(おかの みちこ)
1979年 埼玉県生まれ
2003年 東京理科大学大学院修士課程修了
2005年 東京大学大学院博士課程中途退学
2005年 伊東豊雄建築設計事務所入所
2016年 岡野道子建築設計事務所設立
2017年 芝浦工業大学建築学部特任准教授
2017年 株式会社岡野道子建築設計事務所に改称
現在 代表取締役、芝浦工業大学特任准教授

  • 主な作品
    檸檬ホテル、益城町テクノ本格型みんなの家、京都ZENホステル、宮城野の家

ビルディングランドスケープ山代氏
山代 悟(やましろ さとる)
1969年 島根県生まれ
1993年 東京大学工学部建築学科卒業、Responsive Environment共同主宰
1995年 東京大学大学院修士課程修了
1995~2002年 槇総合計画事務所
2002年 ビルディングランドスケープ設立共同主宰
2002~2007年 東京大学大学院建築学専攻 助手
2007~2009年 東京大学大学院建築学専攻 助教
2010年~ 大連理工大学 建築与芸術学院 客座教授
2017~2018年 芝浦工業大学建築学部建築学科 特任教授
2018年~ 芝浦工業大学建築学部建築学科 教授
現在 ビルディングランドスケープ共同主宰、芝浦工業大学建築学部建築学科教授、博士(工学)

  • 主な作品
    早瀬庵、みやむら動物病院、LWB阪東橋、大連市甘井子区体育場
  • 受賞歴
    大分県木材会館プロポーザル最優秀賞、T-1グランプリ2018LVL賞 ウッドシティTOKYOモデル建築賞最優秀賞、延岡駅周辺整備デザイン監修者プロポーザル次点

株式会社ライト設計

  • 主な作品
    益城中央小学校、龍燈苑、城南総合スポーツセンター体育館、山都みらい保育園、熊本県総合防災航空センター(共同企業体)、ホアンサー展示館(ベトナム・ダナン市)
  • 受賞歴
    2010年 木材利用大型施設コンクール熊本県森林組合連合会賞
    2013年 木材利用大型施設コンクール熊本県森林組合連合会賞
    2016年 木材利用大型施設コンクール熊本県木材協会連合会賞
    2018年 木材活用コンクール優秀賞(林野長官賞)

=令和2年(2020年)1月22日 掲載記事=

甲佐町住まいの復興拠点施設整備 -自然と建築が一体となった熊本型の災害公営住宅、復興拠点-

完成イメージ(岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ)

甲佐町役場に隣接し、災害公営住宅、都市防災公園、子育て支援住宅を計画。

甲佐町を象徴するような、声や視線が届き、穏やかに安心して暮らせる新しい復興拠点が提案された。

パース(全体)パース(災害公営住宅)パース(子育て支援住宅)パース(交流スペース)
パース(みんなの家)

日照や良風に恵まれた環境の中で、快適な外部、半外部空間をつくることで、自然と共生する暮らしを実現する。

災害公営住宅では、自然光が入るよう南側に開口部が設けられ、間仕切りの引き戸で自由に間取りを変えられるプラン。屋内外をつなぐふれあい土間では、近所の人との交流がうまれる。

パース(内観)

▼建築データ

名称/甲佐町住まいの復興拠点施設整備

所在地/上益城郡甲佐町大字豊内718-1他

設計/岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ+ライト設計

  1. 災害公営住宅:30戸(木造平屋建て)、「みんなの家」の併設 ※平成31年3月完成予定
  2. 子育て支援住宅:20戸(鉄筋コンクリート造中層)
  3. 都市防災公園:約3,000平方メートル

<設計者>

▼岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ+ライト設計

設計者選定プロポーザル

審査結果について(提案イメージ)

 平成29年7月3日に甲佐町役場で実施した公開審査において、一次審査通過者がプレゼンテーションした技術提案の内容を一部紹介します。

最優秀賞

岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ(東京都)

完成イメージ(岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ)

集合写真(岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ)

前列左から

 萩原廣高(協力事務所/Arup)

 岡野道子(岡野道子建築設計事務所)

 山代悟(ビルディングランドスケープ)

後列左から

 春日広樹(ビルディングランドスケープ)

 芦原伸治(芝浦工業大学)

 小林航大(同上)

優秀賞

株式会社アトリエ・アンド・アイ(東京都)
技術提案(アトリエ・アンド・アイ)01技術提案(アトリエ・アンド・アイ)02

佳作

ワークステーション・モードフロンティア・KAY設計共同体(神奈川県)
技術提案(モードフロンティア)

佳作

野沢正光建築工房(東京都)
技術提案(野沢正光建築工房)

佳作

株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ(東京都)
技術提案(シーラカンスアンドアソシエイツ)

------平成29年7月  7日 二次審査の講評を掲載しました。------

------平成29年7月  3日 二次審査を実施しました。------

------平成29年6月19日 一次審査の講評を掲載しました。------

------平成29年6月11日 一次審査を実施しました。------

------平成29年6月11日 公募型プロポーザルの一次審査を実施しました------

------平成29年6月  8日 県内共同事務所を再募集。------

------平成29年6月  5日 プロポーザルの応募を締め切りました。------

------平成29年5月15日 質疑回答及び追加資料を掲載しました。------

------平成29年5月10日 質疑を締め切りました。------

------平成29年5月  9日 現場見学会を開催しました。------

------平成29年5月  2日 質疑回答を掲載しました。------

------平成29年4月27日 応募要項等を発表しました。------

プロポーザル公開審査の審査員長講評について(平成29年7月7日)

 甲佐町住まいの復興拠点施設整備設計に係る公募型プロポーザル二次(公開)審査

 審査員長講評/くまもとアートポリスコミッショナー 伊東豊雄

今回の公募型プロポーザルでは、応募総数24件の中から1次審査を通過した5案が公開審査の場で競うことになりました。全ての応募案が震災復興に思いを寄せられた力作揃いであったこと、選ばれた5者の方々のプレゼンテーションや模型などの準備に対するエネルギー、そして公開審査の場に参加していただいた多くの住民の方々、行政関係者、遠くからお越しいただいた設計関係者や建築を学ぶ学生さんの熱い眼差しに対して審査員一同、身の引き締まる思いで議論を交わし最終選考を行いました。

 本当に伯仲しており、それぞれ甲乙つけがたい魅力を持った提案に優劣をつけるのは大変難しいことであります。選考の基準は、都市防災公園と融合した全体配置構成、子育て支援住宅と災害公営住宅におけるプランニングなどに加え、将来の可能性が広がる災害公営住宅の考え方がひとつのポイントになりました。

 甲佐町では、既に2か所の災害公営住宅計画をくまもとアートポリスのプロジェクトで進めていることもあり、町長をはじめとする3名の審査員の方々の深い造詣と明確な意見が選考収束の重要な手掛かりとなりました。例えば、災害公営住宅を2戸1(棟)にすることは町側からの要望です。これは将来的なことであるために明確な設計条件とするわけにはいきませんが、東日本大震災の事例などから払い下げ住宅となりうる可能性や住戸規模の拡大を考えておくことも提案に含まれてしかるべきだといえます。また、先行の災害公営住宅では地域の生活環境に根付く土間空間を活用したプランニングを採用しており、その考え方を組み込むことで甲佐町災害公営住宅としての特徴が鮮明になるのではないかという意見も審査の最終段階で聞かれ判断材料のひとつに加えられました。

 最優秀賞になりました『岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ』の提案に関しましては、南南東の卓越風を活かした風の道、西風を取り込むウィンドキャッチャー、季節、時間毎に快適な自然採光という「風を足し光を操る」という甲佐町の環境をデザインすることを大きなテーマにしながら全体構成が考えられていることが他の案にない魅力であります。災害公営住宅だけでなく、子育て支援住宅にも各々に土間空間や玄関先の交流コーナーが設けられ、1階中央のキッズスペース(集会室)はエントランス部や近くに計画された「みんなの原っぱ」と連動できるようになっており敷地中央の「みんなの家」を含めたコミュニティの繋がりも考慮されていることも高く評価されました。将来の2戸をひとつにすることも想定されている計画であることも最終判断の要因となりました。総合的にバランスのとれた安心できる提案であり、かつ甲佐町をアピールできることが地元に好感されました。

次点の優秀賞である『株式会社アトリエ・アンド・アイ』の提案は、全体の配置のバランス等に成熟した建築手法が滲み出ており大変信頼感があるものでした。災害公営住宅の区画割りは「自分たちの庭である」実感がもてるもので、それらを繋ぐ「菜園の小径」もコミュニティの媒体として練られた計画であります。プレゼンテーションで「自身の作品の飾らない質素さ」をアピールされておりましたが、それらが創り出す風景としての表情は総じて好意的に受け止められ評価されました。問題点として挙げられましたのは造成の考え方で、ローコストを意識され過ぎたのかもしれませんが、排水等に懸念が残ります。加えて将来的なフレキシブルな対応と敷地の関係も話題になりました。災害公営住宅の一部のプランに間口の狭さを指摘する声もあり、最優秀案に一歩及びませんでした。

『ワークステーション・モードフロンティア・KAY設計共同体』の提案は、町役場側に広く面する都市防災公園と4グループに分かれ、中央にインターロッキングの中庭を持つクラスター集合体としての災害公営住宅が独自の風景を作り出しています。一見、戸建てのように見えますが庇でつなぐ2戸1になっていることや、子育て支援住宅にも住戸間にエントランスコートという交流を促すスペースが設けられるなど随所に住戸の独立性を確保しながらコミュニティの形成を促す工夫が施された計画でしたが、クラスター間の動線や将来の変更などに疑問の意見が聞かれました。

『野沢正光建築工房』の提案は、町役場のある西側にピロティを持つ子育て支援住宅、東側に幾つかのバリエーションを持つL型2戸1の災害公営住宅、中間に都市防災公園が有機的に配され、全体が緑豊かな公園のような佇まいを持った熟練された手法による全体構成が他案と一線を画すものとして注目されました。月日の経過と共に魅力ある住環境に育つことをイメージできることが高く評価されました。一方でスケルトンインフィルを想定した住戸平面の長い動線や子育て支援住宅のコスト、日照コントロールなどについて最後まで意見が分かれました。

『株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ』の提案は、北側に子育て支援住宅、都市防災公園を挟んで向きを微妙に変化させた2戸1の住宅がスラローム状の小径によって結ばれた災害公営住宅という構成が特徴であります。災害公営住宅の更新性と可変性に対する具体的な提案もあり、住戸平面もこれまでの事例を研究されていることが窺えましたが、見守りを重視した対面する住戸アクセス等の地元サイドの関心は少なかったようです。やわらかな情景を評価する意見もありましたが、もう少し全体的に収斂させることでより良い提案になったのではないかという指摘もありました。

1次審査と2次審査では、幾度も投票を重ね、審議を尽くした末に審査員全員の合意で最優秀案と優秀案を決定いたしました。甲佐町の町長、副町長、建設課長がそれぞれの立場と見識において自由闊達な意見交換をしていただけたことに感激をいたしました。30年を経過して、くまもとアートポリスのプロポーザル審査の本来のあり方が見えてきたように感じております。

最後になりますが、改めて応募くださった皆様、2次審査まで労力を惜しむことなく素晴らしいプレゼンテーションをしていただいた建築家の皆様に御礼を申し上げます。

また、審査会場にお集まりいただいた町民をはじめとする皆様に感謝いたします。最優秀案が地元の意見をくみ上げながら完成するまでみんなで見守っていきたいと考えております。

最終審査結果について(平成29年7月3日)

 7月3日に甲佐町役場で実施した二次審査の結果を、下記のとおりお知らせします。

1.プロポーザル

 

応募登録名

所在地(代表者)

最優秀賞

岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ

東京都

優秀賞

株式会社アトリエ・アンド・アイ

東京都

佳作

ワークステーション・モードフロンティア・KAY設計共同体

神奈川県

野沢正光建築工房

東京都

株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ

東京都

2.県内共同事務所

応募登録名

所在地(代表者)

株式会社ライト設計

熊本市

参考:プロジェクト概要

 事業主体:甲佐町

 建設地:上益城郡甲佐町豊内718番地1他

 施設規模:災害公営住宅(30戸)、子育て支援住宅(20戸)、都市防災公園(3,000平方メートル)

 設計期間:平成29年7月から平成30年1月まで※造成を除く

 工事期間:平成30年3月から平成31年10月まで※造成を除く

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次審査の審査員長講評について(平成29年6月19日)

 甲佐町住まいの復興拠点施設整備設計に係る公募型プロポーザル一次審査

 審査員長講評/くまもとアートポリスコミッショナー 伊東豊雄

 本プロポーザルの応募総数は24件でありました。内訳は、熊本県外が21件(うち県内事務所との共同応募3件)、県内が3件です。

 今回のプロジェクトは、3つの事業(災害公営住宅、子育て支援住宅及び都市防災公園)で構成され、かつ、1ヘクタールを超える大規模なものです。プロポーザルの提案を短いスケジュールで公募したにも関わらず、応募作品はくまもとアートポリスの理念を御理解いただいていることが十分うかがえるとともに、バリエーションに富んだ大変素晴らしい提案ばかりでありました。各応募者とも実力を遺憾なく発揮されており、被災した方々に寄り添いつつ、甲佐町の活性化につながるような提案で、大変難しい審査となりました。議論を重ねた結果、二次審査に進んでいただく提案を5案に絞り込むことができました。

 応募資格書類には特別な不備がないことを全員で確認したうえ、審査に入りました。

 審査は、要求する与条件を満たしうる提案で、『甲佐町震災復興計画』の基本理念である「将来(みらい)を想い魅力(たから)を活かすともに紡ごう次世代への架け橋」の実現に向け、全体の配置計画のバランス、2戸1棟でまとめる住戸プラン、子育て支援住宅や都市防災公園をどのような位置に配置しているかなどを選考の重要なポイントとして意見交換を行いました。

 特に、作成要領に記載している提案項目について討論し、審査員である奥名町長の震災からの復興に掛ける思いを感じることができた審議となりました。

 全提案は整理すると幾つかのタイプに分かれておりました。それぞれのメリットとデメリットを慎重に検討しながら、実施に移行しても案の基本的理念を変更せずに様々な問題に対応できる提案内容ではないかと判断した5案を二次審査に進んでいただくことにしました。

 この5案には、魅力ある提案と併せて、書類では確認できなかった確認事項も多々ありました。公開で行う二次審査では、再度、アートポリスのテーマである「自然に開き、人と和す」に基づき、全国に誇れる震災からの復興拠点を実現していくために、町民目線を含め、様々な視点から具体的な質問を投げかけて評価の判断にしたいと思っております。

 7月3日に公開で行う二次審査は、白熱した論議の場になるであろうと考えております。多くの甲佐町民の方々にも是非御参加いただき、町の顔となる町民交流の拠点をイメージしていただけるような場にしたいと思っております。また、熊本県内をはじめ全国で建築に携わる方々や若い学生諸君にも御参加いただき、これまでにない復興モデルが誕生する瞬間を間近で体感されることを願っております。

 最後になりましたが、一次審査に応募された方々にはこの場をお借りして深く感謝の意を表します。ありがとうございました。

 くまもとアートポリスは今後もこのような場を設けて参ります。どうぞ御期待下さい。

公募型プロポーザルの一次審査結果について(平成29年6月11日)

 6月11日に甲佐町役場庁舎/生涯学習センターホールで実施した一次審査の結果を、下記のとおりお知らせします。

1.応募状況

 公募型プロポーザル応募件数:24件

2.一次審査通過者

整理番号

応募登録名

応募者(代表者)氏名

(所属事務所名)

所在地

(代表者)

1

株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ

赤松 佳珠子

((株)シーラカンスアンドアソシエイツ)

東京都

3

株式会社アトリエ・アンド・アイ

坂本 一成

((株)アトリエ・アンド・アイ)

東京都

7

ワークステーション・モードフロンティア・KAY設計共同体

高橋 晶子

((有)ワークステーション)

神奈川県

8

野沢正光建築工房

野沢 正光

((有)野沢正光建築工房)

東京都

11

岡野道子建築設計事務所+ビルディングランドスケープ

岡野 道子

(岡野道子建築設計事務所)

東京都

3.今後の予定

 二次審査(公開)

 日時:平成29年7月3日(月曜日)正午から午後5時10分(予定)

 会場:甲佐町役場庁舎/生涯学習センター ホール

 内容:

  1. 発表者プレゼンテーション及び個別質疑
  2. 全体質疑
  3. 最終審査
  4. 審査結果の発表、審査員長講評及び表彰

参考:プロジェクト概要

 事業主体:甲佐町

 建 設 地:上益城郡甲佐町豊内718番地1他

 施設規模:災害公営住宅(30戸)、子育て支援住宅(20戸)、都市防災公園(3,000平方メートル)

 設計期間:平成29年7月から平成30年1月まで ※造成を除く

 工事期間:平成30年3月から平成31年10月まで ※造成を除く

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県内共同事務所を再募集します(平成29年6月8日~6月19日)

 プロポーザルにより選定された者に県内建築士事務所が含まれない場合は、県内共同事務所と共同企業体(JV)を組むこととしています。

 平成29年4月27日付けで県内共同事務所を募集したところ、応募がありませんでしたので、再度、県内共同事務所を募集します。

  • スケジュール
    平成29年6月 8日(木曜日) 要項発表
     6月  8日(木曜日)~6月19日(月曜日)   要項配布
     6月19日(月曜日) 応募締切
     6月23日(金曜日) 一次審査(非公開)
     7月  3日(月曜日) 二次審査(非公開)

県内共同事務所の選定に関する応募要項等

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公開審査のご案内(平成29年6月1日)

 甲佐町は、災害公営住宅の他に、子育て支援住宅及び都市防災公園を、震災からの復興や町活性化のシンボルとして整備する「甲佐町住まいの復興拠点施設整備」を、くまもとアートポリス事業として取り組み、町の顔となる町民交流の拠点とするとともに、全国に誇れる震災からの復興拠点として一体的に整備します。

 設計者は、国内外で活躍する建築家の中から一次審査を通過した5者(予定)によるプロポーザルにより選定し、県内の建築士事務所と共同で設計業務にあたることとしており、その設計者選定の公開審査を下記のとおり開催します。

 伊東豊雄コミッショナーをはじめとする審査員が、公開の場で具体的な質問を投げかけて十分に審議し、最もふさわしい設計者を選定します。ぜひ御来場いただき、全国に誇れる震災からの復興拠点の具現化に向けて歩みだす瞬間を間近で体感してください。

1 開催概要

  1. 日時:平成29年7月3日(月曜日)12時~17時10分(開場 11時30分)
  2. 会場:甲佐町役場庁舎/生涯学習センター ホール
    (所在地:上益城郡甲佐町大字豊内719-4 Tel:096-234-1111)
  3. 申込方法:見学申込書によりアートポリス事務局宛て、郵送、Fax又はE-mailでお申込みください。
     郵送:〒862-8570 熊本市中央区水前寺6-18-1
     Fax:096-384-9820
     E-mail:kap@pref.kumamoto.lg.jp
    申込期限:平成29年6月28日(水曜日)
     ※ 手話通訳や要約筆記が必要な方は、6月19日(月曜日)までに申し出てください。
  4. 定員:200名(事前申込優先)
  5. 内容:
    1. 開会、主催者挨拶
    2. 発表者プレゼンテーション及び個別質疑
    3. 全体質疑
    4. 最終審査
    5. 審査結果の発表、審査員長講評及び表彰
      ※ 発表者は後日県庁ホームページに掲載予定

 注:開催概要の内容については、変更になる可能性がありますのであらかじめご了承ください。

2 審査員

審査員長  伊東 豊雄(建築家、くまもとアートポリスコミッショナー)

審査員 奥名 克美(甲佐町長)

 師富 省三(甲佐町副町長)

  志戸岡 弘(甲佐町建設課長)

 桂   英昭(建築家、くまもとアートポリスアドバイザー、熊本大学准教授)

 末廣 香織(建築家、くまもとアートポリスアドバイザー、九州大学准教授)

 曽我部昌史(建築家、くまもとアートポリスアドバイザー、神奈川大学教授)

敷地及び計画の概要

1 敷地

 敷地は、甲佐町の中心部、甲佐町役場庁舎の東側に位置している。

 周辺道路から約1m低くなったひな壇状の田畑で、面積は約12,800平方メートル。

計画地、敷地条件など
  1. 計画地 熊本県上益城郡甲佐町豊内718番地1他
  2. 都市計画等 都市計画区域外、下水道処理区域外(合併処理浄化槽)
  3. 周辺道路 町管理道路
  4. 敷地面積 約12,800平方メートル
  5. 敷地形状 周辺道路から約1m低く、ひな壇状の田畑
  6. 既存建物 計画敷地にある既存建物は、工事着手前までに撤去予定

2 計画

 災害公営住宅(30戸)の他に、子育て支援住宅(20戸)及び都市防災公園(3,000平方メートル)を一体的に整備し、震災からの復興や町活性化のシンボルとして、町の顔となる町民交流の拠点とするとともに、全国に誇れる震災からの復興拠点の実現を目指す。

計画条件
  1. 災害公営住宅(30戸):木造・平屋建て・計1,950平方メートル程度
    ※ 戸当たり約65平方メートル(2LDK)とし、棟当たり約130平方メートルの長屋形式とする。
    ※ 約60平方メートルの集会施設「みんなの家」(木造、平屋建て)を併設する。
  2. 子育て支援住宅(20戸):鉄筋コンクリート造・中層・計1,500平方メートル程度
    ※ 戸当たり約75平方メートルとする。
  3. 都市防災公園:3,000平方メートル程度

開催案内及び見学申込書

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質疑回答及び追加資料(平成29年5月15日)

公募型プロポーザルに関する質疑回答

質疑回答書/公募型プロポーザル(H29.5.15時点)(PDFファイル:91KB)

公募型プロポーザルに関する追加資料

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質疑回答(平成29年5月2日)

 応募資格に関する質問書が提出されましたので、以下の質疑回答書をご覧ください。

公募型プロポーザルに関する質疑回答

質疑回答書/公募型プロポーザル(H29.5.2時点)(PDFファイル:37KB)

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くまもとアートポリスプロジェクト 甲佐町住まいの復興拠点施設整備事業 設計者選定プロポーザル(平成29年4月27日)

1.趣旨

 平成28年4月14日から発生した熊本地震は、本県に甚大な被害をもたらしました。死者は200名余りに上り、住家では約4万棟が半壊以上となる被害に見舞われ、発災直後は多くの県民が避難所や車中での避難生活を余儀なくされました。

 甲佐町にも甚大な被害をもたらし、農地をはじめとする産業基盤や交通インフラ、学校等の公共施設においても大きなダメージを受け、町民の生活に大きな支障を来しています。

 このような中、甲佐町は、町民が一刻も早く安全・安心に暮らすことができる環境づくりへの加速化を第一優先課題と捉え、総力を挙げて迅速かつ強力に震災対策を講じて、県内で最初に応急仮設住宅を完成させました。

 また、甲佐町は、「再生から創生へ」、「次世代へ残す輝く郷づくり」を基本とし、今回の震災対策については、単なる復旧「再生」にはとどまらず、将来を見据え更なる町の発展を目指した復興対策「創生」を同時に講じていくことが重要であると考えています。

 その復旧・復興対策の指針として、今回「将来(みらい)を想い 魅力(たから)を活かす ともに紡ごう 次世代への架け橋」を基本理念に掲げ策定した『甲佐町震災復興計画』では、「住宅・住環境の整備」や「移住・定住施策の充実」のため、災害公営住宅と子育て世代向け住宅を併設するなど、望ましい住環境のあり方を検討するとされています。

 このことから、甲佐町は、震災からの復興や町活性化のシンボルとして災害公営住宅の他に、子育て支援住宅及び都市防災公園を、町の顔となる町民交流の拠点とするとともに、全国に誇れる震災からの復興拠点として一体的に整備するため、本要項に基づき公募型プロポーザルを実施します。

 なお、このプロポーザルは、後世に残る文化的資産の創造と地域の活性化を目指して熊本県が推進している「くまもとアートポリス」の参加事業として実施します。

 また、くまもとアートポリスでは、事業主や施設利用者との積極的な対話を通して、その地域固有の環境や歴史に配慮した独自の新しい生活文化の創造を目指すとともに、県内建築士の技能向上に取り組んでいます。

 当事業においては、公募型プロポーザルにより選定された者の豊かな発想で生み出された質の高い設計と、県内事務所のノウハウ及び調整能力とをフルに活用し、全国に誇れる震災からの復興拠点を一体的に整備します。

 これらのことから、公募型プロポーザルにより選定された者との共同による設計、積算及び工事監理を、地元設計者として取り組むことのできる県内の建築士事務所を募集します。

2.プロポーザルの概要

  1. 名称   甲佐町住まいの復興拠点施設整備設計に係る公募型プロポーザル
  2. 方法   公募型プロポーザル
  3. 主催   熊本県、甲佐町
  4. 事務局   くまもとアートポリス事務局(熊本県土木部建築住宅局建築課内)
  5. スケジュール
    平成29年 4月27日(木曜日) 要項発表
     4月27日(木曜日)~6月5日(月曜日) 要項配布
     4月27日(木曜日)~5月10日(水曜日) 質疑受付
     5月  9日(火曜日) 現地見学会
     5月17日(水曜日(予定) 質疑回答
     6月  5日(月曜日) 応募締切
     6月11日(日曜日) 一次審査(非公開)
     7月  3日(月曜日) 二次審査(公開)

3.審査員

審査員長 伊東豊雄(建築家、くまもとアートポリスコミッショナー)

審査員 奥名克美(甲佐町長)

 師富省三(甲佐町副町長)

 志戸岡弘(甲佐町建設課長)

 桂 英昭(建築家、くまもとアートポリスアドバイザー、熊本大学准教授)

 末廣香織(建築家、くまもとアートポリスアドバイザー、九州大学准教授)

 曽我部昌史(建築家、くまもとアートポリスアドバイザー、神奈川大学教授)

公募型プロポーザル応募要項等

県内共同事務所の選定に関する応募要項等

仕様書

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甲佐町住まいの復興拠点施設整備事業 くまもとアートポリスで取り組みます!(平成29年4月26日)

 熊本地震により甚大な被害を受けた甲佐町は、震災からの復興や町活性化のシンボルとして災害公営住宅の他に、子育て支援住宅及び都市防災公園を一体的に整備、町の顔となる町民交流の拠点づくりとなる「甲佐町住まいの復興拠点施設整備事業」に取り組まれます。

 甲佐町と協議した結果、くまもとアートポリス事業で取り組むこととなりましたのでお知らせします。

1.事業の概要

事業主体:甲佐町

建設地:上益城郡甲佐町豊内718番地1他(甲佐町役場隣接地)

敷地面積:約12,800平方メートル

規模:災害公営住宅(30戸):木造・平屋建て・計1,950平方メートル程度

 子育て支援住宅(20戸):鉄筋コンクリート造・中層・計1,500平方メートル程度

 都市防災公園:3,000平方メートル程度

設計者選定:公募型プロポーザル方式

 ※6月に一次審査、7月に二次審査(公開)を実施し設計者を選定

2.全体スケジュール

 平成29年度 設計、工事着手(災害公営住宅)

 平成30年度 竣工(災害公営住宅)、工事着手(子育て支援住宅)、工事着手~竣工(都市防災公園)

 平成31年度 竣工(子育て支援住宅)

(参考)

現在、アートポリスで取り組んでいる災害公営住宅は以下のとおり。

No.

市町村名 団地名 規模・構造 設計者

1

宇土市 境目団地 25戸・木造平屋 内田文雄+西山英夫

2

甲佐町 乙女地区・白旗地区 20戸・木造平屋 工藤和美+堀場弘/シーラカンスK&H

3

甲佐町 甲佐地区 30戸・木造平屋 公募型プロポーザルの公開審査により7月に設計者選定

※No.3が今回の分です。

報道資料(PDFファイル:224KB)

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