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県営竜蛇平団地
竜蛇平団地は熊本市の東部、国道57号東バイパス沿の閑静な住宅街にあった木造平屋団地の建替である。
この団地は"集まって住む"という共通意識を育てながら、地域に対して閉鎖的にならない"場"の共有がテーマとなった。
また、前面道路側は高さを押さえ敷地周辺のまちなみとの連続性が図られている。
建築概要
大小二つの三角形が組合わさった不整形な敷地を生かし、有効に利用するため2種類の住棟タイプで構成されている。平面的にも雁行し、広いテラスを積み重ねた段状タイプと、前面道路と団地内を視覚的に連続させ、周辺との一体化を図るため1階を全てピロティにしたタイプである。
この2つの住棟タイプによって中庭がつくられている。全ての住戸には、この中庭を介してアプローチする。階段-廊下からテラス-土間-LDKに至るまで開かれた形で連続している。お互いの生活を感じ合う中から集まって住む意識を育むことを期待したものである。
建築データ
名称 | 県営竜蛇平団地 |
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ふりがな | けんえいりゅうじゃびらだんち |
所在地 | 熊本市帯山3−1 |
主要用途 | 共同住宅 |
事業主体 | 熊本県 |
設計者 | 元倉眞琴 |
施工者 | |
建築 | 中満組、水上建設 |
電気 | 不二電気工業、三和電気土木工業、稲田電気設備 |
衛生 | 日産設備工業、第一機工、蘇陽施設産業 |
ガス | 西部ガス |
植栽 | 千花園、いづの造園、岩下りんどう園、梅荘園 |
敷地面積 | 8,498平方メートル |
建築面積 | 2,495平方メートル |
延面積 | 6,511平方メートル |
階数 | 地上3階、5階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造 |
外部仕上 | |
屋根 | アスファルト露出防水、砂付ルーフィング |
外壁 | コンクリート打放し仕上アクリルカラークリアー吹付、シリカ系ペイント吹付 |
施工期間 | 1991年10月~1994年2月 |
総工事費 | 1,257百万円 |
受賞データ
1995年 日本建築学会賞
建築家プロフィール
元倉 眞琴(もとくら まこと) | |
1946年 | 東京都生まれ |
1969年 | 東京芸術大学美術学部建築科卒業 |
1971年 | 同大学大学院修了、槇総合計画事務所入所 |
1980年~ | スタジオ建築計画代表 |
1998年~ | 東北芸術工科大学教授 |
PHOTO:新建築写真部、石丸捷一、KAP事務局