ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織でさがす > 土木部 > 建築課 > 鮎の瀬大橋

本文

鮎の瀬大橋

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004348 更新日:2020年8月1日更新

鮎の瀬大橋の写真ですの画像1

 矢部町といえば石橋文化。
 国の重要文化財である通潤橋をはじめ数多くの古く貴重な石橋が残っている。
 その矢部町に未来への遺産として「鮎の瀬大橋」が加わった。
緑川が刻んだ深さ140mのV字谷を渡る姿は、自然環境との調和に配慮しながらも意外性を感じさせる斬新な構造となっている。
 上益城郡矢部町千滝と同町菅地区を結ぶ約5.7kmの緑川農免農道整備事業の一環として造られたこの橋は、菅地区から町中心部への所要時間を自動車で約20分短縮。
 住民の生活道路として、また矢部町の新たなシンボルとしても期待を集めている。

建築概要

 鮎の瀬大橋が架かる緑川渓谷は、阿蘇南麓に深さ140mものV字形のダイナミックな景観を呈している。その風景を活かした橋づくり−「橋のある風景」をつくることがデザインの目的である。
 谷の片側は開けているが、反対側は山が迫り、しかも谷の斜面の中程に岩棚のあることから、斜張橋とV字橋脚を組み合わせたアンバランスな形態のイメージを地形に重ねた。即ち、開けた側にタワーを、岩棚にV脚を立てた。崖の表面には岩肌が露出し、それにはコンクリートのテクスチャーが馴染みやすい。又、斜張橋の持つ緊張感を強調し、鋭く切り立つ谷の厳しさに対応させた。ケーブルは2面吊り、緑を背景に刻々と表情を変えるメタリックオレンジである。
 鮎の瀬大橋では「橋を渡ること」に加えて、橋や橋詰めに設けた広場から「谷の風景を眺めること」も大切にしている。


鮎の瀬大橋の写真ですの画像2鮎の瀬大橋の写真ですの画像3

建築データ

名称 鮎の瀬大橋
ふりがな あゆのせおおはし
所在地 上益城郡山都町
主要用途 橋梁
事業主体 熊本県
設計者 大野美代子+中央技術コンサルタンツ
施工者 住友建設+佐藤企業JV
橋長 390.00m
有効幅員 8.00m
タワー高さ 138.00m
構造 PC斜張橋+ラーメン橋
施工期間 1993年12月~1999年6月
総工事費 5,420百万円

受賞データ

1999年 くまもと景観賞奨励賞
2000年 グッドデザイン賞「グランドデザイン賞」
2003年 土木学会デザイン賞2002最優秀賞

建築家プロフィール

大野美代子さんの写真です

大野 美代子(おおの みよこ)
1963年 多摩美術大学デザイン科卒業
1966年 オットー・グラウス建築設計事務所(スイス)
1971年 エムアンドエムデザイン事務所設立
主な作品
横浜ベイブリッジ、首都高速葛飾ハープ橋、
横浜市フランス橋歩道橋、広島市鶴見橋、
小田原ブルーウェイブリッジ、名古屋港中央大橋
受賞歴
1985年 日本インテリアデザイナー協会賞
1977, 1986,1989, 1994, 1996, 1997, 1998年
  日本土木学会田中賞ほか

PHOTO:宮井政次