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熊本県立球磨工業高校管理棟

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0004304 更新日:2020年8月1日更新

球磨工業高校管理棟概要

建築概要
施設名

熊本県立球磨工業高校管理棟

所在地

熊本県人吉市

建物用途

学校

構造・規模

W造一部RC造2階建て、一部S造3階建て(渡り廊下) 延べ面積 1,736m2 建築面積 1,094m2

工期

平成24年7月 ~ 平成25年7月

総工事費

466百万円

発注者

熊本県

設計者

ワークステーション・モードフロンティア・萩嶺設計共同体

建物のコンセプト・特徴等

杉角材幅180mm(一部210)を斜めに積層させた台形の壁柱を主構成材とし、蜂の巣のように6角形を組合せた平面形式に沿って建ち上げます。角度をもって頂点に集まる台形の壁柱は空間を緩やかに分節するとともに、3角形の開口部を通してさまざまな方向への連続性を生み出し、迷路状に広がる洞窟のような独特な内部空間を構成しています。また、内部には瑞々しい木の清涼感があふれ、壁柱の3角形頂部からは天空光が射し込み、開口部からは風が通り抜けます。職員の利用だけでなく学生のための図書室、資料閲覧室なども備えています。

外観パース内観パース

工事の進捗状況

外観1外観2外観3外観5外観6内観1内観2内観3内観4

設計者の思い

球磨工業高校新管理棟「木の洞窟」への思い ワークステーション 高橋寛

 八代から深い谷間を流れる球磨川に沿って列車で行くと、突然に明るく開けた人吉盆地に入ります。豊かな水と周囲に広がる田畑を見ると、人吉市が街道の中継点として繁栄し、豊かな文化を育んできたことが良くわかります。
 球磨工業高校は人吉市の小高い丘の中腹にあり、象設計集団が基本設計を行ったキャンパスと建物群がたいへんユニークな世界をつくり上げています。ここに新たな管理棟を提案することは難しい課題でしたが、アートポリス参加プロジェクトとして、芦北町でかごを編んだような木造屋根の交流ホールを提案した経験を生かし、水俣市に拠を構える2つの設計事務所と協力しながら、球磨地方の豊かな森林と球磨工業高校のユニークな伝統建築コースを象徴する「木の洞窟」という提案を行い、幸いなことにコンペで選んでいただきました。
 2012年7月の着工から8ヶ月が過ぎた2013年3月、ようやくこの建物で特徴的な逆三角形の木の積層壁が建ち上がりはじめ、4月にはおおよその内部空間が現れます。現場に入ると圧倒的な木壁の存在感、視線は壁に遮られながら、さまざまなところから射し込む光によって奥へと誘われる「木の洞窟」を体験することができます。これからは7月の竣工めざし急ピッチで仕上工程に進みますが、圧倒的な木のもつ空間の力強さや清涼感を大切に、先生や職員の方々、生徒さんたちの日常的な活動の中に、生き生きとした快適な場所をつくりたいと思います。
 現場所長はじめ、職人さんたちには球磨工業高校出身の方も大勢いらして、みなさん、それぞれの思いを仕事に活かしてくださっています。現役の生徒さんは頻繁に見学に訪れて、現場の人々の士気を高めてくださっています。みなさんの志をいただきながら、心に残る建物になるよう取り組んで行きます。

球磨への思い ワークステーション 高橋晶子

 いよいよ終盤にさしかかった球磨工高の現場。
 毎日進行中の現場写真と問い合わせを受け取り即答する日々。ボールを受けとったらパス!という意味で、いまの対応はボールゲームの様相を呈しています。
 今回の現場は、木造二階建という言葉からは想像もつかないくらい施工図が枚数、種類ともに大量です。もちろん壁柱構造の特殊性もありますが、大きな原因は1000m2区画と渡り廊下の部分。木、コンクリート、鉄骨、エキスパンションジョイントのとりあいで複雑なことこのうえなし。簡単にルール化できない場所がいっぱいあります。監理はもちろん、施工サイドのご苦労もそれ以上にすごいです。
 あと一息で苦労が実り、無事竣工に到ると信じております。そのときは、当初のコンセプト「深呼吸したくなる建築」のとおりになりますように。