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熊本県が開発した登録品種の詳細

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0000846 更新日:2020年1月17日更新

水稲:森のくまさん くまさんの力 わさもん 華錦 くまさんの輝き
なす:ヒゴムラサキ ヒゴムラサキ2号
いちご:ひのしずく 熊本VS02E   ゆうべに
ニガウリ:KGBP1号 熊本VB04
メロン:熊本VM03
カラー:ホワイトトーチ・ホワイトスワン
い草:ひのみどり 夕凪 ひのはるか 涼風
温州みかん:肥のさやか 肥のあすか 肥のあかり 肥のみらい 熊本EC11
かんきつ(中晩柑):肥の豊 熊本EC10 熊本EC12

森のくまさん

研究のねらい

   お米は味で選択されるようになってきていますが、熊本県には中生(なかて)の良食味品種がありませんでした。
 そこで、県産米の品質向上とイメージアップを図るため、県独自のおいしい品種を育成しました。

特性

 母に中生の「ヒノヒカリ」、父に極早生の「コシヒカリ」という優れたおいしい品種を両親としています。

 出穂・成熟期は「ヒノヒカリ」より1~2日遅く、中生でも中程度になります。

 収量は、「コシヒカリ」より多く、「ヒノヒカリ」よりわずかに多くなります。

 品質は、米粒に光沢があり白濁粒の発生が少なく、外観は「ヒノヒカリ」より良好です。

 食味は、炊飯米の外観、粘り、味および総合的評価が「ヒノヒカリ」より優れています。

森のくまさんの写真
左から 森のくまさん ヒノヒカリ コシヒカリ

ひのみどり

研究のねらい

 近年、安価な外国産いぐさやい製品の輸入が急増し、国内のいぐさ生産地が大きな影響を受けています。
 そこで、消費者に良質な畳表を提供することで、需用を高め、国内のいぐさ生産の振興を図ることを目的に、高品質な畳表の原料となるいぐさの新品種を開発しました。

特性

 交雑によって初めてできた品種で、宮城県の在来種「下増田在来」と良質品種「せとなみ」を両親としています。

 着花が極めて少ないので、畳表に加工する時に茎が折れにくくなります。

 茎が非常に細く、太さが揃っているので、品質がよく感触の良い畳表に仕上がります。

 色揃いもよく、非常に美しい畳表に仕上がります。

 均一に色がさめるので、長期にわたって美しい畳の状態を保つことができます。

ひのみどり原草の写真
​収穫乾燥したいぐさ 左:ひのみどり 右:岡山3号

ひのみどりの写真(立毛、畳表)
ひのみどり立毛・畳表

肥の豊(ひのゆたか)

研究のねらい

 高品質中晩柑「不知火」(商標名デコポン)については、樹勢の低下により収量性が悪いことや、酸が高い果実ができやすいなどいくつかの問題点がありました。これを解決する切り札として、これまでの「不知火」に比べ、樹勢が強く、収穫期における果実の酸が低く、収量も多い新系統「肥の豊」を育成しました。

特性

 「不知火」に比べ、収穫期における果実のクエン酸含量は0.2%程度低く、糖度は同等です。

 デコポン出荷基準(糖度13度以上、酸1.0%以下)を上回る果実が多くなり合格率が向上します。

 樹勢が強いため葉が大きく、新梢の伸長も旺盛となり、収量が増大します。

 3月上旬まで貯蔵が必要でしたが、減酸が早いため2月中旬から出荷が可能となります。

肥の豊

肥のさやか

研究のねらい

 「豊福早生」は10月上旬から出荷されますが、減酸の遅い内陸部や標高の高い地域では収穫・出荷が遅れる傾向がみられます。
 そこで、このような地域においても10月上旬から出荷でき、産地全体の均質化が図れる栽培しやすい極早生温州を育成しました。

特性

 内陸部や標高の高い地域において、着色は9月上旬より始まり「豊福早生」より5日程度早いです。

 果実の大きさは「豊福早生」と同程度であり、果汁成分は「豊福早生」と比較して糖度は同程度、クエン酸は低い傾向にあります。

 樹姿、樹勢ともに「豊福早生」と同様です。

 葉は「豊福早生」に比べやや小さく、形は同様です。また、春梢の長さは「豊福早生」よりやや長くなります。

肥のさやかの写真

肥のあすか

研究のねらい

 11月上旬から出荷されている本県産「興津早生」は、成熟期に達していないことから、着色・食味不足が指摘されています。
 そこで、この時期に完全着色し、高品質で食味が良く栽培しやすい早生温州を育成しました。

特性

 「興津早生」に比べて着色が1週間早く、果皮色が濃くきれいです。

 じょうのう膜(中袋)が薄く、食味がまろやかです。

 11月上旬には成熟し、出荷が可能で、糖度は「興津早生」と同程度、酸味はやや低くなります。

 樹勢が強く、栽培しやすい早生温州です。

肥のあすかの写真

肥のあかり

研究のねらい

 これまでの極早生温州には、高単価が望める9月下旬に出荷できる品種がなかったため、栽培が容易で果実品質が良く、10月上旬の「豊福早生」にリレー出荷できる新しい品種「肥のあかり」を育成しました。

特性

 樹勢は、極早生温州のなかでは強い方です。

 収穫時期は9月下旬からで、10月上旬出荷の「豊福早生」の前に出荷できます。

 果実の着色は揃いが良く、9月下旬に4~6分、10月上旬に完全着色となります。

 果汁は高糖度で酸は低く食味は良好で、9月下旬には糖度10度以上、酸味1%程度となります。

 栽培地域は、早期出荷しても特長が発揮できる温暖な地域に適しています。

肥のあかり

ヒゴムラサキ

研究のねらい

 「肥後の赤ナス」の名称で親しまれている在来の「熊本長ナス」は、果皮色が赤紫色で、肉質が軟らかく食味が優れており根強い人気がありましたが、農家が個々に採種を行ってきたため果形や果皮色がばらつき、品質が低下していました。
 そこで、農業研究センターの保存系統の一つ「熊本中長3」をもとに、果径が太く、草勢がやや弱いタイプの「熊本L4−4」(母親)を分離固定、平成5年に県内産地で収集した「熊本長ナス」の系統から果径が細く、草勢は強い系統の「No.60」(父親)を選抜しました。

 この両系統を交配することにより新品種「ヒゴムラサキ」が誕生。「ヒゴムラサキ」の果実は両系統の中間的な形質になっており、果皮色、肉質、食味等については両方の優れた性質を持っています。

特性

 交雑品種であり、これまでの「熊本長ナス」よりも生育が早く、品質が安定し果形や果皮色のばらつきが少なくなっています。

 果皮色は赤紫色で、果形は太くボリューム感があります。

 果肉が軟らかく、食味に優れる形質が維持されているため、焼なす、煮なすとしての利用が最適です。

ヒゴムラサキ

熊研い548(愛称「ひのしずく」)

研究のねらい

 県内のイチゴの主要品種として栽培されている「とよのか」の欠点を補うとともに、競争が激化している各県のイチゴの新品種開発に対応するため、県オリジナル品種の育成が強く要望されていました。
 農業研究センターでは平成7年から品種開発に取り組み、「さちのか」に「栃の峰」をかけた「98─30」を母に、「久留米54号」に「栃の峰」をかけた「98─20─3」を父にして交配した系統から新品種「熊研い548」を選びました。

 平成16年9月3日に、一般公募により「熊研い548」の愛称は「ひのしずく」に決定しました。

特性

 果実が大きく果皮に光沢があり、外観が優れています。

 糖度が高く酸味がやや少ないので、食味が良いとともに香りに優れています。

 葉が立って草姿が良いため、「とよのか」で必要であった着色を良くする玉だし作業を削減でき、省力的です。

 電照しなくても栽培が可能なので、コスト削減が図れます。

「ひのしずく」の栽培状況の画像
​「ひのしずく」の栽培状況

果実の比較(左:ひのしずく、右:とよのか)
果実の比較 左:ひのしずく 右:とよのか

夕凪

研究のねらい

 熊本県のいぐさ産地では、良質品種の「ひのみどり」に作付が増加する中で、茎が充実していない適期前(6月中)の刈り取りが問題になっています。そこで、6月中に収穫ができ、品質が良く、硬くて丈夫な畳表に製織可能な品種を育成しました。

特性

 部分変色茎(赤茶色や茶色の茎)が少なく緑味が深く良質です。

 硬くて丈夫な表が製織できます。

 染土を使わない畳表にも適します。

夕凪の写真
​左:岡山3号 中:夕凪 右:いそなみ

夕凪(畳表)の写真
左:岡山3号 右:夕凪

肥のみらい

研究のねらい

 贈答用や家庭用としてみかんが最も消費される時期である12月上旬から出荷が可能で、食味が優れ、栽培しやすい品種を育成しました。

特性

 樹勢は「白川」よりやや弱く、「興津早生」より強い方です。また、「白川」と比較し、春梢は基部径が細く、長さは短く、徒長枝の発生は少ないです。

 果実は扁平で、玉揃いが良く、11月中旬には完全着色し、「白川」より着色が早く、果皮色は濃い傾向にあります。

 「白川」と比較して、中袋が軟らかいため食べやすく、果汁成分は、糖度がやや高く、クエン酸がやや低く食味は良好です。

肥のみらいの写真

ひのはるか

研究のねらい

 いぐさ製品は海外産品に対抗するためさらなる高品質化が求められています。現在高品質畳表に使用しているいぐさ品種「ひのみどり」は収穫適期が7月上中旬に限られるため、7月中下旬以降の収穫に適している高品質畳表用のいぐさ品種を育成しました。

特性

 普通刈120cm以上茎長の収量は「ひのみどり」より多くなっています。

 部分変色茎は「岡山3号」より少なく、「ひのみどり」と同程度で極めて少なくなっています。

 いぐさ茎300本当たりの製織長は「ひのみどり」より長くなっています。

 製織した畳表の品位は「ひのみどり」と同程度に良質です。

ひのはるかの写真
​左から ひのはるか・岡山3号・ひのみどり

ひのはるか(畳表)の写真
左 ひのはるか 右 岡山3号

KGBP1号

研究のねらい

 近年ニガウリは、食に対する健康志向の影響もあり全国的に消費が高まっており、それに伴い本県の栽培面積も増加しています。
 そこで、本県ニガウリが他県産との競合に勝ち抜くため、果実品質、食味の優れる県オリジナル品種を育成しました。

特性

 果皮色は濃緑色で、果実の形状はやや短形で胴太りし肩張りが良好です。

 こぶ状突起は大きく、丸くなっています。

 苦みは少なく、総収量は県内のゴーヤータイプ主力品種よりやや多くなっています。

 果実品質、食味の点から大消費地での需要に向くと考えられます。

熊研BP1号の着果状況の写真
​KGBP1号の着果状況

果実比較の写真(左熊研BP1号、右民間品種)
民間品種との比較 左:KGBP1号 右:民間品種

くまさんの力

研究のねらい

 近年、気象の温暖化により熊本県の主力中生品種(「ヒノヒカリ」、「森のくまさん」など)に白未熟粒(玄米が白濁する不完全粒)の発生が多く、上位等級率が低下しています。
 そこで、高温条件下でも白未熟粒が発生しにくい良食味の中生品種を育成しました。

特性

 「ヒノヒカリ」に比べて白未熟粒の発生が少なく、外観品質が優れています。高温条件下では、白未熟粒の発生が大幅に少なくなっています。

 「ヒノヒカリ」より草丈が低く、倒伏に強い品種です。

 「ヒノヒカリ」より玄米収量がやや多いです。

ほ場での立毛の様子の写真(左ヒノヒカリ、右くまさんの力)
​ほ場での立毛の様子 左:ヒノヒカリ 右:くまさんの力

玄米品質の比較の写真
玄米品質の比較(右上は白未熟粒) 左:くまさんの力 右:ヒノヒカリ

熊本VS02E

研究のねらい

 夏秋期のイチゴは国内生産がきわめて少なく、安定生産できる有望品種はほとんどありません。熊本県は阿蘇地域を中心とした夏秋穫り栽培が可能な準高冷地があるため、夏秋期に食味が良く安定生産可能な観光用イチゴ品種の要望がありました。そこで、高原地域において夏秋期に生産できる、日持ちが良く、美味しい四季成り性イチゴを育成しました。

特性

 糖度が高く酸味が少ないので、食味が優れています。

 果実の中まで赤く、カットでの利用など用途幅が広くなります。

 果実が硬くて大きく円錐型で、ボリュームがあります。

 草勢が強く、商品果収量が多くなります。

「熊本VS02E」の果実
​果実

果肉の色
果実の内部

熊本FC01・熊本FC02(愛称「ホワイトトーチ」・「ホワイトスワン」)

研究のねらい

 熊本県のカラー産地では平成3年から疫病が発生して、その対策として疫病に強い品種が導入されたものの、以前より出荷量が減少しています。そこで、カラー産地の再生を目指して、疫病汚染ほ場で良好に生育する新しい品種を育成しました。

特性

 両品種とも、「ウエディングマーチ」より仏炎苞は純白で、茎は細く、品質が優れています。

 両品種とも、「ウエディングマーチ」より収量が多く、「熊本FC01」は収穫期間が長くなります。

 両品種とも、疫病汚染ほ場でも「ウエディングマーチ」と同程度の良好な生育をします。

熊本FC01の花全体生育状態
熊本FC01

熊本FC02の花全体生育状態
熊本FC02

熊本EC10

研究のねらい

 12月に出荷できる中晩生カンキツは、全国的に見ても数少ない状況です。
 そこで、12月から出荷できる品種を育成しました。

特色

 着色が早く減酸が早いため、年内に出荷が可能です。

 12月上旬の成熟期には糖度が13以上と高く、食味が良好です。

 単胚性であり、交雑品種育成が可能であることから、育種親としての利用価値が期待されます。

熊本EC10の樹体の写真熊本EC10の果実断面の写真

熊本VM03

研究のねらい

 本県が過去に育成したアールスメロン(サカエ秋冬)の食味の良さは維持しながら、果実外観が安定した栽培しやすい品種を育成しました。

特性

 果肉色はマスクメロン特有の黄色味が強く、糖度は14度以上で安定しています。芳香が強く極めて繊維質が少なくメルティング質です。

 子づるの第1節目に両性花が安定して着生します。

 他のアールス系メロン品種(雅、セイヌ等)と同程度に肥大します。

 果皮色は灰白色で、果形は正球形です。

 つる割病、うどんこ病に対する抵抗性はありません。

 作型は、春作は5月中旬~6月上旬収穫の作型、秋冬作は11月下旬~12月上旬収穫の作型が適します。

熊本VM03の写真

わさもん

研究のねらい

 本県では、水稲の早期栽培に「コシヒカリ」、平坦地早植え栽培に「キヌヒカリ」が作付けられていますが、より熟期が早く、野菜との輪作体系に適する品種が求められています。そこで、栽培しやすく、熟期が早い「わさもん」を育成しました。

特性

 成熟期が「コシヒカリ」より5日、「キヌヒカリ」より9日程度早く、野菜作付け時の作業競合が回避できるので、野菜との輪作体系に適します。

 「コシヒカリ」より倒伏に強く、いもち病にも強いので、栽培が容易です。

 「コシヒカリ」、「キヌヒカリ」より白濁粒が少なく、品質が優れます。また、食味は「コシヒカリ」並の極良です。

わさもんのほ場での立毛の様子
​ほ場での立毛の様子

わさもんの玄米
玄米

涼風(すずかぜ)

研究のねらい

 「ひのみどり」は、高品質な畳表が生産できるものの、枯死株の発生や茎が細いため製織時間が長くかかるなどの問題がありました。
そこで、枯死株の発生が少なく生産性の高い品種を育成しました。

特性

 枯死株の発生が極めて少なく、補植の手間がかかりません。
 茎が中太で細すぎないため、多くの畳表が生産でき、生産効率が高まります。

涼風株
​左 夕凪 右 涼風

涼風畳表
左 涼風 右 岡山3号

熊本EC11

研究のねらい

 本県では、12月に出荷する中生・普通温州みかんが不足しており、その解消を図るための品種を育成しました。じょうのう膜(中袋)が軟らかく、良好な食味が特徴です。また、果実腐敗につながる浮き皮の発生が少ないため、生産・出荷量の安定が期待できます。

 現在、この品種の産地化を進めており、今後、みかんの最大の需要期である12月に高品質みかんを安定的に出荷できるようになれば、熊本みかんのブランド力向上が期待されます。

特性

  • 食味が良好
    高糖度でじょうのう膜が柔らかいため、12月(お歳暮時期)に食味の優れた果実を出荷できます。
  • 浮き皮が少ない。
    近年、県内では気候温暖化の影響で浮き皮の発生による品質低下が著しくなっています。この品種は浮き皮の発生が少なく、安定した生産・出荷が見込まれます。

熊本EC11の画像1熊本EC11の画像2

熊本VB04

研究のねらい

 近年のニガウリは、健康野菜の一つとして注目を浴びています。国内で流通しているのは緑ニガウリが大半で、白ニガウリは、一定の需要はあるものの産地はありません。また、市販の白ニガウリは、熊本県で普及している緑ニガウリに比べて収量が少ない状況にあります。そこで、今後のニガウリ消費の安定や拡大を図るために、多収の白ニガウリを育成しました。

特性

可販果収量は、「白れいし」(タキイ種苗株式会社)に比べて多収で、「えらぶ」(八江農芸株式会社)とほぼ同等の収量です。

果実色は白色で、果実は肩が張る紡錘形になり、「白れいし」に比べて細長い形状です。

​果実の画像
​果実

着果状況の画像
着果状況

華錦(はなにしき)

研究のねらい

 酒造好適米の既存品種には、倒れやすい、収量が低いなどの課題があります。そこで、作りやすく、多収で醸造適性に優れた県オリジナルの酒造好適米品種の育成に取り組みました。

特性

  • 穂数が多く、稈長が短いため倒れにくい。また、収量は山田錦に比べ平坦地で同程度、高冷地で8%程度多収です。
  • 心白の形状は山田錦と同じ線状であり、かつ、玄米は大粒で充実が良く醸造に適しています。
  • 吸水性がよく、良質な麹ができます。麹米、掛米に使用でき、淡麗な酒質から、芳醇な酒質まで、幅広い醸造酒(吟醸酒~純米酒)の製造が期待されています。

華錦の登熟期の草姿 (左)山田錦 (右)華錦の画像
​華錦の登熟期の草姿(左)山田錦 (右)華錦

(左)華錦 (右)山田錦の画像
(左)華錦 (右)山田錦

熊本VS03(愛称「ゆうべに」)

研究のねらい

 促成イチゴの生産現場では、より収益性を向上させるために高単価期である年内(11月~12月)収量及び総収量の増加が求められています。

 そこで、早生性を有し、年内の収量が多く、総収量及び果実品質に優れる県オリジナル品種の育成に取り組みました。

特性

  • 草姿は立性で草勢は強く、花房伸長に優れるためジベレリン処理は不要です。
  • 頂花房の花芽は9月9日~12日頃に分化し、「さがほのか」と同程度で早生性があり、花房は連続して発生します。
  • 年内の収量が特に多く、収量性に優れます。
  • 果実は円錐形で揃いが良く、果皮色は鮮やかな赤色で果実肥大性に優れ、良食味です。

ゆうべに1
(左)ゆうべに (右)さがほのか

ゆうべに2
果実中身

ヒゴムラサキ2号

研究のねらい

 平成13年に育成した「ヒゴムラサキ」は、軟らかな肉質と良食味の果実特性を有する一方、弱光や高温の影響等によって果皮色が薄くなりやすいことと、乱形果の一種でへた下から突起が生じる舌出し果の発生により外観品質が低下することが課題となっていました。

 そこで、「ヒゴムラサキ」の軟らかい肉質や良食味の果実特性を維持しながら、果皮の着色性の向上と舌出し果の発生を減らした品種の育成に取り組みました。

特性

 「ヒゴムラサキ」と果形や食味等の果実品質はほぼ同様で、同品種と比べて

  • 果皮色の着色性が優れています。
  • 舌出し果の発生が少なくなっています。
  • 収量は増加傾向で秀品率が向上しています。

 ※準高冷地域の夏秋栽培に適する品種です。

ヒゴムラサキ2号の画像
ヒゴムラサキ2号

ヒゴムラサキの画像
ヒゴムラサキ

くまさんの輝き

研究のねらい

 県では「ヒノヒカリ」など食味ランキングで特A評価を得ている一方で、各都道府県オリジナル品種によるブランド化など全国的な産地間競争が激化しています。

 そこで、県産米を新たにリードする県オリジナルの極良食味品種を開発しました。

特性

  • 「ヒノヒカリ」より草丈が低く、倒伏しにくいです。
  • 「ヒノヒカリ」より穂数が多く、収量性が高いです。また、品質も優れます。
  • 炊き上がりのお米は、口当たりが良く、「粘り」があり、食味に優れています。

くまさんの輝きの草丈(左:くまさんの輝き 右 ヒノヒカリ)
​くまさんの輝きの草姿(左:くまさんの輝き 右 ヒノヒカリ)

くまさんの輝きの粒(左:くまさんの輝き 右 ヒノヒカリ)の画像
くまさんの輝きの粒(左:くまさんの輝き 右 ヒノヒカリ)

熊本EC12

研究のねらい

 本県では、需要の多い12月に成熟し出荷できる中晩柑類が加温栽培の「不知火」「肥の豊」および「みはや」等以外になく、生産者からは新しい品種開発に対する多くの要望がありました。
 このような中で、12月に成熟し、高品質で食味が良く、栽培しやすいカンキツを育成しました。

特性

  • 収穫期(12月中旬)には露地栽培で糖度12以上と高く、クエン酸は1%以下となり、じょうのう膜は薄く、果肉も軟らかいため、食味は優れています。
  • 果実の大きさは250g程度で玉揃いは良く、果面は滑らかで赤鐙色を呈し、果実外観は良好です。
  • 「不知火」等で問題となるクラッキングやこはん症等の果皮障害はほとんど発生しません。

熊本EC12の着果状況の画像
​熊本EC12の着果状況

熊本EC12の果実の画像
熊本EC12の果実

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