本文
教科書の採択について
採択の権限
教科書の採択とは、学校で使用する教科書を決定することです。その権限は、公立学校で使用される教科書については、その学校を設置する市町村や都道府県の教育委員会にあります。 また、国・私立学校で使用される教科書の採択の権限は校長にあります。
採択の方法
採択の方法は義務教育である小学校、中学校、中等教育学校の前期課程及び特別支援学校の小・中学部の教科書については「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律」によって定められています。
義務教育諸学校の教科書の採択方法は次のとおりです。
- 発行者は、検定を経た教科書で次年度に発行しようとするものの科目・使用学年・書名・ 著作者名等(書目)を文部科学大臣に届け出ます。文部科学大臣はこの届出のあった書目を一 覧表にまとめて教科書目録を作成します。この教科書目録は都道府県教育委員会を通じ各学校 や市町村教育委員会に送付されます。教科書は、この目録に登載されなければ採択されません。
また、文部科学省では、採択の際の調査・研究に資するため新規に編集された教科書につい て、各発行者が作成した教科書編集趣意書を集録し、採択関係者へ周知します。 - 発行者は、採択の参考に供すため、次年度に発行する教科書の見本を都道府県教育委員会や市町村教育委員会、国・私立学校長等に送付します。
- 採択の権限は、教育委員会や校長にありますが、適切な採択を確保するため、都道府県教育委員会は、採択の対象となる教科書について調査・研究し、採択権者に指導、助言、援助することになっています。
この調査・研究を行うに当たり、都道府県教育委員会は専門的知識を有する学校の校長及び教員、教育委員会関係者、学識経験者から構成される教科用図書選定審議会を設置します。この審議会は専門的かつ膨大な調査・研究を行うため、通常、教科ごとに数人の教員を調査員として委嘱しています。
都道府県教育委員会は、この調査員による調査・研究結果を基に作成した選定資料や、調査の観点及び採択の方法等を示した採択基準等について、教科用図書選定審議会の答申を受け、それらを採択権者に送付することにより指導・助言及び援助を行います。
また、都道府県教育委員会は、学校の校長及び教員、採択権者の調査・研究のため毎年、一定期間、教科書展示会を行っています。この展示会は、各都道府県が学校の教員や住民の教科書研究のために設置している教科書の常設展示場(教科書センター)等で行われています。なお、熊本県には、現在31箇所の教科書センターがあります。 - 採択権者は、都道府県の選定資料を参考にするほか、独自に調査・研究した上で1種目につき1種類の教科書を採択します。
共同採択
市町村立の小・中学校で使用される教科書の採択の権限は市町村教育委員会にありますが、無償措置法により、採択に当たっては「市町村の区域又はこれらの区域を併せて地域」を採択地区として設定し、地区内の市町村が共同して種目ごとに同一の教科書を採択することになっています。
採択地区は、その地域内で同一の教科書を使用することが適当と考えられる地域であり、都道府県教育委員会が自然的、経済的、文化的条件を考慮して決定することとなっています。
採択地区は、熊本県には11地区あります。なお、採択地区内の市町村は、通常、共同採択を行うため採択地区協議会を設け、ここに学校の教員等からなる調査員を置くなどして共同調査・研究を行っています。
採択の時期
採択の時期は、義務教育諸学校用教科書については、使用年度の前年度の8月31日までに行わなければならないこととされています。
教科書展示会
教科書センターではすべての教科書が閲覧できます。それ以外の会場では、発行者からの提供数の関係上、展示できていない教科書(歴史、公民、道徳の数者)があります。
・令和6年度(2024年度)教科書展示会会場一覧 (PDFファイル:308KB)
採択基準等
義務教育諸学校(県立中学校及び県立特別支援学校を除く)における令和7年度(2025年度)使用教科用図書の採択基準等 (PDFファイル:166KB)
義務教育諸学校(県立中学校及び県立特別支援学校を除く)における令和7年度(2025年度)使用教科用図書の採択基準等 (PDFファイル:116KB)