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幾度も幾度も鍛錬され光り輝く秀作
歴史探訪 刀鍛冶の高度な技術を今にくむ。
八代の肥後手打刃物の歴史は古い。鎌倉時代の永仁の頃、太宰府宝満山の僧門「刀工金剛兵衛源盛高[とうこう こんごうひょうえみなもともりたか]」を祖師とし、筑前国で13代。その後細川忠興[ただおき]公に従い、八代市で妙見宮修験者[みょうけんぐうしゅうけんじゃ]の刀工として約700年の歴史を持つ。刀鍛冶の技術を基に、地鉄に鋼の鍛接から、火造り鍛造、熱処理、研ぎ仕上げまで高度な技術を要する総手づくりである。
金剛兵衛の刀の特徴は、切られた者が安らかに成仏するようにとの願いを込めて中心[なかご](柄の中に入る部分)が卒塔婆[そとば]の姿をしている。幕末期の21代忠左衛門盛 が、「刀工で生計を立てるべからず」の家訓を定めてからは、本職用注文鍛手打ち刃物を始め、家庭、園芸、農林用などの一般刃物の製造を生業として現在に至っている。
火造炉(石炭)で加熱して、タガネで割り込みをする。
地金に刃金をはさみこんでホウ酸等接着剤をふりかけて1,100度~1,200度に加熱して鍛接する。
鍛接後3~4回加熱、鍛造を繰り返してハンマーで原形を造る。
もう1回焼いて、徐冷の後に錆をとり鍛造時のひずみをとる。
それぞれの形に切断する。
刻印を打ちこむ。
ハンマーで軽く全体をならす。
グラインダーで形状成形する。
火造炉(石炭・木炭)で均等加熱して、水で急冷の後に必要部分を硬化させる。
適当なじん性をもたすため、火造で軽く焼いた後に空冷する。
たたいてなめらかにする。
湿式砥石を荒・中・仕上げと用意し、刃先が焼きもどし温度より上がらないように研削時の発熱に留意して仕上げる。
汚れを落とし、錆止めのニスを塗る。
別工程で作られた木柄に刃物の柄尻を打ちこむ。
木村家は代々人吉城主、相良家の御用刀匠を務めてきた家系で、現在9代目。新作名刀展に度々入選した日本の伝統技術の粋を集めた美術観賞用の刀剣は、日本人の心を打つ究極の美しさを持っています。
江戸時代より妙見宮の御用鍛冶として刃物や刀剣を作り続けていた盛高家が、現在その伝統を守り、美しい細工を施した肥後鐔を作っています。
刃物は古来から災いを断ち切り、幸運を切り拓くと言われ、様々な祭り事や式典に使用されていました。祝事に使われる意味がありますので、贈り物としては喜ばれるものです。
芸品 | 工房 | 住所 | 連絡先・ホームページ | 見学 | 体験 | 取扱店 |
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手打刃物 | 肥後手打盛高刃物 | 八代市宮地町434 (不定休) |
Tel.0965-32-4643 刀鍛冶直売 本物の切れ味の包丁 肥後手打ち刃物<外部リンク> |
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肥後手打盛高刃物(本店)、 国道3号線店、熊本県伝統工芸館 |
斉藤刃物工具店 | 八代郡氷川町宮原栄久69-7(不定休) | Tel.0965-62-2155 |
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斉藤刃物工具店、まちつくり酒屋、 立神峡里地公園、 氷川町竜北物産館(ビストログリーン) |
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美術刀剣 | 木村兼定 | 八代市二見下大野町1580 (不定休) |
Tel.0965-38-9239 |
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木村兼定工房 |
※体験、見学は各工房により参加人数や料金などが異なりますので、必ずお問い合わせください。