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熊本地震からの復興へ向けて ―蒲島知事あいさつ―

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0007356 更新日:2020年8月1日更新

熊本地震からの復興へ向けて

未曽有の被害をもたらした平成28年4月の熊本地震の発生から1年10カ月が経過しました。今回の地震では、国内外の多くの皆さまから、支援物資、ボランティア活動、義援金など多大なるご支援や温かい励ましの声をいただき、県民は大いに勇気づけられました。心から感謝申し上げます。

私は、発災直後から、熊本地震からの一日も早い被災者の生活再建と被災地の創造的復興に向け、全力で取り組んで参りました。復旧・復興を一日も早く、確実に進めていくため、復興に向けた道標となる「復旧・復興プラン」を平成28年8月に策定し、特に県民生活に関わりの深い項目を昨年3月に「創造的復興に向けた重点10項目」として選定し、重点的に取り組み、復旧・復興全体の加速化を図っています。

その結果、「すまいの再建」の前提となる「災害廃棄物の処理」については、公費解体の進捗率が1月末現在で98.4%(注1)、廃棄物処理の進捗率が昨年12月末現在で99.8%(注2)と、発災後2年以内の終了目標に向けて順調に進んでいます。

「阿蘇へのアクセスルートの回復」については、昨年4月、国から国道57号北側復旧ルートと国道325号阿蘇大橋ルートの平成32年度での全線開通の見通しが示され、現在、国において工事が進められています。昨年8月には南阿蘇村の長陽大橋ルートが応急復旧により開通し、10月には阿蘇山上への南登山道(阿蘇吉田線)が開通しました。

さらに、熊本地震により運休していた国際線も、昨年4月にはソウル線が、11月には香港線が再開し、いち早く再開された台湾高雄線と合わせて熊本地震前の国際線3路線すべてが再開するなど、熊本の復旧・復興は着実に進んでいます。

しかし、今もなお、約4万人を超える方々が仮の住まいで生活されています。私は、「県民一人ひとりの『心の復興』がなければ熊本地震からの復興はない」との強い思いから、「すまいの再建」と「しごとの再建」が重要と考え、取組みを進めて参りました。

「すまいの再建」については、高齢者や子育て世代等多くの世帯を対象に利子の助成や転居費用等の助成を行う県独自の「4つの支援策」を創設しました。被災者一人ひとりに寄り添い、それぞれの意向に沿った「すまいの再建」に引き続き力を尽くして参ります。

「しごとの再建」については、被災した中小企業の復旧費用の4分の3を国・県が補助する「グループ補助金」の活用により、被災企業の再建支援に取り組んでいます。約5,100件、約1,400億円の支援を予定し、交付決定は1月末現在で約81%まで進捗し、本県経済の回復を大きく下支えしています。

「被災農家の営農再開」に向けては、農地の大区画化を含む農地の復旧工事が本格化しており、営農再開率は昨年10月末現在で93.1%まで進捗しており、平成28年度の農業産出額は、前年を約130億円も上回る3,480億円と7年連続の増加となりました。

そして、全国の皆さまから熱いご支援をいただいている「熊本城の復旧」については、事業主体である熊本市と連携して取り組んでおり、来年までの大天守外観復旧を目指して急ピッチで復旧工事が行われ、その復旧過程を安全に公開するための取組み等も進められています。

熊本の玄関口、阿蘇くまもと空港については、民間の資金とノウハウを活用する「コンセッション方式」により、空港のポテンシャルの最大化に全力で取り組みます。官民連携による国際クルーズ拠点に指定された八代港については、拠点形成計画の実現に向けて、ロイヤルカリビアン・クルーズ社と協定を締結し、世界に誇る魅力的なクルーズ拠点を目指した整備を進めていきます。

来年、2019年には2つの国際スポーツ大会(ラグビーワールドカップ2019、2019女子ハンドボール世界選手権大会)が熊本で開催されます。昨年11月にはラグビーワールドカップの対戦カードが決定し、熊本では、フランス対トンガ、ウェールズ対アメリカ地区第2代表の2試合が行われます。12月には女子ハンドボール世界選手権大会のドイツ大会が開催され、次回開催国として熊本県への引継ぎ式が行われました。次はいよいよ熊本です。この2つの大会の成功を通して、皆さまへの感謝の心と復興する熊本の姿を国内外に発信できるよう準備を整えています。

一方で、震災の記憶の風化が懸念されることから、熊本地震の経験・教訓を広く発信し、後世に確実に継承することは我々の責務との思いのもと、県のホームページでデジタルアーカイブウェブサイトを開設し、熊本城や阿蘇大橋など被災の画像・映像や、災害対策本部の議事録などを公開しています。今後、震災遺構の保存を進めるなど、県内外に発信するための様々な取組みを行って参ります。

私は、今年の一字に「創」の字を選びました。熊本地震からの「創造的復興」と「地方創生」、県民の経済的豊かさなどを高める「創意工夫」の3つの意味を込めており、これからも、被災者の一日も早い生活再建と被災地の創造的復興に全力で取り組んで参ります。

全国の皆さま、是非、熊本にお越しいただき、力強く復興する熊本の姿をご覧いただきたいと思います。皆さまへの感謝の気持ちを胸に、これまで以上の「おもてなし」の心でお迎えいたします。

※注1:申請受付棟数に対する解体済棟数の比率

※注2:平成29年6月策定の処理実行計画数値に対する処理量の比率

 

この文章は、「日経研月報 2018年2月号」の寄稿文を時点修正したものです。