本文
日時:平成28年4月27日(水曜日) 13時30分から
場所:熊本県庁本館5階 知事応接室
会見録
知事臨時記者会見の会見録を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
(幹事社)
よろしくお願いします。
蒲島知事
今日は、4月の補正予算についてとふるさと納税について私のほうからコメントがあります。
本日、知事専決処分により「平成28年熊本地震」からの速やかな復旧・復興を図るための補正予算を編成しました。
今回の補正予算により、復旧・復興に向け、全力を挙げて、迅速に対応して参ります。
今後必要となる復旧・復興予算の全貌はまだ明らかではありませんが、まずは、住まいに不安を抱える被災者の方や、営業継続に不安を抱える中小企業者や農林漁業者の方に向け、緊急に必要となる予算を中心に編成しました。
苦難の中ではありますが、私が先頭に立って、県民の皆さんとともに、早期の復興を成し遂げていきます。
補正予算は、総額366億円であり、主な内容は、大きく4本です。
まず、「被災者の救済、生活支援」として、応急仮設住宅、民間からの借り上げによる「みなし応急仮設住宅」に要する経費などを計上しています。
次に、「産業復興支援」として、被災された中小企業の方々への融資枠を200億円追加するとともに、信用保証料について全額補助を行い、利用者の保証料負担をゼロにいたします。また農林漁業者向けの融資枠も156億円追加いたします。
さらに「社会・産業インフラの機能回復」として、河川や道路などの災害復旧費を計上しています。
最後に、学校において児童生徒の心のケアを行うスクールカウンセラーの配置などを行います。
今後、必要となる復旧・復興予算については、国の補正予算の動きも見据え、迅速・的確に、順次、予算化を行って参ります。
詳しくは、この後、財政課から説明させます。
次にふるさと納税に関するお知らせです。
今回の震災に関し、地震発生直後から、全国のたくさんの皆さまから、本県の災害対策に関するご支援の申し出があっております。県では、このようなご支援の声をふるさと納税という形でお受けし、これまで約5,600件、1億5千万円の寄付をいただいております。
また福井県など多くの自治体の皆さまが、本県のためにふるさと納税を活用して寄付を募るという新たな取組みを行っていただいております。
このように多方面から、温かいご支援、ご協力をいただき、心から感謝申し上げます。
いただきました善意につきましては、寄付者の方々のご意向に沿うよう活用させていただき、一日も早い復興に取り組んで参ります。
私のほうからのコメントは以上のとおりです。
(幹事社)
では、幹事社から、先ず質問をさせていただきます。
今回の補正の柱の災害救助事業の170億円ですけれども、こちらの方で、仮設については何戸分を手当したというふうに言えるでしょうか。もし、分かればお願いたします。
蒲島知事
今、応急仮設住宅のほうが2,100件、それから、みなし仮設住宅がやはり2,100件ぐらいであります。トータルでいうと4,200戸ですね。
(幹事社)
それは今回の補正予算で、措置される分と理解してよろしいですか。
蒲島知事
はい。そうです。
(幹事社)
それと、中小企業向けの融資枠は200億円追加ということですけれども、今日は「ワンストップ相談会」とかあっているかと思うんですが、知事としては、現状、その中小企業の被害というものをどのように認識しておられるでしょうか。
蒲島知事
これから、「ワンストップ特別相談会」の中でいろいろ出てくると思いますけれども、全体を見る限り、まだ休業されている人がとても多いですよね。だから、その再開であるとか、それから、また施設が壊れているとかですね、そういうことも考えると、この中小企業者、農林漁業者対策はとても大事だと思っています。それで、スピード感を持ってこのような形の制度を設けたわけであります。これから、これが十分かどうかということも含めて、多くの申込が来るのではないかと、このように思っています。
(幹事社)
今回、農林漁業者向けもあると思うんですけれども、観光業に関しても、阿蘇の方とかはかなり予約のキャンセルがあってたりとかするんですけれども、そこら辺の今後の対策というか、何かありますでしょうか。
蒲島知事
阿蘇は熊本県の重要な観光資源でありますので、1番大事なことは阿蘇へのアクセスですね。これがとても大事だと思っています。それから、ホテルとか旅館が被災を受けているかもしれませんので、その支援も行わなきゃいけない。
まず、アクセスについては、ミルクロード、それからグリーンロード、この2つがアクセス道路として今再開されていますので、これを通って、全く行けないわけではないので、なるべくそれを通って、観光客の方も戻って欲しいと思っています。また大事なことは旅館やホテルが再開できることですから、その旅館やホテルの再開のためにも、この産業復興支援、これを利用していただければと思っています。〔※事務局に向かって〕これは、旅館、ホテルもこの制度でいいわけですね。
(幹事社)
農林水産関係でちょっとお伺いしたいんですが、4番の畜産経営復旧緊急事業の中で、死亡した家畜の搬出輸送、助成となっている、これは全額ではないわけですかね。現在177頭が……。
(事務局)
事務的には、またこの記者会見後(に)。
蒲島知事
具体的なところは、(後ほど)財政課長が説明しますので。
(幹事社)
じゃあ、各社どうぞ。
(記者)
先ほど、知事、応急仮設住宅の関係でトータル4,200戸というお話をされていたんですけれども、これ、まだこれで全部というわけではなくて、今後さらに増える、変動する可能性は(ありますか)。
蒲島知事
まだ状態が確実ではありませんので、これで、十分かということはこの段階では言えませんけれども、不足する場合には、さらに追加補正を検討していきます。
(記者)
ふるさと納税ですけれども、年間に来ている額が、8日間ぐらいで毎年の額を上回ったという状況で、知事、今の、寄付者の意向に沿うように活用するということですが、何か具体的に使い道を聞き取っているのか、それとも、使い道を、県としてある程度、想定しているものがあれば教えていただきたいんですけど。
蒲島知事
今の項目でも、ふるさと熊本づくり応援分という項目を選んでいただければ、今回の地震対策分としてできるというふうに思っています。それから、多くの場合は、例えば福井県が送っていただくというのは、多分、当然、この復旧・復興予算ですよね。それに当てるということ。
〔※事務局に向かって〕義援金とかそういうものについての具体的な配分については、まだ決まっていませんかね、まだ、これから。
義援金という形は、もちろん義援金として渡します。これが、ふるさとづくり、復旧・復興の方に使うかどうか、それについては、まだ、この段階ではちょっとお答えできないですけれども。もちろん義援金は、義援金ですから、当然被災者の方に、そういうふうになると思います。
(記者)
通常、来ている義援金とは別にということで、理解していいですか。
蒲島知事
ふるさと納税をどういう形で皆さんが出されたかということの、それになるべく沿わなきゃいけませんよね、だから、そういう観点〔※使途〕から考えていって(参ります)。
(記者)
先ほどの話に戻っちゃうんですけど、仮設の関係で、午前中ですけど、熊本市のほうが、すごく全壊、半壊数というのをものすごく増やして発表されたんですけど、これは、例えば県で作る仮設住宅の数とかというのは、影響出てきたりするんだろうかという思いがあるんですが、その辺りは把握されているんですか。
蒲島知事
今のところのこの状況では、みなし仮設が2,100戸、それから仮設住宅が2,100戸という形で、不足する場合は、先ほども言いましたように、さらに追加予算を検討したいと(考えています)。これは、まだ、被災者の意向を十分に把握できない状況のなかで、緊急の予算を計上したものでありますので、今後、市町村の意見も聞きながらそれは対応していきたいと思っています。
(記者)
今、お話しにありましたけれども、まだ、十分被災者の意向等も把握できない中で予算措置されたというのは、やはりスピードというのを重視されているということですか。
蒲島知事
はい、そうです。皆さんが一番不安なところだと思います。これまで避難所に生命の安全のために入られて、まずは水と食料。それから、様々な要望が上がってきますよね。最終的には住居をどうするかというのが、今、多くの方々の不安です。とりわけ住居が全壊、半壊された方々のご不安を、私も避難所に行って、ほとんどの方の意見を聞きましたけれども、1番不安だというのはそこですね。だから、それに応えるためにも、早急にみなし仮設住宅と応急仮設住宅についての予算を計上して、対応しなければいけないと思いましたので、不十分な情報ではありますけれども、それに対応するためには、この段階で補正を組みたいというのが今回の補正予算です。
(記者)
それで、知事、先日、発表された中小企業向けの復旧に関する補助制度のようなものをということをおっしゃっていたかと思うんですけれども、復旧という意味ではそちらの方の措置も急がれるかと思うんですが、それについては、今回盛り込まれていないですよね。
蒲島知事
これが、具体的には財政課長の方からお答えします。〔※事務局に向かって〕産業復興支援の中に含まれていますかね。
(事務局)
はい、商工観光労働部のほうでこの4月専決の中で、緊急調査事業、約1000万円計上しておりますので、そこで実際に被災された中小企業者さんの声を聞いて、そして、どういう施策がいいか次のステージで打ち出していければというふうに考えております。
(記者)
はい、分かりました。
(記者)
すみません。今回の予算の中には、二次避難の予算というのは含まれているんですか。
他の場所に避難させるというような。例えば、福島でしたら、津波で被害に遭われた方が、会津の方に県がお金を出して宿泊代を負担して避難するというような。
蒲島知事
それは、旅館とかホテルに入ることですから、これはみなし仮設住宅に入りますかね。
(事務局)
二次避難も、今、もう整備を進めていますけど、この予算に入っているかどうかは、後で財政課長に答えさせます。もうそれは進めています。
蒲島知事
最後お願いします。
(記者)
スクールカウンセラーにかかる経費を補正し予算で措置した件に関して、狙いと言いますか、現状どういうふうに把握していらっしゃった上でのことなのかということをお尋ねします。
蒲島知事
スクールカウンセラーというのは、これまでも熊本県ではとても機能が効果的だったと思っていますけれども、とりわけ今、震災の後、これに子どもたちがどう対応できたかということも含めて、心のケアがとても大事になってきていますよね、だから、その配置を行ったということであります。
(幹事社)
そろそろ時間のようですので、よろしいですか。
蒲島知事
よろしいですか。はい。