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平成23年 2月 3日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006831 更新日:2011年2月3日更新

知事定例記者会見

日時:平成23年2月3日(水曜日) 午前10時00分から
場所:知事応接室

発表項目

質疑応答

(幹事社)
 よろしくお願いします。

 今日の発表項目、新幹線開業時イベントについてということですのでよろしくお願いします。

発表項目

九州新幹線全線開業時における主なイベントについて

蒲島知事
 新幹線の開業時における主なイベントについて申し上げます。あと37日で念願の九州新幹線が全線開業します。これまで全線開業に向けてご尽力いただいた皆様、地域の魅力づくりに取り組んでこられた皆様をはじめ、多くの県民の方々に厚くお礼を申し上げます。

コメントする蒲島知事の写真

 開業日には、私自身、「熟女千人」の方々をはじめとした県民の皆様とともに、熊本駅でお客さんをお出迎えします。開業日以降も、新幹線各駅の駅前広場をはじめ、県内各地で熊本の食や文化をテーマとしたイベントを開催します。

3月19日には熊本駅から熊本城まで、甲冑武者たちが練り歩く「時代絵巻」が行われます。また、夕方からは「くまもとサプライズナイト・時代絵巻さくらの宴」を開催します。私からも飲み物を振る舞いますので皆さんも是非ご参加いただきたいと思います。

これらのイベントは、多くの民間のご協力により行われます。この「市民力」こそが熊本の誇る大きな宝であると考えています。全線開業はゴールではなく、「新しい熊本」のスタートであります。熊本の宝である「市民力」を大きく育て、「くまもとの夢」の実現に取り組んで参りたいと思います。

 また、くまモンの商品等への使用許可が100件を超えました。今後もくまモン人気を加速させ、これらのイベントとともに熊本を盛り上げて参りたいと思います。

以上が私からのコメントです。

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質疑応答

食鳥処理場における鳥インフルエンザ簡易検査について

(幹事社)
 発表項目について質問がある社、ございますか。幹事社から代表して質問ですけれども、先日、鳥インフルエンザの関係で、簡易検査のキットの期限が切れているという、かなり致命的なミスがあったと思うんですけれども、知事は先日第2回目の会議で出水市のことを例に挙げられ、熊本では報告の遅れといったことがないようにと、わざわざお見えになってクギを刺されておりましたが、そういったお立場からして今回のミスについてどういうご所見をお持ちなのかということと、再発防止についてどういうふうにお考えか、そこをお聞かせ願いませんか。

蒲島知事
 使用期限が過ぎたもの(検査キット)を使って間違った結果を得たというのは、これは初歩的な間違いであります。これについては厳しく、間違いがないようにと申し(指示し)ました。ただ、担当者がなるべく早く(結果を)知らせたいという気持ちは大事にしなくてはいけないのではないかと思いましたので、そのことについてあまり叱責をしないようにということを上司に指示しました。

今回の鳥インフルエンザの対応策は2つあると思うのです。一つは早く見つけること。そして早くそれに対応すること。スピード感がとても重要です。これ(今回の出来事)によって、(検査に関する)責任がこのように問われるのであれば、「国に検査をお願いしよう」とか、たらい回しにして「色々な人の意見を聞こう」といった、逃げの姿勢になり、鳥インフルエンザに対する対応策としては、私は正しくないと思っています。そういう意味で、「正しく早く」というのが重要なことで、今後、これらに対する対応策は、正しい判断をするためのダブルチェック(が重要で)、ダブルチェックをする場合においても、部内ですぐにダブルチェックをし、早く周知徹底する。それによって対応がとても迅速に行われることになるのではないかと思っています。

 例えば私(熊本県)が逆の立場だとして、大分県から間違った情報が即座に寄せられたと(仮定)します。私は早く(情報が)寄せられることに対しては感謝をしたいと思います。間違った情報については訂正して欲しいと思うかも知れませんが、情報の早さに関してスピード感が鈍ることを恐れています。このことについては皆さんも是非、ご理解いただきたいと思っています。ただ、正しくする(正確である)ことは勿論、初歩のことですから、これ(検査)が間違ったことは大変遺憾であります。

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質疑応答

荒瀬ダムについて

(幹事社)
 もう1点、話は変わりますけれども、荒瀬ダムの件で、ちょうど1年前に撤去方針を表明されたということで、その時からいわゆる撤去費用というのが課題だったと思うのですが、現在でもなお、解決されていないように思えますけれども、そのあたりも含めてこれからの対応をどのようにお考えでしょうか。

蒲島知事
 皆さんもご存知のように、撤去、あるいは存続の判断をした時もそうでしたけれども、大きな問題は資金の問題でした。資金の問題は、これまでも荒瀬には付きまとっています。存続の判断をした時も、これだけ多額の費用がかかるのであれば、今の財政状況では(撤去は)できないということを理由に、条件付きの存続(の決断)でした。そして昨年の2月3日に、様々なことを考慮して再び撤去という判断をしました。その時も撤去費用の問題を抱えたままでした。ただ、(これまで)いくつかの改善点があったのではないかと思っています。まず撤去費用については、その後の国土交通省との話し合い、あるいは政務三役との話し合いの中で、一部の事業に社会資本整備交付金の活用が認められるという可能性が出てきたことです。もし2002年の撤去の判断のまま、私が知事になって撤去を行っていたと仮定すると、多分、その(交付金の活用の)可能性はゼロであったと思っています。もう一つは、撤去費用の削減の努力が、国と県で密接に行われていることです。一番恐れていたのは国の環境(への影響)に対するレベルが非常に高く、撤去費用がどんどん高くなるのではないかということでしたけれども、今は国と県は同じ方向。つまり撤去費用の削減のためにどういうことができるか、私はこの意識の問題がとても大きいのではないかと思っています。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 ただ、御指摘がありましたように撤去費用本体に関してはまだ目処がついていません。これに関しては、我々の期待、あるいは地元の期待として、菅首相が政権に就く前に「荒瀬ダムの(撤去)費用については、国が一部持つべきではないか」、「そのことによって荒瀬ダムを撤去しなさい」と、私に対しても強く要望されたことがあります。そのように言われた方が今では首相であるということ、更に民主党政権が選挙期間中にそのように述べてきたことでもあるので、本体工事についても是非、国の支援をお願いしたいということを言い続けていくことが大事だと思っています。更に民主党県連の松野頼久会長も、この問題についてはしっかりと取り組むということをインタビューで答えておられますので、それを見守りたいと思っています。そういう意味で撤去に向けた動きが全くゼロであったかというと、2月3日からかなりの程度、色々な部分で進んでいるのではないかと思っています。このようなことを踏まえ、今年度秋には国に対して除去許可を申請いたします。そして平成24年度から工事に入りたいと思っています。まだ課題は抱えておりますけれども、この撤去費用の削減、企業局の更なる経営努力、そして国への要望、これらを踏まえて撤去が立派に、またモデル事業として行われるようにしたいと思っています。この撤去作業が止まることはありません。

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質疑応答

国のダム事業の見直しについて


 今の荒瀬ダムに対する国の支援の問題だけでなく、ダム問題として川辺川ダムでは補償法案の提出がこの国会でも見送られています。それからダムによらない治水策については協議中ですけれども、まだ結論まで至っていない。全体としてまだ荒瀬、川辺川ダムについて展開を眺めてみると、停滞感が出てきているのではないか。国の方も官僚が政権の行方も含めて、様子見を決め込んでいるような空気が感じられるのではないかというような気もするのです。知事はこの問題での現状認識をどういうふうに見ておられますか。

蒲島知事
 政治には様子見があってはならないと思っています。私は常に言っていますけれども、「できないことは言わない」「言ったことは守る」。そういう意味で民主党政権そのものと、当時の国土交通大臣である前原大臣が、五木村の振興とダムによらない治水はきっちりとやると(表明されていました)。(民主党の)マニフェストにもうたわれておりますし、まさに民主党政権の本質であると思うのです。そういうことも踏まえ、大臣が替わったからといって、この問題がスローダウンしてはならないと思いましたので、(全国)知事会の席上で菅総理に対し、私の方から五木の振興をきちっとやることと、ダムによらない治水をスピードアップしてやることが菅政権の目標でなければいけないだろうと(申し上げました)。それは菅さんが野党時代に最も力強く言っていたことでもあるのです。そういう意味では、国に対して「言ったことを守ってくれ。やってくれ」と(申し上げたい)。県としては何もしないのかというと、県は既に10億円の基金を積んで五木村振興を一生懸命やっておりますし、スローダウンした流れを加速化できないかということで、県としてできることを一生懸命に検討中だし、またそれをやっているところであります。

 ただ、ご存知のように国の問題がとても大きいのです。五木村振興についても、ソフトの方は県がやりますけれども、ハード事業についてはなかなか多額の費用が掛かります。私は、ダムによらない治水の部分についても、23年度から動きが始まるのではないかと思っています。

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質疑応答

荒瀬ダムについて


 荒瀬ダムのことでお聞きしたいんですけれども、先程、撤去費用の削減という話をされていましたけれども、具体的に今、どういう段階になっているのかというのが一つと、国の財政支援ですけれども、老朽化した工作物への支援が難航する中でどういう形の支援を県としては望んでいかれるのかということをお願いします。

蒲島知事
 2つ質問がありましたけれども、撤去費用の削減については、ダム撤去技術研究委員会での案があります。これはどちらかといえば原状復帰を最大限までやるという方向であります。そういう意味で、国も県もどこまでやればいいのかというところ、安全性との関連、環境との関係、そういうことが(検討の)話題になっていくのではないかと思っています。どこまで完璧にやるかという考え方、原状復帰を最大限にやらなくてはならないという考え方、その中間はないかとか。今後、このようなこともコスト縮減の中で、除去許可の前に出てくる可能性がないわけではない。ただ、そこまで(検討が)至っているわけではなく、単なる私の考えかも知れません。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

もう一つは、民間の知恵を借りる(ことです)。民間の方々に、もっと安い費用で(撤去が)できないかといった考え方を借りるということで、今、その方策を待っているところです。現在、企業側から正式な提案はありませんけれども、企業としても日本では初めての本格的なダムの撤去ですから、技術をアピールする場、あるいは技術を学ぶ場になるのではないかと(思っています)。そういう(機会である)ことを売り込んでいきたいと思っています。そういう意味では民間の知恵(を借り)、国と県はコスト削減と、環境、安全性にマッチしたものではないかという検討(を行い)、更にコスト削減を支えるかたち(手段)として、企業局の(経営)努力(が必要)です。様々な知恵を発揮し、この問題に取り組んでいかなくてはならない。ただ国に対して「(不足する撤去費用)30億円をどうしてもください」という、頑なな方向性ではなく、いろいろなことをアプローチしていかなければならないと思っています。


 国の支援のあり方について、どういうものを望んでいるかということに関しては。

蒲島知事
 この荒瀬ダム問題をきっかけに、前原元国土交通大臣が「老朽化した河川工作物(の撤去)に対して国の支援ができないか」ということ(の検討)が持ち上がったことが、もともとの流れであります。ただ、ご存知のように前原大臣が辞められた後、この問題が少し低下していると思います。これはもともと、国土交通省が言ったことでもありますので、この問題については、私どもとしては是非、老朽化した河川工作物の対象に荒瀬ダムも入れて欲しい。また、最初は民主党政権の方針でもあったと思いますけれども、私どもとしては法制化を待つだけではなく、他のあらゆる方法を考えながら国の支援を求めていきたいと思っています。

 皆さんに分かっていただきたいのは、この老朽化した河川工作物の(撤去については)、荒瀬ダム関連(がきっかけ)で出てきたことであるし、政権の方針として出たことであると(いうこと)。だから、そういうこと(経緯)であるとすれば、どうしてもそれ(老朽化した河川工作物の撤去への国の支援)に荒瀬ダムをお願いしたいという、県の方針もよく分かると思いますし、それ(老朽化した河川工作物の撤去への国の支援)がなくなった時に困るということも皆さんもよくご理解いただけると思います。

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質疑応答

新潟州構想について


 先月の末ぐらいに、新潟県の泉田知事が、新潟州構想というものを打ち出しました。いわゆる新潟市を解体して、政令市と県の関係を新しくしようという提案ですけれども、この取り組みについて知事はどのように感じますか。

蒲島知事
 熊本市と熊本県は、まだ(熊本市が)政令指定都市になっておりませんので、問題は顕在化しておりません。とても仲良く県も市も政令指定都市に向かって(取り組んでいて)、熊本市の波及効果を県(全体)に最大にもたらそうということで、市長も私も同意しており、制度的な州を作らなくても、実質的にはとても連携が進んでいるので、そのようなことは考えたことがありません。


 新潟の考えについては。

蒲島知事
 コメントできません。それはそれで、考え方があるのではないかと思いますけれども。州を作るというのは、それなりの制度的なエネルギーが必要だと思いますので、むしろ市長と知事の関係が熊本のようにうまく連携がとれて、実質的に同じような方向を向けば私はいいと思っております。少なくとも熊本ではそうだと思っています。

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質疑応答

荒瀬ダムについて


 また、荒瀬に戻ってよろしいですか。最後におっしゃった、老朽化した(河川)工作物の撤去という考え方が荒瀬をきっかけに出てきた。政権の方針として出てきた。重なるかもしれませんけれども、政権の今の動きを見ていると、いつ総選挙があるかも分からない。そして今の情勢からいくと、必ずしも民主党政権が続くと言い切れない状況が一つ。それからお金がないということをとにかく国会でも言っている。そのような中で、いわゆる老朽化したものを壊すということにお金を費やすかどうかということも非常に優先順位が下がってきているように思うんですね。その状況を知事はどのように受け止めて、一生懸命国に支援をお願いし続けるのが大事というのはよく分かるのですが、そのハードルは1年前と比べると非常にまた高くなっていると思うんですけど。その現状認識を教えてください。

蒲島知事
 現状認識としては、前原大臣がこの問題について言われた時と比べると熱意が落ちているということは客観的に評価できるかも知れませんけれども、県知事としてはその流れをきちんと察知しつつ、やはり国が言ったことを信じて、それについて要望を行うことは県知事としては正しい方向であるし、政治学者と県知事の違いはそこにあると思います。

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質疑応答

水銀条約について


 水銀規制の条約をめぐる国際会議がありましたが、熊本県の主張として名称を「水俣条約」として欲しいということと、その署名する会議を水俣で開いて欲しいということは鮮明になっているわけですが、水俣病を生んだ自治体のトップとして、水銀規制条約の中身にどういうものを詰めていくかということについての発信が今一つ見えてこないんですけれども、ここはどういうふうにお考えですか。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

蒲島知事
 水俣病が発生した県として、知事として水俣病問題には知事に就任して以来、環境省と政府と連携しながら一生懸命に取り組んできました。そして特措法という形で救済が進んでいますし、一方では裁判上の和解という形で救済が進んでいます。

 今度、「水俣条約」という形で国際条約を結ぶという流れが出てきて、国際会議を水俣で開いて欲しいと(思っています)。そして水俣の教訓と水俣の悲劇を、世界で決して繰り返してはならないということを、この水俣で国際会議を開くことによって全世界に伝えて欲しいというメッセージを英語でスピーチいたしました。それはまさに私の気持ちをそのまま表しています。(名称を)「水俣条約」とすること、あるいは水俣で国際会議を開くことに関しても批判があることは承知しています。しかし水俣(の地)で、「水俣条約」という名前で条約が締結されることは、熊本県も(水俣)市も国も同じ方向に向かってこの悲劇を繰り返さないという責任を持ってやろうとする熱意も必要ではないかと思っています。他で水銀会議が開かれ(たとすれば)、その「締まり」というかあるいは「熱意」というものの高まりは、やはり水俣条約(として)、水俣で開かれる方が、一層政権が締まり熱意も高まり、水俣病問題に対する取り組みも一層高まっていくと私は思っています。条約の中身については間接的にしか述べることはできません。当事者ではありませんので。これは国がアクターでありますから。ただ国と連携しておりますので、当然、(水俣)市や、とりわけ被害者の方々の御意見、県も(条約)締結の流れの中で影響力を及ぼしていけるのではないかと思っております。

水俣条約あるいは水俣での国際会議を目指すという意味において、熊本県自身も水銀フリーというものに取り組まなくてはならないだろうと思っています。水銀フリーということで、今、LED照明(の設置)が問題になっていますけれども、そのようにできるところから水銀を含まない照明を熊本県に普及していく、あるいは普及のための方策を探っていこうということで熊本県政も動いています。そういう取り組みを見せることによって水銀条約に対しても、物を申すことができると私は考えていますし、水俣への誘致もできるのではないかと思っています。


 水銀の胎児に対する影響ですとか、不知火海沿岸の健康への影響ですとか、そういうベーシックな問題について、熊本県がこれまで積極的な役割を果たしたというふうには見えないわけですけれども、それが「水俣条約」という名前を付けるだけで、積極姿勢が示されるのではなくて、水銀フリーの話を含めてですけれども、やはり内実の伴った重みのある提言を熊本県には出してもらいたいという気持ちですがどうでしょうか。

蒲島知事
 これは調査を含めて国と県が連携して取り組んでいく。もし水俣条約(の締結)、あるいは水俣で国際会議を開かれることになれば、全国一致団結し熊本県も含め、本当にこの水俣の悲劇を繰り返さないことを発信するための努力(が必要です)。様々な救済策が行われていますけれども、これも迅速に、正しく、広く、早く行うことが大事だと思っていますので、その取り組みもやはり示さなければならないと思っています。そういう意味では、目標に向かって、国も県も市も県民もこの問題を考えながら取り組んでいくことになるのではないかと思います。この目標があるのと無いのではまた違うと思いますので、私はその目標があった方がいいと思います。


 関連ですが、今の質問に重なりますけれども、「水俣条約」と付けるからには、水俣病の被害者だけではなくて、国際NGOの声明として、抜本的な問題解決に取り組まない限り反対だという声明が出ていますが、これに対してはどうお考えでしょうか。

蒲島知事
 水俣病問題について、取り組まなければ反対だという意見が出ていることに対してどう思うかということですか。本格的に取り組んでいないということですか。


 そういう声明が出ていると思うんですけれども。

蒲島知事
 私もそれは知っています。では逆のことを考えてみましょう。水俣条約ではない(条約の名称や)、水銀問題について水俣で国際会議が開かれない(場合)、例えば世界のどこか「ソウル会議」でもいいです。そういうの(会議)が数年後に開かれると仮定した時、水俣病の取り組みはもちろん本格的にやっていますが、(取り組みの)本気度と言ったらおかしいけれども「本気の本気」というか、それがやはり目標にあった方が大きいのではないかと思っています。当然、水俣病の救済については特措法、和解、胎児性患者の方々の御家族の福祉についても取り組んでいますけれども、もっと早く広範囲に確実にやるためには、やはり数年後に水俣で水俣の国際会議を開き、水俣条約というかたち(名称)で世界に発信しようという気持ちがあるのはとても大きいと思うのです。そういう意味で、私どもは水俣で国際会議が開かれ、それ(条約の名称)が水俣条約とされることが望ましいと考えています。勿論100%の方が賛意は示されないとは思いますけれども、少なくとも宮本市長も私も、国がまだどことは決めておりませんけれども、水俣を持つ熊本県知事としては是非、水俣でやって欲しいと思っています。例えば京都や大阪でやるというものが望ましいとは思っていません。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真


 知事、関連で水銀フリーに取り組まなくてはいけないということで、何か具体的なことを考えていらっしゃるのでしょうか。さっきの県庁のLEDの照明の話をされましたけれども。他に。

蒲島知事
 水銀フリーという大きな目標に向かって一歩踏み出しつつあるということであります。そのために水俣会議を開くのではなく、水俣会議という大きな目標があれば、県自らもそちら(水銀フリー)の方向に動かなくてはいけないのではないかという(ことです)。多分、国の方もそういう考えになると思います。だからそういうことがインセンティブと言ったらいいけれども。


 知事、何か具体的な何かをやられるようなお話をされていたので。

蒲島知事
 具体的に動いているのはそれだし、それから既に特措法に基づくもの(救済)と、和解に基づくもの、胎児性患者の方々の福祉です。様々な水俣病に関する取り組み、それから水俣と芦北の振興、そういうものをきちっと進めつつある。プラスアルファとしてみると先程言ったLED照明も含めた水銀フリーへの取り組みということになります。


 水俣条約というのを、水俣で署名会議を開いて命名したいという気持ちや考え方は分かるんですが、以前もこの会見で申し上げたと思うんですけれども、そもそも国際社会の中で水銀規制条約というのが出てきた背景は、長期の微量の水銀による汚染という、そこが出発点だったと思うんですね。かたや熊本には劇症患者に代表されるようなかなりの(水銀の)曝露を受けた方々がいらっしゃる。そこには少し齟齬とは言いませんけれども、国際社会はそんな大規模な曝露ではなく、長期の微量汚染でも非常に健康に影響があるんだというところから出発しています。熊本はそこまでそういうところではない。そこにはやはり少し差があるし、国際社会からみると今まで救済が遅れてきたのは何でなんだろうという疑問はあるわけですね。日本に対して、水俣に対して。そういう部分も含めて国際社会に発信をされるのかどうか。ただ、今、救済を一生懸命にやっていますとかというところではなくて、もっと深いところの問題がそこにはあると思うんですね。そこをどのように知事はお考えになっておられますか。

蒲島知事
 メチル水銀の影響に対するドラスティックな現象が世界に衝撃を与えたのは水俣病だと思うのです。今回も水俣の被害者の方々が幕張にいらっしゃって、そのことを訴えられていたことは、とても大きな衝撃とインパクト、水銀に対する恐ろしさを伝えたと思います。そこに代償とは限らずに、水銀の影響に対する恐れ、それからそれを防がなくてはならないといったものが出てきたと私は思っています。そういう意味で水俣条約ということで、水銀の影響の代償が何らかの形で影響するのかというと、私はそうではないと思っています。ただ、それを大きなレベルでシンボライズしていると(思います)。「水俣病」、「水俣で(署名会議が)開かれること」、「水俣条約」。それは(水銀の汚染が)少量であろうが大量であろうが、世界中で今、取り組まなくてはならない問題だということだと思います。

熊本県としては、当然、水俣病という大きな問題を抱え、それに対して一生懸命に救済策を講じつつ、それ以外にも少量の(汚染対策として)水銀の含まれている蛍光灯をどうしていくかということで、小さな一歩かも知れませんがシンボリックな一歩として、LED照明の普及に取り組もうという一歩を踏み出しているところであります。

 水俣病は、大量の水銀(による汚染)ですが、今、世界で取り組んでいるメチル水銀に対する規制と違うかというと私は、全くそうは思いません。水俣病というものが大小を問わずシンボライズされたものであるし、水銀に対する恐れというものをより大きな形で世界中に発信できるのが水俣という名前のついた条約であるし、水俣で開かれる国際会議の意義ではないかと思います。


 その水銀を規制していこうという動きというのは賛成だし、当然そうだろうと思うし、県がそれを率先するということは大事なことですけれども、平たく言えば、つまり世界が注目している微量な汚染で、やはり健康被害があるという視点からするならば、今、熊本県および国がやっている、特措法とかの救済というものが。

蒲島知事
 しかし、それが早く解決しない限り、微量も何もあったものではないでしょう。だから大きな意味で微量であろうが大量であろうがこれは過去ですね。過去の大量の曝露ですけれども、これは水銀に対するセンシティビィティというか水銀に対する恐れ(が鮮明になり)、それを水俣で会議(を開催し)、あるいは水俣条約(の名称)をつけることの重要性は損なうものではない。代償は損なうものではないと思います。


 ではなくて、当時、少量でも曝露を受けた人達が取り残されていませんかという問題提起がこの条約の問題では出てくると思うんですよね。そこの部分ですけれども。

蒲島知事
 それで、それと特措法による救済とどう違いますかね。


 特措法ですら救えない、あの当時あれだけのメチル水銀が流された地域に住んでいた人達はもっといらっしゃるわけで、そのための健康調査をしてくださいという話をずっとここ何年と続いて出てきているんだけれども、そこには後ろ向きな姿勢が国の姿勢としてずっとありますよね。その姿勢を見つつ、条約というのがそこに何か姿勢として何か無理があるというか、ズレがあるというか、矛盾を内包しているという、そういうふうに思えるんですが。

蒲島知事
 そうすると何、記者さんは、水俣で水俣条約を締結するのに資格がないとおっしゃっているの。


 いや、そういうことを言っているんではないんですよ。

蒲島知事
 どこで開かれれば資格があると思う。


 そういう負の問題っていうものも、内包しているんだということも。

蒲島知事
 はい、それは理解した上でやりなさいというわけですね。


 そしてやはりそれも世界に発信していく一つの大きなことではないかと思っています。

蒲島知事
 はい、アドバイス分かりました。はい、もう時間ですのでありがとうございました。

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