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令和2年(2020年)8月26日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0067958 更新日:2020年8月26日更新

知事定例記者会見

日時:令和2年(2020年)8月26日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室

動画
 動画はこちらからご覧いただけます。

会見録
 知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
 なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。

コメント

質疑応答

コメント

新型コロナウイルス感染症対策及び「令和2年7月豪雨」からの復旧・復興について

コメントする蒲島知事の写真蒲島知事
 まず、新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 先週8月18日から8月24日までの1週間で、計63名の新規感染者が確認されており、先週の54名を上回っています。
 本県独自で設けているリスクレベルの「レベル4」の判断基準を大きく上回る感染状況となっており、現状について専門家にもご意見を伺ったうえで、熊本市を含むリスクレベルは、「レベル4 特別警報」を維持することといたします。
 感染の傾向として、県内で発生したクラスターは収束傾向にあるものの、県内各地で感染者が確認されているほか、家庭内や飲食店における感染が見られています。
 また、特に最近は、国内の傾向と同様、熊本県でも若い世代での感染者が多数おられます。先週は、30歳代までの方が、全体の7割を占めており、これらの方々から重症化しやすい高齢者に感染させないことも重要です。
 感染を収束させるために、県民の皆様お一人お一人が、コロナウイルス感染が身近な危機であることをご認識いただき、改めて、基本的な感染防止対策に取り組んでいただきますようお願いいたします。
 また、これまで感染された方やそのご家族、職場関係の方々などに対する不当な扱いやいやがらせ、誹謗・中傷などが絶対にないよう、くれぐれもお願いいたします。
 詳細については、午後、担当課から説明いたします。
 続いて、「令和2年7月豪雨」からの復旧・復興の取り組みについてです。
 昨日、球磨川豪雨検証委員会を開催し、流域市町村長の皆様から貴重なご意見をいただきました。今後、いただいたご意見を整理し、引き続き時間的緊迫性を持って検証を進めて参ります。
 また、既にお知らせしましたとおり、8月30日には、復興の基本方針を議論する「くまもと復旧・復興有識者会議」を開催いたします。五百旗頭座長をはじめ、7人の有識者の皆様に、復興に向けた基本的な考え方や方向性についてご意見をいただきます。
 今後、検証委員会の検証結果や有識者会議の議論をもとに「復旧・復興プラン」を策定し、復興への道筋をできる限り早く、県民の皆様にお示ししていきたいと考えています。

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質疑応答

接触確認アプリについて・その1

(幹事社)
 まず、一点なんですが、新型コロナの感染対策についてで、先日厚労省が「COCOA」という接触確認アプリで通知を受け取った人について、希望すれば全額公費でPCR検査受けられるよう自治体に要請したということで、知事はこの接触確認アプリの活用についてはどのようにお考えでしょうか。

蒲島知事
 県の弾力的運用の一つとして、これまでもアプリで接触通知があった場合は、希望すれば検査を受けられる体制になっております。
このアプリは、多くの人がインストールすることで有効性が増すため、積極的に皆さんに活用していただきたいと思います。

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質疑応答

球磨川の検証について・その1

(幹事社)
 球磨川の検証関係です。昨日の検証会議のなかで、ピークの流量について報告がありました。これまで中期的な計画の中で想定していた目標よりも、かなり大きい流量が出たということが分かったなかで、今後の治水対策の方向性を考えるうえで、どのようにこの流量についてお考えかお話しください。


蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 昨日の検証委員会でも明らかになったように、人吉では大体8,000トン流れたんじゃないかという発表がありました。
 これは多分、これまで誰も経験したことがないような規模の洪水ではなかったかなと思います。
 そういう極めて大きな洪水であったことと、そうした洪水に対して、流域住民の生命と財産を守る安全安心のための対策が、極めて重要であると改めて認識いたしました。
 そこまでは(水は)来ないだろうということはもう言えないと。ただ球磨川を皆さんはとても愛しておられます。安全安心に加えて、球磨川の豊かな自然の恩恵をこれからも享受できるように、それに留意しながら治水対策を考えないといけないなと思います。安全安心プラスこの豊かな自然を守ると。そして、治水対策をこれから考えていって、この2つの目標に向けていかなきゃいけないと。今回このような洪水被害を経験しましたけれども、二度とこのような経験を県民にさせないように、強い覚悟を持って、この安全安心の確保に向けて、国と県、それから流域市町村と連携しながら、速やかに検証し、そして治水の方向性を決めていきたいなと、このように思います。

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質疑応答

治水対策について

(幹事社)
 現状の治水対策なんですが、これまで検討されてきた中期的な組み合わせ案、それに加えて、昨日は川辺川ダムについても選択肢の一つになってくると話題になりました。その上でなんですが、この2つの他にも、どういう対策があるのかというのを模索する考えはあられるかというところ(を教えてください)。

蒲島知事
 まずは、検証をしたいと考えています。これまでも、ダムによらない治水を国、流域市町村長と一緒に考えてきました。その代表的なものは、これまでは考えられてもこなかった、既存の市房ダムの予備放流です。これはダムによらない治水を考えるなかで、利水の方々と話し合って、予備的に放流をすると。これは事前放流のことですけれども、それをやって500トンぐらいはセーブできたんじゃないかというのが昨日の(検証委員会の)結果でした。もしダムによらない治水を全く考えていなかったとすれば、こういうことができなかったでしょう。
 それから八代市長から、萩原堤防の強化、これがとても八代を守るうえで大きかったと。これもダムによらない治水対策のなかで、国と一緒にやってきた問題です。また、多良木町長からは、河川の掘削がとても役に立ったと、そういうご意見もありました。
 そういう意味では、ダムによらない治水対策でやってきたたくさんのことは、今回の洪水を全部は防げなかったでしょうけれども、ある程度それがなかったら大変なことになったんじゃないかなと思います。
 ただ、昨日の議論ではそれだけでは足りないということを皆さんが認識されて、特に流域市町村長からは、一致して、仮に川辺川ダムがあったとすればという、ダムの洪水調節機能の重要性を選択の中に入れてくれというお話がありました。
 そういうことで、それを含めた形でこれから検証がされていくというふうに思います。その結果、治水の方向性が決まっていくというふうなプロセスになると思います。

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質疑応答

ダムの効果に係る認識について

Q
 今、ダムによらない治水策、市房ダムの話がありましたけれども、ダムの効果ということ自体は、知事としては今どういうふうに思っていらっしゃるんでしょうか。

蒲島知事
 市房ダムでも検証されましたけれども、ダムの洪水調節機能というのはとてもあると(思います)。これは、私が2008年に白紙撤回したときも申しておりましたけれども、河川工学的にいうと、ダムの洪水調節機能というのはとても大きいと、そういうふうにあのときから認識しておりました。ただ、あの2008年の段階では、皆さんがダムによらない治水というものを、今はまず極限まで考えてほしいという認識だったというふうに私は理解しました。ただ、今回の8,000トンを超える大水害、これは350年に一回ぐらいの洪水でなかったかなと思います。青井阿蘇神社に(350年前の)洪水の跡が残っているということですけれども、350年前のその洪水と同じぐらいだったというふうに今言われています。この洪水に対して、今後はどうやって安全に川を流していくかということが大きな問題として、今、突き付けられています。それをこれから治水の方向性を含めて、そしてダムの洪水調節機能を排除せず検討していくというのが今のスタンスです。

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質疑応答

治水対策への民意の反映について

Q
 川辺川ダムが白紙撤回されたときに、多分知事のなかで大きな要素として民意というものがあったと思うんですけれども、今回治水の方向性を決めるうえで、科学的見地は多分検証委員会で得られるんでしょうけれども、民意というのは何か判断材料にされるおつもりであるんでしょうか。

蒲島知事
 当然、デモクラシーの国でありますので、県民がどう考えるか、県民が何を望んでいるか、どうすれば県民が幸せになれるか、幸福になれるか、その要素はたくさんあると思うんですよね。その要素のなかで、2008年と今を考えると、安全安心というこの要素がものすごく大きくなっていっていると思います。とりわけ、これだけの大きな水害が起きた直後でありますので、そういう意味ではこの要素をより大きく考えて、これからの政策も含めて、それから治水の方向性も含めて、考えていくというふうに、今は思っています。

Q
 補足ですけれども、例えば意思決定の過程で住民との意見交換というか、そういうのを取り入れていかれるのかどうなのかというのは、お考えはありますか。

蒲島知事
 まず専門家による検証、これを踏まえて、その方向性が出てくれば当然。スピード感を持ってやらなければいけませんので、特に被災された方々がどういうお気持ちでおられるかということも踏まえて、これまでも多くの方々と話して参りましたし、その代表者としての流域市町村長の考え方も昨日、それからその前も伺っています。それを参考にしていきたいなと思います。

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質疑応答

ダムに係る議論に対する受け止めについて

Q
 2008年の白紙撤回のときは、知事も大きな決断で確固たる意志のもとにされたかと思いますけれども、昨日の流域市町村のなかでは、ダムによらない治水というものが、空白の時間であったというような表現の仕方もあったかと思うんですけれども、昨日の議論のなかでは、もしダムがあればというような論調が強くあったというふうな認識だったんですけれども、白紙撤回された知事としては、ああいった議論であったりとか、あの市町村長の意見をどのようなお気持ちで受け止められたのでしょうか。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 政治家は決断するときに、自分の決断を歴史のなかの被告人と同じように、どう歴史のなかで評価されるかということを、常に考えながら決断をやっていきます。そういう意味では、2008年の9月11日の白紙撤回の決断というのは、きわめて私の政治、また人生において重要な決断でありました。
 ただその決断が、未来永劫に正しいかどうかというのは、これは歴史が決めるものであります。そして、この8000トンを超える流量の水害、この大きさというのは、新たな課題を知事の私に、そして熊本県政に、あるいは日本の政治に、今、データとしてもそうですけれども、事実として突き付けられていると。
 そして、これにどう対応していくかということも、やはり知事の大きな決断の一つではないかなと思います。今、そのところに立っているところです。新たなデータ、新たな経験、そして気象状況の変化を踏まえながら、県民の安全安心を第一に考えるときに、どういうふうな治水対策を打ち出していくのかというのが、私としては、新たな決断だというふうに考えています。
 与えられた状況のなかで、最大限の努力と、それから最大限の自分の能力を駆使して、これに決断を下さなきゃいけないなと、このように思っています。
 だから2008年で知らなかった様々な(状況の変化や)そういう新たな経験が、今、私どもの前にあると。皆さんの前にもあるんです。そのなかでどのような決断を下すかというのは、きわめて重要な決断でありますので、真剣に、真摯に、そして様々な方の意見を伺いながら決断していきたいと思っています。

Q
 新たなデータ、経験をもとに、一歩立ち返って、きわめて柔軟に対応されていく、考えていくということでよろしいですか。

蒲島知事
 柔軟にというよりも、県民の幸福量の最大化というのが、ずっと私の最初(知事就任当初)からの方向性でありますので、この新たな経験をもとに、より熊本が、あるいは熊本県民の方が、幸せになっていく、そのためにどういう球磨川流域の治水対策を行っていくかということが、今私に突き付けられている、そういう状況ではないかなと思っています。

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質疑応答

農林水産物等へのコロナの影響と対策について

Q
 コロナのことなのですが、コロナの影響なのですけれども、知事は普段から輸出、農林水産物とか食品の輸出にすごく力を入れているのですが、国とか九州の数字がだいたい出てきているんですけれども、熊本の現状をどう判断して、どのような対策を今取ってられるのかちょっと教えてください。

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 コロナによって、産業の面で一番傷んでいるのは、輸出とか、輸入とか、そういう交流です。観光、そして飲食業を含めて、モノの動きが一番マイナスの影響が大きいのかなと、このように思います。
 今そうだからといって、将来、ずっと続くとも限らないので、今何ができるかということ、観光、輸出輸入を含めた、そういうモノの動きをしっかり注視しながら、将来のことも考えてやりたいなと思います。
 ただ、今現在の熊本の農産物に関していうと、農産物は、今値段はとても良い状況にあると理解しています。だから、それをいかにして振興させるかということ、その前に、今回傷んだ様々な農林水産業の施設など、農家の方々の痛みをいかに最小化できるような形で政策を打ち出せるかどうか、そういうことが、今、農業政策でとても大事だというふうに思っています。私は、震災のときに感じたのですけれども、震災の年でも、農業の生産額は前の年よりも高まったと。それは2つの要素があると思います。
 1つは農林水産業の方々が頑張って、とにかく何か植えようという形で、生産をされたということと、それから日本国中が、熊本の農産物に対して、とても優しく接してくださって、そして市場でも高く評価してくださったことが大きいと思います。だから、あれ(=熊本地震)を乗り切れたので、私は熊本の農業は、今回の大水害も乗り越えられるというふうに確信しています。

Q
 輸出に限った話なのですけれども、たしか去年の夏の会見で、60億円目標を達したということだったんですれども、今年はまだ数字が出てきてないのですが、出さないつもりなんでしょうか。

蒲島知事
 輸出量という数字は、もちろん出てくると思いますけれども、ただ先ほど言いましたように、コロナで一番痛んだところですよね、輸出という部分、輸入という部分は。それが今一番感じているところで、人の移動、物の移動、それが今、農業でも一番痛んだ部分じゃないかなと思っています。
 ただ、数字は当然どうなるかは出てくると思いますけれども、それは多分コロナの影響としてこれから出てくるんじゃないかなと思います。

Q
 影響はあるとみているわけですね。

蒲島知事
 はい。
 具体的な数字はここに持っていませんけれども、農林水産部は来ていますか。

【事務方】
 来ていません。

Q
 輸出は農林水産部じゃないんじゃないですか。商工のほうに、4月の組織改編で変わったというふうに聞いています。

蒲島知事
 組織が変わったというのは、実際にそれが機能していますか。

【事務局】
 (農産物の)輸出に関しては数字を出すのか出さないのか、いつ頃出すのかその当たりは確認をしたいと思います。

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質疑応答

接触確認アプリについて・その2

Q
 最初のほうにCOCOA(接触確認アプリ)の話題が出ましたけれども、知事としては県民の皆さんにCOCOA(接触確認アプリ)の導入というのを積極的に呼び掛けていかれるというスタンスでしょうか。

蒲島知事
 これまでも呼び掛けてきましたけれども、あれについては、たくさんの人が使わないと私は意味がないと思います。
 普通は症状があったときとか、そういうときに検査は限られてきたわけですけれども、熊本県の運用としてはアプリで接触通知があった場合は、希望をすればですけれども、検査を受けられる体制がありますので、遠慮なく受けられると。これは、実際はなかなか難しいんですよね。
 例えば、自分が出張に行くからその前に検査をしておきたいとか、そういうのができないような体制になっていますので、このアプリを入れていて通知が来たときには受けられる体制というのは、アプリを入れておくことのメリットの一つじゃないかと思います。
 一つは、危機を知らせてくれることと、すぐ検査をしてくれること。

Q
 一人でも多いほうがいいには決まっているんですが、これぐらいの割合の人が導入してくれたらいいなというお考えというのはあるんですか。

蒲島知事
 これは何%かというのは私の手元に数字はありませんけれども、どなたか熊本県民の何%かと分かっていますか。
 私は入れていますけど。一度も(通知が)鳴ったことはありません。

【事務方】
 国の試算では、全国民の60%が登録すれば、非常に有効な動きになるということですので、スマホを持っている方は、ほぼすべて登録していただきたいというふうに考えております。

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質疑応答

空港アクセス鉄道について

Q
 話題が少し変わるんですけれども、アクセス鉄道についてなんですけれども、その後豪雨があって鉄道に関してはいったん立ち止まるというお話があったと思うんですけれども、この豪雨によって治水対策に多額のお金もかかるだろうと思うんですけれども、改めて現時点の考え方というのをまず一つお願いします。

蒲島知事
 既に申しましたように、豪雨の前から、この問題については立ち止まって考えると。特にコロナの問題がありますし。それでもうちょっと検証すべきことを検証して、1年間この問題については考えようということになっています。その上にまた豪雨対策、とりわけ鉄道の対策ですよね、橋、鉄道も傷んでいますし、肥薩線も傷んでいますし、そういうことを勘案しながら結論が出せるんじゃないかと思います。

Q
 その関連で、今年度ですか、有識者の検討委員会を設けるという話があったかと思うんですけれども、そのスケジュールは変化がないのかというのと、今言ったように多額の費用がかかるなかでアクセス鉄道に関して予算を確保できるかどうかについての考え方をお願いします。

蒲島知事
 これについては、今回の豪雨対策のなかでどのような形で予算が確保できるかどうか、そういう総合的な判断をしなきゃいけないというふうに思います。
 まずは、今、喫緊の課題としては、この7月豪雨に対してどう対応していくか。それは球磨川流域復興局という形で作りましたけれども、ここを中心に県南の振興をしていきたいと。そうすると、今回傷んだくま川鉄道もそうですし、肥薩線もそうですけれども、その対応というのは優先順位があるのかなというふうに思います。今のところ、そこはいったん立ち止まって考えているときですが、立ち止まる時期、時間が、それ(=立ち止まること)を決めたときより、今のほうが7月豪雨対策に県庁全体が力を取られているという状況です。有識者会議に関しては改めてご報告できるというふうに思います。

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質疑応答

球磨川の検証について・その2

Q
 先ほど知事は球磨川の治水を考えるうえで安心安全と豊かな自然を守ること、この2つを考えながらやっていくとおっしゃったんですけれども、昨日の検証会では、国交省がデータを出されて、安心安全のことについてはデータは出てきているんですけれども、もう一方の生活への影響、自然への影響という検証はどういうふうに今後されていかれるご予定なんですか。

記者からの質問に答える蒲島知事の写真蒲島知事
 県民の幸福と球磨川流域の治水を考えるときに、大事なことは、安心安全と、それだけではなくて、皆さんが愛している球磨川の豊かな恵みを享受できる、そういう球磨川で永遠にあってほしいというふうに皆さん思っていらっしゃると私は思いますので、その部分も大事にしていきたいというふうに思います。
 だから、県民の方々、特に県南、球磨川流域の方々は安心安全だけを思っていらっしゃるのではなくて、より総合的に、今の球磨川の恵み、豊かな自然の恩恵をこれからも享受できるような、そういう治水対策も、同時に望んでいらっしゃると思うんです。
 そういう総合的なところで、そしてこのような洪水が二度と起こらないように強い覚悟を持ちながら、速やかに国、県、流域市町村と連携してその治水の方向性を決めなければいけないんじゃないかなと思います。これは、私の今の考え方ですけれども。

Q
 2008年に白紙撤回表明される前は、有識者会議というのがあって議論されたと思うんですけれども、今回は特に第三者集めてということは(ないんでしょうか)。

蒲島知事
 そのときの有識者会議では、専門家の方々に参加していただいて、私の白紙撤回の表明文にも書いてありますけれども、河川工学的には、ダムがこの洪水調節機能の中で最も優れているというのが、大体一致した意見でした。
 ただ、だからといって、2008年のあの段階で、私がダムを造りますと表明しますと、多分私がリコールされて、2期目も、3期目も、4期目も、私の県政はなかったでしょう。だから、やはり民意というのは、一番大事にしなければいけないものだと思います。
 ただ、今回も検証委員会を終えて、次の治水の方向性を決めるときに、当然、住民の生命と財産を守る安全安心のための対策が極めて重要だということに加えて、先ほど言ったように、球磨川の豊かな自然の恩恵を、これからも流域住民が享受できることを留意しながら、治水対策を検討していく必要があると私は確信しています。

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質疑応答

川辺川ダムの建設について

Q
 川辺川ダムの話なんですが、先ほど知事は新しい経験をもとに次の治水を考えていくとおっしゃいました。昨年の9月に熊日のインタビューで知事は、私が知事である限り川辺川ダムの建設が復活することは絶対にないと答えていらっしゃいます。
 このとき、今回のような豪雨災害が起こるという想定は知事のなかであったのかなかったのか教えてください。

蒲島知事
 今回のような洪水が起こるという想定は、残念ながらインタビューを受けたときにはありませんでした。今、皆さんにお聞きしたいんですけれども、8000トンを超える350年に1回ぐらいの洪水が、今年7月に起こると皆さん想定しましたか。

Q
 球磨川治水対策協議会のなかでは、球磨村の村長、当時は柳詰さんだと思いますが、全国で豪雨災害が多発しているという指摘があっていました。流域の市町村の方はそういう想定はされていらっしゃったんじゃないかなと思いますが。

蒲島知事記者からの質問に答える蒲島知事の写真
 確かに、流域市町村長の考え方はそれぞれに立場、または流域のあり方、そういうことを含めていろいろご意見あったというふうに思います。
 ただ、あの段階(=昨年9月に熊日のインタビューを受けたとき)でダムを考えますという段階に、私はありませんでした。その代わり、あのとき進めていたダムによらない治水をみんなで極限まで考えていきましょうというのがずっと私のスタンスだったんです。
 今回は新しい事態が生じました。新しい事態にどう対応するかというのは政治家のもう一つの役割です。この新しい事態に対応して、今新しいダムの洪水調節機能も選択肢に入れた形で、この問題に立ち向かおうというのが昨日の検証委員会の方向性ではなかったかなと思います。
 流域市町村の方々も、一致してそのような考えをすべきだという意見書を出されましたし、そういう意味では、新しい水害の発生ということによって、私自身も変わらなきゃいけないし、熊本県政も変わらなきゃいけないし、多分全国的なこの方向性も変わっていくのではないかなと、このように思います。

Q
 言葉を明確にしておきたいんですが、知事のなかでは今後の治水対策の手法として川辺川ダムの建設は一つの選択肢という認識でよろしいですね。

蒲島知事
 それが昨日の会議の全体の認識じゃなかったかと思います。また、私自身、選択肢の一つであるということは認識しております。
 ただ、この治水対策をこれから決めていきますよね。まだ検証が完全に終わっていませんので、検証が終わった後で当然発表することになるというふうに思います。

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質疑応答

副知事任命に係る意向について

Q
 副知事がお一人で、田嶋さんがずっとやられておられるんですけれども、これまではこの豪雨災害対応をすごく一生懸命されておられていますけれども、やはりもう一人お決めになられると、今現時点どういう状況になっておられるんでしょうか。

蒲島知事
 現時点では、どうするかということを考えている段階であります。近く、その辺の判断もしなければいけないと思いますけれども、やはり(副知事が)一人だととても難しいなと。とりわけ、これだけ大きな災害があり、それから多くの決断をしなきゃいけない、そういうことを含めますと、一人副知事では無理だなと感じております。これからどうするかについての判断もしなければいけないというふうには思っています。
ただ今どうするかということは、ちょっとここでは発表の段階ではありません。 (了)

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