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日時:平成25年7月17日(水曜日) 10時00分から
場所:知事応接室
知事定例記者会見の会見録や報道資料等を掲載しています。
なお、知事の発言の趣旨を損なわない程度に読みやすいよう整理しています。
発表項目
報告
質疑応答
(幹事社)
おはようございます。幹事社のKABです。まずは発表事項からよろしくお願いします。
報道資料:第1回くまもと未来会議リレー講演について(PDFファイル:544KB)
はい、今日は4つの発表があります。1つ目は「第1回くまもと未来会議リレー講演」についてです。
これまで「くまもと未来会議」では、日本の各分野を代表する方々をお招きして、熊本の可能性について、大所高所から御意見をいただき、県の施策に反映させてきました。
今年度は、広く県民の皆さんに日本を代表する方々の考えに直接、触れていただくため、新たに県内各地域を巡る「リレー講演」を開催します。
第一弾として、8月23日に天草において、“知の集積~地域の宝を活かしたまちづくり~”をテーマに「くまもと未来会議リレー講演」を開催します。
ここでは、昭和女子大学の坂東眞理子学長と旅行業のトップで活躍されておられる、JTB九州の野口和義社長をお招きして、御講演をいただきたいと思っています。
その後、私も加わった鼎談や参加者の声なども反映させながら、「天草の可能性」について考えていく機会にしたいと思っています。
報道資料:熊本~台湾高雄間連続インバウンドチャーター便ツアーの実施について(PDFファイル:97KB)
2つ目は、「熊本~台湾高雄間の連続インバウンドチャーター便ツアー」についてであります。
昨年の夏に続き、8月23日から10月30日までの約2か月間にわたり、熊本~台湾高雄間の連続インバウンドチャーター便ツアーが実施されます。
期間中、昨年を上回る計34便が運航され、台湾からの旅行者約2,000人が、4泊5日の日程で熊本を訪れます。
高雄市に関しては、昨年11月に陳菊高雄市長を代表とする高雄市訪問団が熊本県庁を訪問されました。
また、今年1月には、私自ら高雄市を訪れ、熊本・高雄間の相互経済交流促進を確認し、航空会社へのトップセールスを行いました。
なお、9月には別に企画される熊本~高雄間のチャーター便を利用して、私も県民の皆様とともに高雄市を訪問し、その際には私やくまモンが参加する交流会を開催します。
加えて、高雄市においては経済交流促進覚書も締結する予定です。
是非、知事とくまモンと行く台湾ツアーへの参加をお待ちしております。
報道資料:「第33回豊かな海づくり大会~くまもと~」大会PRのラッピング広告デザイン決定について(PDFファイル:438KB)
3つ目は「第33回全国豊かな海づくり大会~くまもと~」のラッピング広告のデザイン決定についてです。
「全国豊かな海づくり大会」を多くの方に知っていただき、開催気運を高めるため、この度、熊本市電、肥薩おれんじ鉄道、産交バス「快速あまくさ号」の各車両に、大会をPRするための「ラッピング広告」を行います。
法被姿のくまモンや宝船で「豊かな海、宝の海」を表現しております。また、散りばめられた魚のイラストや黄色の色遣いで、明るく賑やかな雰囲気を作りだし、大会への期待感を高めるデザインとなっております。
熊本市電、快速あまくさ号のラッピング車両は明日18日から(運行を)行い、肥薩おれんじ鉄道は22日から運行を開始します。また、熊本市電については、100日前イベントとして、明日18日の午前10時から熊本市交通局で出発式を開催します。
大会の舞台となる3つの海域を中心に、広く大会をPRして参ります。
報道資料:「くまモンスクエア」のオープンについて(PDFファイル:295KB)
最後に「くまモンスクエア」のオープンについてです。
この度、鶴屋東館1階にある県の物産観光施設をリニューアルし、「くまモンスクエア」として、7月24日にオープンいたします。
「くまモン営業部長室」や交流スペース、観光・物産情報コーナーなどを設け、くまモンとファンの皆様との交流を図るとともに、熊本の多彩な魅力を発信します。
夏休み期間中には、毎日、くまモンが11時と15時に登場します。
7月24日は、午前10時から私も出席し、オープン記念式典を開催します。
是非、多くの皆様にお越しいただき、くまモン、そして熊本の魅力を感じていただきたいと思います。
ここで1つ報告があります。「くまモンのヨーロッパプロモーション」についてです。
去る7月4日から11日まで、フランスのパリで開催された、「第14回ジャパンエキスポ」にくまモンが参加しました。それに併せてくまモンは、ドイツ、イギリスを訪問しました。
「ジャパンエキスポ」は7月4日から7日までの4日間で23万人の来場があり、くまモンは2回の文化ステージに出演しました。それぞれ500名の方々を前に「くまもとサプライズ」と「くまモンもん」の2曲のダンスパフォーマンスを行いました。地元の方々もステージに上がり一緒に踊るなど、大変盛り上がったものとなりました。
翌8日には、フランス・バカラ村にある同社工場を訪問しました。クリスタルの世界トップブランドであるバカラ社では、クリスタル製のくまモンが試作されていて、その贈呈を受けました。
翌9日、ドイツ・シュタイフ社を訪問。同社のミュージアムでは「テディベアくまモン」展示の除幕式が行われ、同社博物館で永久展示されることになりました。
これは特別なテディベアにだけ許されるもので、大変名誉なことです。(同席したくまモンに対して)おめでとう。
イギリスでは、有名なくまのキャラクターである、パディントン・ベアからの招待を受け訪問しました。パディントン・ベアの案内で創業100周年を迎えたイギリスの代表的な自動車メーカーMINIのオックスフォード工場を訪問しました。現地ではくまモンをあしらった特別製のMINIが準備されていて、サプライジングな歓迎を受けました。
今回のヨーロッパ訪問は、くまモンのフロンティアを更に広げ、欧米展開への足がかりとすることができたと思っています。
今後とも引き続きくまモン、そして熊本をしっかりとPRしていきたいと思います。
以上が私からのコメントです。
(くまモンに対して)はい、ありがとう。もう大丈夫。
(幹事社)
幹事社の日本農業新聞です。2番目の台湾からのチャーター便のことでお伺いいたしますけれども、最近全体の台湾からのお客さんの入り込みというのはどれぐらいでしょうか。
蒲島知事
昨年の台湾からの(連続)チャーター便が16便だったと思います。それが34便に増えていますので、倍増しているということであります。
そして、アジアと繋がる中で、今、日中関係があまり正常化しておりませんので、その分、台湾であるとか、チャイナプラスワンと呼んでおりますが、中国プラスワンという形で展開しております。
そういう意味では、このチャーター便が34便、人数にして2,000人近くの方が熊本を訪れますので、大きな経済効果になるのではないかと思っています。
質問はそれでよかったですか。
(幹事社)
入り込みみたいなのはわかりますか。
蒲島知事
ちょっと、詳しい情報を。
【観光課】
観光課でございます。
国が発表した統計資料で見ますと、昨年は、約5万5000人〔※延べ宿泊者数〕の台湾の方が熊本に来られております。
蒲島知事
今の2,000人は、8月23日から10月30日までということです。その間に34便のチャーター便が予定されているということです。今、言った5万5000人というのは、多分あれ〔※台湾から熊本を訪れて熊本に宿泊された延べ宿泊者数の合計人数〕ですか。
【観光課】
福岡便などの利用者も含めた合計人数です。
蒲島知事
全部を含めたやつ〔※人数〕ですね。
(幹事社)
すみません。朝日新聞です。
くまモンの世界進出の件で、以前にもお伺いしましたが、知事のお考えになるくまモンの世界進出の効果と狙いを、すみません、もう1度お聞かせ願いますか。
蒲島知事
はい、常に言っておりますが、くまモンが100年飽きられないでずっと存続するということが、熊本にとってはとても大きな利益だと思っています。
まず、熊本の人がみんなくまモンを知っている。あるいは九州の人が皆、くまモンのことを知っている。そうしたら、今度は大阪、東京というところに展開して、そして多くの人がまたくまモンのことを知る。だから、常に飽和状態にならないようにすることが大事だと思っています。
それで大阪、東京で皆さんが知ってしまったら、今度は日本中に広げるということで、日本中にくまモンを今、出張させています。
そして、日本中の人が知ってしまうと、今度は海外に展開することによってフロンティアを拡げると言うのでしょうか、まずは、アジア諸国(にフロンティアを拡げる)、そしてアジア諸国の方もほとんど知ってしまうということになれば、今度はアジアの中でも最も大きな中国、そして、その人達の多くがくまモンを知ることによって、今度は欧米に展開し、欧米で活躍するくまモンを見て、アジアの人達がくまモンを尊敬するようになる、プライドを持つようになる。
それで、当然それ〔※欧米で活躍するくまモン〕をまた、日本中の人が好きになって、それを見てまた熊本の人が更にくまモンを好きになるという、そういうフロンティアを常に拡げることが、私はくまモンの人気を持続するために、とても大事なことではないかと思っています。
今回、ヨーロッパ戦略の中で皆さんも御存知のように、世界的に有名な、例えばMINIであるとか、それからシュタイフのテディベアであるとか、それからバカラのガラス細工であるとか、そういう形で、世界中の人達の注目を浴びる。
そういうことを展開していくことによって、熊本の人は当然、日本の人もくまモンをとても誇りに思うようになる。アジアの人も、それを見てまたくまモンを好きになっていく。そういう戦略を今取っている。(そのような)フロンティアを拡げる戦略であるということを理解していただければいいと思います。
(幹事社)
はい、ありがとうございます。もう1点だけすみません。
7月12日で熊本の水害から1年経ちましたが、工事の復旧状況を改めてどのように感じられるか。
蒲島知事
はい、今回の広域大水害の復旧・復興にあたっては、ただ早く、復旧、元に戻すということではなくて、3つの原則で行っているということを、これまでも述べてきました。
1つは被災者の方々の痛みを最小化すること。2番目は、創造的な復旧・復興を行うこと。3番目は、この復旧・復興が将来の熊本の発展に繋がること。
そういう意味では、単にスピードだけを追っているわけではなくて、スピードプラスその3つの原則を追っています。
私は、熊本県の担当者は、この原則を追いつつ、大変スピード感を持って今、取り組んでいるのではないかと思っています。
ただ、(復旧・復興を)やる方と、それからそれを待つ方のスピード感は、やはり時間的な緊迫性(という点で)は違うと思います。
県として最大限のことをやっているという認識ですが、被災者の方々からすると遅いじゃないかという、そういう認識があるのではないかと思っています。
実際に、一番行き詰まっている〔※時間がかかっている〕ことは、山間部で地権者が特定できなかったり、あるいは多数の地権者が存在して、用地取得の手続きに時間を要すること。これが1つです。
それから河川を掘削するんですが、その土砂をどこに持って行くかという搬出先を確保するための時間と、それから地元の声。例えば一番良い例が、我々は創造的復興ということで、流出した土砂を利用してバイパスを整備したいと思っていますが、バイパスを整備する中で、今度は用地取得とか地元の方々の合意、協議が必要ですので、そういう課題が出てくるのも確かです。
このようにたくさんの課題がありますが、今後とも、被災された方々の痛みを最小化するという観点からも、早期着工、完了を目指して、全力で取り組んでいきたいと思っています。
そういう意味で、三原則という1つの流れ、それがスピード感というものに相反するところがあったり、あるいは思わぬ権利とか、合意形成に時間がかかったりしています。
今のところ、発注率が公共土木施設計では全体で82.6%。平成25年度見込みでは83%までいけるという、そういう予定になっています。
ただ、私が一番心配したのは、まだ工事が完成していない上に大雨が降ることが一番怖かったんです。でも、幸いにして、もう梅雨明けしましたので、この梅雨の間に心配していました大水害が新たに今年も来るということは避けられたことで、大変嬉しく思っています。
これは別に我々の力でも何でもなくて、自然の力で、我々はそれに対してはお祈りするしかないんですが、とても良かったと思っています。
(幹事社)
すみません。関連してもう1つだけ。仮設住宅にお住まいの方がまだかなりいらっしゃいますが、先日各紙、新聞とかのアンケートで、まだ見通しが立ってない方が多いという話が出ていたんですが、その辺、もし県の方針として。
蒲島知事
県の方針は仮設住宅を建設した段階から、そのこと〔※仮設住宅を出た後の見通しが立つまでに時間がかかるかもしれないこと〕をちゃんと予想した上で、まずは痛みを最小化するということが一番大事ですから、第一原則ですから、仮設住宅は県産材で作る。それと仮設住宅の近くにみんなの家を伊東豊雄さんと共に2つ作ったということで、急ぎながらも安らぎの中で生活できるような形で、今、仮設住宅を建設したと。その流れの中にあるんです、今は。
つまり、痛みの最小化ということを考えれば、仮設住宅にずっと住みたいという方に、できるだけそれ〔※ずっと住みたいという意向〕に沿いたいと。
だから、被災者の方々の御意向に100%沿えるかどうかはわかりませんが、一生懸命沿いたい。そういうことで、被災者の方々の思いを大事にしたいというのが、我々の考え方であります。
そしてそのためには、被災者の方々の気持ちを聞かなくてはいけないという作業が残っています。2年経ったから「はい、どうぞ出ていってください」ということは一切考えていません。そういうことではなくて、最も被災者の方々が希望されること、それから被災者の方々の痛みを最小化できること(が必要なこと)であります。
ただ、内容次第では県だけではできなくて、阿蘇市との協調が必要であります。
だから今後、被災者の方々がどのように考えられているかということを(聞き)、それを最大限に受け入れるためにはどんなことが可能かということを、阿蘇市と協議して(進め)、機械的に2年になったから「はい、出て行ってください」ということは私は一切考えていません。そのために応急仮設住宅を、もっと何年も住めるような形で作っています。
(幹事社)
改修される可能性も考えていらっしゃるということですか。
蒲島知事
御希望があれば、そういうことです。
(幹事社)
はい、ありがとうございます。それでは各社さんから。
Q
知事、台湾の事なんですが、2,000人が来られるということは、それだけでも経済効果はある程度見込めると思うんですけれども、先にはその定期便の路線開設を考えておられるのかということと、4泊5日ということなんですが、簡単な行程を教えていただけますでしょうか。
蒲島知事
この34便で2,000人以上の方が、熊本空港にいらっしゃるということは、大変な経済効果で、それは将来の定期便に繋がるものではないかと思っています。
高雄市長が熊本にいらっしゃった際にも、そのことを話しましたし、私がまた高雄市に行って、高雄市長と様々なお話をした中で、まずはこのチャーター便で皆さんが熊本は良い所だなと思っていただければ、今度は定期便にも繋がるのではないかと、そういう狙いを込めてチャーター便のお願いをしたところであります。
私がくまモンを連れて台湾に行った時に、いっぱい(くまモンの)追っかけの方がいらっしゃったんですが、名刺を貰ってみると、そのうちの多くの方が旅行社の方で、かつ責任者の方が結構多かったんです。
だからそういう意味では、くまモンは旅行社の方々の心も掴んでいるのかなと(思います)。そういうことがありますので、これだけ熊本へのチャーター便ができたのかなと(思います)。去年から言うと2倍以上でしょうか。そして、将来の定期便(化)という可能性を秘めているということだと思います。もう1つ質問ありましたか。
Q
ツアーの行程をある程度。
蒲島知事
行程ですか。行程は私もはっきり分からないんですけど、今の段階では。熊本に全員2泊はして欲しいというような、そういう希望を述べている〔※申し入れている〕のではないかと思っています。それについてはちょっと観光課の方で。
【観光課】
はい、観光課でございます。
今回のチャーター便を使いましたツアーにつきましては、高雄市の旅行会社6社が関わっておりまして、4泊5日のツアーコースとなっております。
本県としては今、知事が申しましたように、熊本に最低2泊はするコースを働きかけているところですが、まだ最終確定ではございません。
県内では熊本城、阿蘇などを回り、北部九州の長崎や大分を入れたコース。それから南の方、鹿児島を入れたコースも作りたいという話もあっておりますので、県南の人吉ですとか、そういった所も回っていただくようなコースになるよう、今、働きかけを行っているところです。
Q
知事が日頃から、熊本の地理的優位性というのをおっしゃってますけど、ツアー商品でいうと、素人目で考えると、例えば福岡から入って鹿児島から出るとか、その逆とかですね、そういう九州を周遊するのであれば縦断というようなツアーがやりやすいのかなと、そういう点でいうと、逆に地理的優位性というのは発揮されないというふうに思うんですが。
蒲島知事
今、どう考えるかですが、最終的には道州制が実現して、九州全体で考えるということになれば、そういうことも可能性があると思います。ただ、現在のところ、私は熊本県知事ですから、熊本県民の幸福量の最大化のために何をするかということで、まず熊本に来てもらって、(そして)今の我々のPR的な言い方をしてみると、熊本に来ると県南の方も楽しめますよと。あるいは県北の方も楽しめますよと。だから両方のツアーが熊本を中心にできると。あるいは九州の北の方、北部九州を回りたい時も熊本は入るし、南部九州を回る時も熊本は入るという、そういう意味でロケーションとしては、特に観光としては、とてもいいんじゃないんでしょうか。
熊本に観光施設、観光のファシリティが全くなければ、ただの通過点になってしまうのでしょうが、そうではなくて、まず熊本で、阿蘇や熊本を、天草、人吉、様々なものを見て、そして北部九州に行ってもいいし、あるいはそれから南部九州に行ってもいい。そういう意味では、交通の要所としての熊本も、とても観光的に(魅力が)あるのかなと(思います)。それが次第に理解されつつあるのかなと最近は考えています。
Q
今の話の関連なんですが、知事よろしいでしょうか。今の話の関連なんですが、知事が先程日中関係が正常化していない中で、チャイナプラスワンに力を入れていかれるという話がありましたが、台湾に関しても尖閣の領有権を巡って紛争が起こっているという状況の中でですね、中国人旅行客の考え方、受け入れ方と台湾人旅行客の違いというのをどう知事は考えていらっしゃいますか。
蒲島知事
私は地方自治体としての交流の在り方は国とは違ってもいいと思います。国家間で摩擦が起きても民間外交、あるいは地方公共団体同士による外交を活発にやっていきたいと思っています。
そういう意味では、この観光というのは、国と国の政治が摩擦状態にあっても、やはり人と人の交流、あるいはこの台湾の高雄市との交流は地方公共団体同士の交流です。あるいは市長と知事との交流。そういうものが密接にないと、国がこうですからみんな(国に)従いますというのでは、とても(関係性は)脆弱だと思っています。
そういう意味では、私はこの二国間関係がうまくいっていない時でも、県知事としては、どんどん、どんどん民間交流、あるいは地方公共団体の交流を盛んにしたいと思って、それを一層進めているところです。
だから、台湾に行った時に、馬総統とも会いましたが、それはいろいろ、国と国の事を考えると、また違った問題点も出てくるかも知れませんが、私自身の最大目標は、県民の幸福量の最大化(です)。そのためにはこのアジアとの交流(も重要です)。
そして、「アジアとつながる」ということが、私の2期目の4大目標でありますから、それに向かって着々と進めていって、その成果がこの阿蘇くまもと空港への台湾からのチャーター便ではないかと思っています
Q
知事、すみません。くまモンの話にちょっと戻してもらって、今回のヨーロッパ訪問の成果についてひと言。
蒲島知事
偉大な成果だと思っています。ヨーロッパへの足がかり、最初の足がかりは多分、テディベアだったと思っています。このテディベアの成功が、これはヨーロッパでもいけるのではないかと(思うきっかけになったと思います)。そういう意味ではこれが始まったのが、ヨーロッパ戦略の1つの展開で、また同じ頃ジャパンフェスティバル〔※ジャパンエキスポ〕がパリであったと。フランスであったということでありますので、そこに出そうということ。これはどちらが早かったですかね、大体同じ頃ですか。テディベアの前ですか。
【くまもとブランド推進課】
はい、テディベアが最初です。
蒲島知事
テディベアが最初。やはりそういう意味では、テディベアのあの成功はきっとヨーロッパでも大きく取り上げられているのではないかと(思います)。少なくともビジネス的にはですね。それが、今回のバカラ社、あるいはMINIの歓迎。そういうことに結びついていると思っています。それから、パディントンベアの招待状というのも、やはりその成功がなければ、くまモンと言っても誰も知らなかったのではないかと(思います)。
そういう意味で、それぞれが生かされて、また増幅効果があって、それが大きく熊本、日本で報道されることによって、また日本の人達がくまモンを誇りに思う。そして日本全体がくまモンを誇りに思うことを、熊本県はより一層誇りに思う。
そういうミラー・イメージと言うんでしょうか、ヨーロッパでくまモンがすごく大事にされていることを、今度はアジアの人達も見て、ミラー・イメージとして皆さんがくまモンを好きになるという、そういう形を作ったということは、とても大きな成果ではないかと思っています。
Q
全然、話は変わるんですが、例の政府の復興予算の関係で、各自治体とかに復興予算が配分され、それがちょっと被災地とつながりが薄いような事業に使われていることが一部問題視され、政府の方がまだ今度は基金から残っているものは返還を求めるというようなところまで話がいっていると思うんですが、熊本県としては、それについてどのように対応しようと今のところ考えておられるか。
蒲島知事
一番大事なことは、元々そういう(被災地のみに限定した)復興予算関連ということで、予算が付けられたものではなくて、予算が付けられた段階では、熊本県としては、そのガイドラインに沿って適正に使っていたと。そういう意味で、急にこういうことになって驚いている、かつ困っているということが、適正に計画的に事業を執行してきた熊本県としての今の率直な気持ちであります。
最終的には国の返還要請には応じる方向になると思っていますが、今回のように、事後に一方的に制度変更して、返還を求めるという手法は、地方公共団体として必要な事業の計画執行に大きな影響を及ぼすことでありますので、もしそうなったら、代替の財源の確保を国に求めていくということになると思います。
後で制度が変わって返還を求めるという、その手法はとても困るんです。熊本県としても、多分、他の県も皆困っていると(思います)。ただ、その要請には応えざるを得ないので、必要な事業をするためには、代替財源の確保をすることがとても大事です。それを求めていくということになると思います。
Q
これは仮に返すとしても、議会で予算化して、議決をもらわないと返すつもりも返せないと思うんですよね。
議会筋としてこのやり方をどう受け止められるかという問題もあると思うんですけれども、その辺はどうなんですか。
蒲島知事
だから、国の方も、この問題点を理解してもらわないと困ります。当初から復興予算で対応すべきものと、通常予算で対応すべきものとを、明快に分けて措置しておけば今回のような混乱は起こらなかったと思います。
だから、今回の一連の問題について、国においても、どうしてこうなったかという、その検証(が必要ではないか)。それから被災地の復旧・復興をこれから進めていきたいという気持ちは皆、そうだと思うんです。だから、そうであれば最初からそういう措置を取っておかなければいけない。そういう措置を取っておけば、例えば県庁がそれに外れるようなことをすることは絶対ありません。
そういう意味では、議会に対して変更がある時には、その説明を当然丁寧にしなくてはいけませんが、一義的にいうと、これは国の事後的な制度変更にあると思っています。それは御理解いただけるのではないかと思っています。
Q
何か後出しジャンケンぽいですよね。
蒲島知事
後出しジャンケンというよりも、混乱が分かっているのに、あえてこれをするということですので、そうであれば、代替の財源はやはりちゃんと用意して、混乱が出ないようにするということが大事だと思っています。
はっきり言って知事としてどう思うかということ(について)は、大変困っていると。迷惑していると言った方がいいでしょうか。
いいですか。
(幹事社)
ありがとうございました。
蒲島知事
ありがとうございました
(以上)