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平成20年12月 3日 知事定例記者会見

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0006439 更新日:2008年12月3日更新

日時:平成20年12月3日(水曜日) 午前10時から
場所:知事応接室

発表項目

質疑応答

コメントする蒲島知事の写真

不適正経理処理問題について

(幹事社)
 それでは、まず、知事の方から、今日の報告についてよろしくお願いいたします。

蒲島知事
 今日は4つの報告事項があります。
 まず、第1に先月末に判明いたしました不適正経理処理に対処するために、内部調査委員会を12月1日に設置しました。
 早速、昨日第1回の委員会を開催し、調査に着手しているところです。
 調査内容については、これから詳細を詰めていくことになりますが、内部の調査に加え、物品調達先である納入業者などにも調査を行い、徹底的な調査を実施いたします。
 また、弁護士や公認会計士等をメンバーとする外部調査委員会も設置し、12月中のなるべく早い段階でスタートさせます。
 そして、まず、そのような預けがあるのかないのかの実態調査を1月中までには終えたいと考えています。
 私からも全職員の皆さんに対して、自分の思いをメールで伝えたところです。
 そこでは職員の皆さんに、これが最後の機会だと思って正直に申告してほしいこと、もしこの機会に申告しなかった場合、以後の調査で判明した場合には厳正に処分することも併せて伝えました。
 今後、このようなことが絶対起きないように、私自身も強い気持ちでこの調査に臨みたいと思っています。

川辺川ダム事業について

蒲島知事
 2番目は、「ダムによらない治水を検討する場」についてお知らせいたします。
 私と金子国交大臣の10月28日の会談時での合意事項に沿って、事務方で重ねてきた打合せを踏まえ、県と九州地方整備局は、「ダムによらない治水を検討する場」の枠組みについておおむね合意に達しました。
 まず、「検討する場」の目的は、川辺川ダム以外の治水対策の現実的な手法について、極限まで検討し、地域の安全に責任を負う者の間で認識を共有することです。
 主な構成メンバーについては、国の方が九州地方整備局長・河川部長、熊本県の方は私・理事・土木部長、流域の市町村については市町村長です。
 また、必要に応じ学識経験者の意見を聴くことも考えています。
 今後、国と県とが、共同で検討を進める前提となる検討事項や、検討の具体的な進め方についてさらに詳細を詰め、市町村との調整を図った上で、合意を得られた段階で改めて正式にお知らせします。

県有施設のネーミングライツ・パートナーの募集について(PDFファイル:29KB)

蒲島知事
 3番目は、「ネーミングライツ」についてです。
 このたび県では、県有施設の命名権者、いわゆるネーミングライツ・パートナーとなる企業を募集します。
 去る10月14日、ネーミングライツに関する基本方針を公表するとともに、県民、企業の皆さまからご意見をいただくためアンケート調査を実施いたしました。
 調査結果の概要は、本日の資料の裏面に参考としてお配りしております。
 県民アンケートでは賛否様々な意見が寄せられ、また、企業アンケートでは7社から「関心あり」との回答をいただいております。
 財政再建に向けて新たな歳入確保を図るため、アンケート結果等を踏まえて検討した結果、今回、KKウイング、パークドーム熊本、藤崎台県営野球場及び県立総合体育館の4つの施設についてネーミングライツ・パートナーの募集を行うことにしました。
 なお、募集対象施設の絞り込みや命名条件の設定に当たり、アンケートでいただいたご意見を参考にさせていただきました。
 募集期間経過後、応募内容について選定委員会の審査を経て決定いたします。
 ぜひ、多くの企業に応募していただき、県民が親しみやすい愛称をつけていただきたいと思います。詳細については会見後、担当課にお尋ねください。

県産オリジナル「ひのしずく」の本格出荷について(PDFファイル:397KB)

蒲島知事

ひのしずくとひのしずくを使用したお菓子の写真

 最後になりましたが、今回は熊本県のオリジナル品種で、国内外の市場で高い評価をいただいている「ひのしずく」をトップセールスの一環として、この場をお借りして紹介いたします。
 皆さんのお手元に「ひのしずく」と、それから「ひのしずく」を活用したお菓子を置いておりますので、まずはどうぞお召し上がりください。
 私も1つください。
 皆さんの食べる時間を取るために、私も食べますので。
 これいいですかね。
 まずは食べてください。そうでないと喋れないので。
 とてもおいしいでしょう。
 これは外さないで持ったまま食べた方が食べやすいですよ。
 皆さん食べたら分かったように、とてもおいしくて甘くて、香りもしっかりしています。
 だからこの「ひのしずく」を食べる時には練乳などをかけずに、まずはそのまま食べてイチゴそのもののおいしさを楽しんでください。

コメントする蒲島知事の写真

 この「ひのしずく」は、現在国内外に向けて出荷しており、ともに高い評価を受けています。
 香港への輸出は大きさや甘さが高く評価され、本年度は昨年度の2倍を出荷する計画となっています。
 また、熊本市水道町の商店街では、「ひのしずく」を使ったお菓子を開発・販売しながら、「ひのしずく」をPRする取組みが進められております。
 これは農商工連携の取り組みとしても注目されているところです。
 今後もさらなる高品質化に向け、生産技術を磨きながらブランド力の強化に力を入れていく所存です。
 以上が4つの報告です。

県産オリジナル「ひのしずく」の本格出荷関連

(幹事社)
 ありがとうございました。
 今日は、この不正経理の問題と、それから川辺川ダムについては、各社いろいろご質問があると思いますので、まず、それ以外のネーミングライツの話と「ひのしずく」の出荷について、ぜひこれを知事に、今、聞きたいということがあれば、まず。ありますか、何か。

蒲島知事
 「ひのしずく」は別に質問しなくてもよろしいですので、宣伝していただければ。

(幹事社)
 じゃ、よろしいですかね。じゃ、幹事社の方から・・・。あ、あります。どうぞ。


 イチゴは、福岡の「あまおう」とかですね、他、関東とか東海とか、いろんなところ、ライバルがあると思うんですけれども、知事として、「ひのしずく」、どういうふうに優位性を訴えていきたいとお考えですか。

蒲島知事
 「ひのしずく」の方が、福岡の「あまおう」と比べると、どのくらい市場の評価があるかというのを、ちょっとご報告させていただきたいと思います。
 海外で、特に香港でのですね、販売の価格。これは向こうでどのくらい評価されているかということになりますけれども。「あまおう」がですね、1パック1,092円。しかし、「ひのしずく」は1パック1,330円となっています。
 だから、海外での評価は、とても、この「あまおう」を抜いていると。そういう意味では「ひのしずく」は、とても県の誇る名産物ではないかなと思っています。
 それから、食べたら分かりますけれども、もうすぐとりこになるぐらいおいしいものです。

地方分権関連

(幹事社)
 他はよろしいですか。
 ではですね、不正経理と川辺川ダムは後から全社一同ということでやって、今日は1点だけそれ以外で、まず幹事社の方から質問をさせていただきます。
 地方分権に絡む、ちょっと全国的な話ですけれども、昨日、地方分権推進委員会が開かれて、今後、国から地方への権限移譲に関してですね、規制を、千以上だったと思うんですが、撤廃しようということで裁量を地方に任せようということで、これかなり、今後、霞が関の抵抗が予想されると思うんですが、そのことに関してどのような所感をお持ちかという点が1点と、併せてですね、もう1つ、分権をやるにあたって、具体的に国道と河川の移譲についてもこの中では話し合われています。
 今、熊本県にある九州の分としては、国道に関しては、20キロぐらいの現国道が旧国道になる分ですよね。バイパスが開通することに伴って、その20キロと、河川に関しては4つの1級河川、球磨川も含めて、あるんですが、これに関しては、国からの移譲はゼロということで、国交省は、今考えているみたいなんですが、これは、今後検討されている球磨川をどう考えるかという、この治水にも十分関わってくるんですが。
 主に規制の部分とですね、具体的に国交省から移管される河川と国道の部分に関しては知事はどのような、今、所感を持っておられるのかということに関して、まず、ちょっとお願いできますでしょうか。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 地方分権の観点から言えば、地方のことは地方でと、特に、地方行政を担当してみると様々な条件が付いている。例えば、幼稚園だとこれだけの広さがなければいけないとかですね。それはやっぱり、都市によって、それから地方によって随分違うんだろうなと思っています。
 だから、そういう条件緩和と、多分半分ぐらいの条件を緩和したらどうかというふうな報道がされていますけれども、その方向性についてはとても歓迎するところです。
 具体的に河川とか道路についてですけれども、まだ、県に対して河川については示されていませんが、これは本当に財源がくるのか、それから人も来るのか、どんな形で移譲されるのかという徹底的な議論がされる前にですね、この川は移譲してほしい、この川はそちらで引き取ってほしいとかですね、そういう議論がされるのは大変危険ではないかなと思っています。
 かつて三位一体の改革の時に、地方への権限移譲とともに財源がこなかったために、今の大きな地方財政の問題が出ています。
 熊本県もそれによって苦しんでいます。
 そういう意味で、今後さらに条件とか、財源とか、人材であるとか、その方法であるとか、そういうものを含めながら河川の問題と道路の問題というのは、両方で、国と地方で考えなきゃいけないかなと思っています。
 県によっては積極的に権限移譲を望むところと、そうでないところの濃淡は当然あります。
 その濃淡は恐らく全ての人が分権を望んでいらっしゃると思いますけれども、その方法、規模、そういうことに対して、やや危惧感を持っていらっしゃると、熊本県もそういう危惧感はありますけれども、そういうふうな意味で、今後の詰めですかね、特に財源と人材、方法、期間、そういうことを詰めながら、気持ちとしては積極的に地方分権を進めていくべきだと。これは私の意見でもありますし、全国知事会の意見でもあります。

(幹事社)
​ では、ひとつだけ、関連で伺います。
 とはいえですね、例えば、球磨川の問題を考えた時に、この際であればいっそのこと、他県の佐賀なんか非常に積極的ですよね、いっそのこと球磨川もですね、人も金も、九地整の人ぐらい全部熊本県が引き受けるぐらいで、自分のところで河川管理するから、ダムによらない治水も考えようというようなことを、周りに、全国知事会あたりで知事が率先して、例えば、関西でもそういう動き出ていますが、それぐらいのことを言われてということも、1つとして、考え方あるかと思うんですが、その辺までは慎重でいらっしゃいますか。

蒲島知事
 さっき言ったように、財源、それから人材、それからもう1つ球磨川で考えなきゃいけないことは治水が難しいと。洪水の場合の。国でないと対応できないような規模の治水対策、それともう1つは洪水の場合の対応策ですね。そういうこともありますので、球磨川を熊本県が引き取るべきだと、この段階で言うということは考えていません。
 やはり、きちっとウラを詰めて、財源、人、時間、それからどういう形、そういうものの情報がない中で勇み足になるということは、やっぱり責任ある県知事としては、今は考えていません。

不適正経理処理問題関連

(幹事社)
 じゃ、こっからは各社自由ということでやりますんで、よろしくお願いします。どうぞ。


 よろしいですか。不正経理の問題で、さきほどですね、この機会じゃないと厳正に対処されるというふうにおっしゃられましたが、今の段階で明らかにした場合と、その後明らかになった場合と、処分の違いというのはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。

蒲島知事
 私が職員の方に言ったのは、このような形でメールを差し上げました。
 「このような不適切な経理処理が明るみに出て、全庁的に調査を行うようなことは、今後最後にしたいと。ここで全部明らかにして、最後にしたいと。そこで、職員の皆さんこれが最後の機会です。正直に申告してください。
 もし、この機会に申告せず、以後の調査で判明した場合には厳正に処分します」ということです。それを全職員の方に今日メールをしました。


 だいぶん違いが出てくると考えてよろしいですか。

蒲島知事
 違いが出てきた時に様々な形があると思いますので、いちがいに、こう違いがあるということを、一律的に言うことはできません。
 ただ、以後の調査で判明した場合は、厳正に処分しますというのが私の断固たる態度です。


 逆説的に聞けば、今回の調査で申告された方は処分をされないということになるんですか。

蒲島知事
 そうは言っていません。ただ、以後の調査で判明した場合は、厳正に処分しますというのをどう捉えるかということだと思いますけれども。


 それは、今は、それはそれとして規定に則して処分はするけど、今後、仮に今回出なかった場合に、さらに厳罰というか、ペナルティを課すという意味でよろしいんですか。

蒲島知事
 私は、皆さんもご存知のようにマニフェストで、この裏金の調査をするというものを約束しました。
 それで確かに7月にこの調査を行いました。
 そして、調査方法についても、私が理解する限り、適切な方法だというふうに信頼しておりました。
 ところが、実際に「預け」という形ですけれども、それが今回明らかになったわけです。
 だから、私としては、とても裏切られた気持ちです。
 ただ、私は職員の方々が本当に一生懸命に仕事をされていることを知っていますし、そのことを知事として誇りに思っています。
 だから、そういう意味では、憤りというよりもとても悲しい思いをしました。
 だから、こういうことが二度と起こらないというためには、この機会しかないと。事が起こった限り、この機会を、逆境ですけれども、その中に、「逆境の中にこそ夢がある」といいますので、とにかくこの逆境を乗り越えて、これ以上のことがもう出てこないと、今回で終わりだという決心のもとに、最後の機会だと、正直に申告してくださいと。
 この機会に申告しなかったら、以後の調査で判明した場合、厳正に処分しますというメッセージを出しました。
 そして、今日4時半から全幹部職員を集めて、私の口頭で直接メッセージを伝えます。


 取引業者に対してですね、今回調査に入られると思いますが、業者に対しては別に、県としての捜査権というか、権限をもって調べることはできないと思うんですが、この点に関して知事としてですね、どういった姿勢で臨まれるのか、あるいは、具体的な手法としてどういうことをお考えでしょうか。

蒲島知事
 具体的な手法については関係の課長から答えさせますけれども、やはり不適正経理処理の問題で、今回調査で出てこなかった1つの原因としては、関係業者の方々まで調査が及ばなかったというのが、今回、先月末に判明した「預け」の問題ですね。
 だからこのことから、県庁内部だけで調査しては、徹底していないなということが明らかになりましたので、内部調査委員会と外部調査委員会一体となってですね、業者の方にも調査を行おうと思っています。
 強制権がないんじゃないかということもありますが、捜査権もないんじゃないかというご質問ですけれども。関係業者の方々は信頼感と、それから誠実さをもって県と商取引を行うためには、同じような気持ちで、この調査に答えていただくと確信しています。
 方法について、すいません。

〔人事課〕
 人事課でございます。
 今、知事の方からお話がありましたけれども、今回物品納入業者に対する調査票を配付しての調査、そして、聞き取り調査を考えておりますけれども。確かにさきほどおっしゃられましたように権限をもっているわけではございませんが、そういう中にありましても、いろいろ登録をして、いわゆる納入業者としての登録も県の方にしていただいております。
 出納局と連名でそういった調査を行うということで、我々としては、納入業者の方々もできるだけの協力はしていただけるものというふうに思っているところでございます。

蒲島知事
 私がですね、昨日の第1回の委員会の報告を受けたところですね、具体的には知事部局においては経理帳票の確認ですか、それから過去5年間の在籍者からの聞き取り調査、そして物品納入業者の方々からの聞き取り調査、両面からこれが徹底的に調査されるということを聞いています。


 知事、すいません。1点だけ。昨日ですね、この問題でオンブズマンの方々が来られて、その中で主に2つあったと思うんですけど。1つは、なぜこの委員会のトップに自ら知事が立たないのか、他県では要するにこういうものは知事が直接指示を出すという点が1つと、もう1つは、さきほど知事もおっしゃいました、内部の調査に限界があったので、こういう事態が起きている以上は、外部の調査委員会というのをまずきちんと組織して、その人達が指示系統を、要するに県の職員の人を補助に使って調査をするぐらいの形でやらないときちんとした成果はあがらないんではないかというような指摘もあったんですが、その点に関して知事はどのように・・・。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 知事がトップに立つべきかどうかということに関しては、非常にそれは名目的なもので、実際、私はこの問題が起きた後、大変悲しみ、そして遺憾に思っています。
 その意向を受けてというよりも、もう自ら庁内のほうが、これ以上知事を悲しませてはいけないという、そういう何というんですかね、下からの盛り上がりというのが出ています。
 それで、これだけ早いスピード感で、今、庁内の調査委員会ができたのは、その盛り上がりだと思います。
 私はずっと教育者でしたから、上から何かを言って決まるものではありません。上から高圧的に言ってものができるわけではありません。
 やはり、学生であるとか、あるいは、今の立場であれば庁内の方々自らが、これはどうかしなきゃいけないという、そういう自覚、感情、それを持つことが一番大事だと思っております。
 そういう意味で、今回、庁内からの盛り上がりで、ものすごく早い時期にですね、これを解決しなければいけないという気持ちが盛り上がったのは、私はとても嬉しく思っています。
 ただ、今、オンブスマンの方がおっしゃったように、それだけでは完結しないでしょう。まず、例えば、前回の調査ではマニフェストに沿って私自身が調査を求めたものです。
 でも、それでこういう問題が起こったことですから、まず第1に内部からそういう気持ちになるのが今回の1つの条件。
 それだけでは不完全で、外部の目が必要だというので、庁内の調査委員会とともに外部委員会も、弁護士、それから公認会計士の皆さまとともに、それを追求していく、あるいは検証していくというものであります。
 それから、やはり、知事の顔が見えないということもありますけれども、私自身は今日すべての職員に自ら筆をとってメッセージを伝えました。
 そして今日の4時半から、課長以上の幹部職員を集めて、私自身の思い、悲しみ、それから怒り、そういうものを伝えたいと思います。
 それが、本当に3者ですね、庁内の自らの問題として考える当事者意識、それから、この外部委員会における検証、そしてトップの決断、それから決意、この3つが揃って初めてこういう問題を解決できるものと考えています。
 だから、単に知事が名目上本部長になったからといって、こういう問題が完全に解決すると思っていません。
 そういう面からいうと、私は今回は理想的な形で調査委員会、そして外部の調査委員会、トップの決意、そして県庁職員の方々の自らの自覚、これが頂点に達していると思っていますので、こういう形の調査を、さきほどメッセージでお伝えしましたように、最後にしたいと思っています。

川辺川ダム事業関連(1)


 すいません、ちょっと話題変わるんですけれども、川辺川ダムの話でひとつ、昨日の会議についてですね、まだメンバーも、流域の首長さんも固まっていないので分からないんですけれども、多分これやったことがないような場になると思うんですよね。事務局もないし、誰がリードしていって、どんな、あれをやるのかというのが正直見えないんですけれども、流域市町村もはっきりはダムを必要というところ、必要でないというところバラバラですよね。首長さん達が集まって、この場をもって果たしてどういう会議になるのか、イメージがよく分からないんですが、どういう形でそこは、今、お考えありますか。

蒲島知事
 今、おっしゃったように、多分、日本の政治の中でもあんまり経験のない、そのような、今は、状況が起こりつつあるのかなと。究極の地方分権ですけれども、これまでは国が統一した基準ですべての都道府県、市町村に、一種の条件のもとに工事を進めたり、あるいは行政を行ってきたわけですね。
 今回の私の表明というのは、ダムによらない治水対策を極限まで検討したいと。それに関して国の方から、その方向でダムによらない治水を極限まで考えましょうと、県も考えてほしいということでした。
 その協議の場が今回求められたという意味では、私は大きな前進だと思っています。
 これからどのようにそれを運営していくかというのは、実際、まだこれから模索していかなければいけないでしょう。
 それから、おっしゃるように、市町村長の間でも完全に意思統一されているわけではありません。
 しかし、1つだけ確かなのは、ダムを前提としない治水対策を、国も県も市町村長も一緒に考えようと。そこで出された結論のもとで、治水対策が行われる可能性がとても高いと私は考えています。
 だから、これは国と県と市町村の能動的な参加と創造的なアイデア、そして国が持っている大量のデータですかね、だから、そういうことで、県としてはどしどしアイデアを出して、すべてのデータを持っている国の方にその検証なり、それから治水対策なりを出してほしいと思っています。


 今のと関連してお尋ねしますけれども。仮にですね、この検討の場で、仮定の話で恐縮なんですけれども、例えば、いろいろ追求していった結果、ダム以外で治水を球磨川で行うのは、例えば、無理だというような結論がもし導き出された時に、例えば、今ある80分の1という治水安全度も含めて、どのような治水対策をやっていくのか。あくまでも知事としてはダム以外の治水対策でやっていきたいという、そこにこだわられるのか。その辺の見通し、お考えというのはいかがでしょうか。

蒲島知事
 私は、最初から、ダムによらない治水を極限まで追求してほしいというのが現在の民意であると、私はそういう意味で今回の決断をしたわけですから、ダムによらない治水を前提としていますし、それから協議の場を設けた時の国交大臣との合意も、ダムを前提としない治水対策を検討する場ということを確認しておりますので、そういう場であるということですから、今の質問については、ダムを前提としないということです。


 これはダムによらない治水対策の協議の場ということなんですけれども、五木村のですね、振興について、別途こういう協議の場を設けるおつもりがあるのかどうか。

蒲島知事
 五木村の振興については、これと別途協議の場を設けていきます。
 それで、五木村振興については、一部行政側から、ダムによらない場合は、ダムによる治水によるプロジェクトはできないんじゃないかという声が出ていますけれども、私は、それは福田首相とも確認しましたし、それから金子大臣とも確認しましたけれども、五木村振興については見放さないという、政治的な決断ですけれども、政治的な決断のもとに五木村振興対策は県も国も一生懸命やらなきゃいけないと思っていますし、それはやる決意です。


 具体的に、どういう期間で、いつごろそういうのを立ち上げると考えていらっしゃるのか。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 これは、今、国とですね、日程についても検討中ですので、具体的にいつというのはこの段階では言えません。
 それで、治水対策については既に合意が形成されましたから、早い時期に始まると思いますけれども、その時期を、今、この場ではちょっと言えませんが、明らかになった段階で皆さまに公表します。


 それは、合意はしているけれども、詳細は詰まっていないということなのか、県としてはその意向を持っているということなのか、どちらなんでしょう。

蒲島知事
 これは、早急に五木村の振興についても早い時期にやらなきゃいけないと。具体的なスケジュールについては、予算の都合とかいろいろありますので、私は、早い時期にやらなきゃと思っています。
 まだちょっとこの場でいつということは…。


 今の質問は、国が基本的に了解をしているかということなんじゃないでしょうか、それをどう知事は認識していらっしゃいますかということじゃないでしょうか。

蒲島知事
 別途、五木村の振興に関して、場を設けるということに関しては、今、私としての認識はそう・・・。
 ちょっと、これは非常にあれです。担当の方から、現在の状況について。

〔川辺川ダム総合対策課〕
 ダム対策課です。
 現在の状況につきまして、国の方から協議を行いたいという話があっておりますので、まずそのお考えをお聴きして、県の中でどういうふうに臨むのかということの検討を重ねる必要があるというふうに考えているところでございます。


 なんか、よく分かったような、分からないような。

蒲島知事
 正確に言うと、今の、という・・・。


 いわゆるダムによらない治水対策と五木振興。この2つは常に言われているところですけれども。あの流域の対策としてもう1点、いわゆる洪水との共生といいますか、避難体制とか防災体制、それをどう新しい形の観点、あるいは都市づくりといいますか、そういったものを片一方で進めていくか、その見通しが立たないことには、ダムによらない治水対策も果たして実現するかというところもあると思うんですが、その点についても、例えば、検討の場とかですね、今後の方向性というのはいかがでしょうか。

蒲島知事
 ダムによらない治水を極限まで進める中には、ハード対策とソフト対策が入っています。
 そのソフト対策の1つとして、避難体制の確立であるとか、そういうソフトの部分ですね、それもダムによらない治水の協議の場で、市町村長も含めて検討されるものと思っています。


 この点も今後の協議の場のテーマになってくる・・・。

蒲島知事
 はい、それまで入れて、どこまでの治水が可能かということになると思います。


 知事、すいません。協議の場で、どうしてもやっぱりダムによらない治水というのを最優先というふうにお考えになられるということであれば、場合によってはですね、いわゆる安全度を下げることを地元として受容するというか、受け入れる、そういう判断もあり得るということですか。

蒲島知事
 それは、その協議の場で、極限までどこまで可能かという議論の中で検討されるものと思います。


 一応、時間が過ぎているので、あとどうしてもというのは。あと1、2問だけでも。

蒲島知事
 すみません。あと1問だけでよろしいですか。


 ちょっと、知事。今日、知事会見もありますし、明日から議会も始まりますので、昨日の晩、いろいろ読み込んできたんですが。先だって策定されまして、今度上程される「4ヶ年戦略」ですね。知事も、今後の蒲島県政を運営していく指針、方向性ということで、大変重要視していらっしゃるかと思うんですけれども。その中でですね、今の川辺川ダムに関係してですね、パブリックコメントという、県民の皆さんに「4ヶ年戦略」のですね、意見を求められる手続きを終えて、先週第3回の委員会が開かれて、今度上程される原案がまとまっているんですけれども、川辺川ダムに関する喫緊の課題というところの表現が、ずーと読んでいたんですが、パブリックコメントの前は、このように書いてあるんですね。「住民ニーズに応える、ダムによらない治水のための検討を極限まで追求する」、まさに、今おっしゃったことですね。それが、策定委員会に提出されてまとまった案を拝見しますと、「今後の治水対策のあり方について国と県で一緒に検討します」というふうに表現が、どうも変わっていらっしゃるように、読んでて、正に一目瞭然だったんですけれども。これは、何か、知事から、何か、こう、表現をこのようにしてほしいとか、そういう指示があったんでしょうか。何で変わったのかというのを、ちょっとお尋ねしたいんですけれども。

蒲島知事

記者からの質問に答える蒲島知事の写真

 私の認識は、変わっておりませんけれども。さっき言ったように、国と県でダムによらない治水を極限まで追求するという、その意味だと、とっていますけれども。その表現がそうなっているということですけれども、確認したいと思います。


 それは、何か、言葉だけとらえるとですね、「極限まで追求する」という、すごく知事の思いというのが、今お話しをうかがってよく分かるんですけれども。県政運営のベースとなる「4ヶ年戦略」に盛り込まれた言葉の表現としては、なんかちょっとトーンダウンされたのかな、というような印象を少し受けたんですね。

蒲島知事
 全然トーンダウンしていません。私が今伝えているとおりです。


 何で、表現が変わったんですか、ちなみに。すごく素朴な質問なんですけれども。

蒲島知事
 そこまでですね、私も…、まだ…..。

 それ、ちょっと勉強させてもらいます。

路木ダム事業関連


 すいません、1点ですけれども。ダムでも、ちょっと違うダムで、路木ダムについてなんですけれども。先日、知事は県営荒瀬ダムをですね、費用面から存続というかたちで選択されたわけですけれども、そういうことで選択したのであれば、90億近くかかる路木ダムについてもゼロベースでですね、妥当性を見出すというふうなお考えはありませんか。

蒲島知事
 今、検討委員会の方で、評価委員会の方ですか、その報告がされると思いますので、それをまず検討すると。
 路木ダムについては、評価委員会の判断をベースにやっていきたいと思っています。


 結果があがってきてですね、造るということになった時に、その時に、財政面ということで考えた時に、ゼロベースで考えていくと知事が判断を下す他ないなと・・・・・。

蒲島知事
 そこまで今日はお答えできませんけれども、その報告書をまずいただきたいと思っています。

川辺川ダム事業関連(2)


 すいません、もう1点だけいいですか。

(幹事社)
 ほんとに、すいません、最後で。手短にお願いします。


 すぐ終わります。川辺川にちょっと戻るんですけれども、昨日の九地整の局長は、なるべく早く年内にも、ということで、第1回の協議の場を設けたいとおっしゃってましたけれども、知事としても、年内、例えば、12月議会が終わってすぐとか、そういうイメージで知事は考えていらっしゃいますか。

蒲島知事
 はい、12月中にやりたいと思っていますし、多分、国交省の方もそうだと思います。


 議会が終わり次第というような。

蒲島知事
 議会終わり次第か分かりませんけれども。そのスケジュールについては。ちょっとここでは…。

(幹事社)
 じゃここで終わります。

蒲島知事
​ どうもありがとうございました。

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