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本講座では、くまもと農業アカデミーの構成機関の一つである東海大学から、農業者向けの話題を紹介します。
担当講師 東海大学農学部 農学科 教授 村田 浩平 氏
世界的な人口の増加と食生活の変化は、大量の化学肥料と有機合成殺虫剤をはじめとした農薬の多用によって高い収量を目指した「緑の革命」の恩恵面を吹き飛ばし、単一品種栽培や農業生態系の撹乱、農業の工業化による農村の荒廃を東南アジア諸国に残した。さらに、地球規模での気候変動や地域紛争の激化は、世界的な食料の安定供給に暗雲をもたらすに至っている。現在、世界の殆どの国で耕地面積の劇的な拡大は望めず、地力の低下と農業用水の安定確保の問題などにより、多くの作物で単位面積当りの収量は限界に達している。
本講義では、農学とは何かについて解説すると共に、農学とは農業従事者だけの学問ではないこと、農学とは文明そのものであるという観点から、捉えどころがないともいわれる農学という学問を学ぶ意義、世界の農業、地域の農業の未来について考える。
本講座はYouTubeを利用して配信しています。