熊本県

熊本地震犠牲者追悼式

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知事式辞及び御遺族代表のお言葉

県下に未曽有の被害をもたらした熊本地震の発生から4年が経過しました。
県では、傷ついた熊本を再び元の姿に復活させ、発展させるために県民の皆様と歩みを進めて参りました。
現在、新型コロナウイルスという大逆境の中にありますが、県として、今後も災害に負けない郷土づくりを進め、県民の方が夢や希望を持ち、安心・安全に暮らすことができる熊本を築いていくため全力で取り組んで参ります。

4月14日(火曜日)の「熊本地震犠牲者追悼式」の蒲島県知事挨拶と、御遺族代表のお言葉を動画で紹介します。


知事式辞御遺族代表のお言葉
 

知事式辞

熊本地震犠牲者の追悼式に当たり、犠牲となられた方々に対し、熊本県民を代表して、謹んで哀悼の意を表します。

県下に未曽有の被害をもたらした熊本地震の発生から、4年が経過しました。今年の追悼式は、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、このように規模を大幅に縮小しての開催となりました。御遺族をはじめ関係者の皆様に大変申し訳なく思っています。また、感染拡大防止に御理解と御協力をいただき、深く感謝申し上げます。

4年前の平成28年4月14日、16日の2度にわたる震度7の激震により、私たちのふるさとは大きく傷つきました。被害の大きさを目の当たりにしたとき、言葉を失ったことを今でも鮮明に覚えています。この地震により、災害関連死を含め、272名の尊い命が失われました。かけがえのない家族を奪われた御遺族のお気持ちをお察ししますと、4年の歳月が経過してもなお悲痛の念に堪えません。改めて、心からお悔やみを申し上げます。

私は地震で傷ついたふるさと熊本を再び元の姿へと復活させ、更に発展させることが、与えられた最大の使命と思い定め、この4年間、県民の皆様と歩みを進めて参りました。

特に、住まいの再建については、心の復興につながる最優先課題として全力で取り組んで参りました。本年3月には1,715戸全ての災害公営住宅が完成し、仮の住まいからの入居が進んでいます。ピーク時には約4万8千人おられた仮設住宅入居者のうち、自宅を再建された方などを合わせると、9割を超える約4万4千人の方々が既に新しい住まいでの生活を始めておられます。

また、国や関係者の多大なる御尽力により、国道57号や阿蘇大橋ルート、JR豊肥本線といった阿蘇へのアクセスルートの全線開通も近づいてきています。

益城町の復興まちづくりについても、県道熊本高森線の4車線化がモデル地区の一部完成により、復興後の姿が目に見える形となり、住民の方々の安心感に繋がるものと感じています。

発災直後からこれまで、県民の皆さんの頑張りと、国をはじめ全国の自治体、さらには、国内外の多くの皆様からのたくさんの御支援、励ましにより、熊本の復興は着実に進んでいます。

一方で、今なお3千人強の方々が仮設住宅での生活を余儀なくされています。県としても、お一人おひとりの状況やお気持ちにしっかりと寄り添い、最後のお一人まで責任を持って支援して参ります。

南阿蘇村にある東海大学の旧阿蘇キャンパスは、この地震で地震断層が地表に現れるとともに、全ての校舎が使用できなくなるほどの甚大な被害を受けました。

当時の1年生は、入学後すぐに熊本地震に遭い、様々な思いの中、皆で励まし合い、この地震を乗り越えてこられました。その学生の皆さん達が、今春無事に卒業を迎えられましたが、今回の新型コロナウイルスにより、卒業式が中止となりました。そこで、南阿蘇村の住民の方が学生の門出を祝おうと、はなむけの言葉が凝縮された手作りビデオメッセージを卒業生たちに送られました。「黒川地区での下宿生活は、たった2週間だったけれど、私達には4年以上に感じた」、「卒業後も南阿蘇村にまた遊びに来てほしい」といった心温まるメッセージに接したとき、熊本地震を共に乗り越え、より強固になった学生との絆を感じ、大変心を打たれました。

熊本地震を風化させることなく、次の世代に確実に引き継ぐことは、熊本地震を経験した私たちの責務であります。現在、県では県内各地に残る震災遺構等を巡る回廊型の震災ミュージアムの実現に取り組んでいます。この東海大学の旧阿蘇キャンパスも、熊本地震の経験や教訓を後世に伝承する場として、これから生まれ変わります。

今、私達は新型コロナウイルスという大逆境の中にありますが、熊本地震を通して、より深まった県民の絆と力強いパワーで、必ずや再生を成し遂げて参ります。

改めて、災害に負けない郷土づくりを進め、県民が夢や希望を持ち、安全・安心に暮らすことができる熊本を築いていくことを、御霊前にお誓い申し上げます。

結びに、国内外からのこれまでの御支援に改めて深く感謝するとともに、犠牲となられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げ、追悼の言葉といたします。
(令和2年4月14日 熊本県知事 蒲島 郁夫)

御遺族代表のお言葉

新型コロナウイルスという脅威への厳戒態勢の中で、熊本地震の発生から4回目の追悼式を迎えました。
当たり前と思っていた日常がいかにもろく、だからこそ貴重であるという事を改めて感じながら、遺族を代表して、追悼の言葉を申し上げます。

4年前の4月16日、私たち家族は、もう2度と立ち上がる事が出来ないと思う程の痛みを受けました。いつものように家族で団欒し、いつものように就寝した後、家族との永遠の別れが、突然、訪れたのです。

激しく、長い揺れに為す術は無く、家が崩れ始めた時には、生まれて初めて、死を覚悟しました。大きな音を立て、家が崩れてしまった後の静寂の中、ガレキをかき分け、両親と妻と子どもたちを、必死に探しました。
幸い、母と子どもたちは無事で、生死を彷徨う程の大ケガを負った妻も、周りの手厚い協力のおかげで一命を取り留めました。しかし父は、残念な事に、助かりませんでした。

あの日から、私の人生は、まったく別のものに変わりました。父の死や妻の治療など、自分の力ではどうする事も出来ないと思うことに、真正面から向き合わなければならなくなったのです。ただ、そんな日々の中で気付いたこともあります。それは、今まで何十年も共に暮らした、地元、西原村の人々の支えです。

私が悲しみのどん底に落ち、涙一滴すら出なくなり呆然と過ごしていた時、地元の仲間が「お前が気張らにゃどがんすっとか!」と背中を押してくれました。あの一押しがなかったら前に一歩も進めませんでした。
また、復興へ貢献したいという思いだけで会社を立ち上げた際、身一つで何もなかった自分になぜか一人、また一人と協力してくれる仲間ができ、全てがなくなったあの場所を一から作り上げることができています。

思い返せば地震後の混乱の中、何度励まされた事か。本当に色々な形で私は支えてもらっていました。
改めて、懸命に救助活動にあたっていただいた皆様、被災者の支援と復旧・復興を応援してくださった全ての皆様に心から感謝申し上げます。

私は建設業に携わっており、地震後の災害復興のため、熊本市や益城町、南阿蘇村などの被災地へ行く機会があります。私と同じように被災をされた方から、当時の大変だった様子や現状を伺うと、この4年間、私だけでなく、誰もが迷い悩みながら、復興へ前進している事が分かりました。

まだまだ復興への道は続きます。普段の何気ない暮らしに感謝し、家族で力を合わせて、今を、精一杯生きていきたいと思います。そして、私たち家族のかけがえのない命を救ってくれた西原村の強い絆を、しっかりと未来に受け継いで行きたいと考えています。

私たち家族の姿が、少しでも他のご遺族の皆様の心に寄り添い、未来に向かって歩む力に繋がってもらえたらと思います。

最後に、熊本地震で亡くなられた全ての方々の御霊の平穏を心から願うと共に、新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、再び世界中の人々のもとに穏やかな日常が戻ってくる事を願い遺族代表の言葉と致します。
(遺族代表 内村 勝紀)
(ID:32427)
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