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「『阿蘇』の景観を守る宣言」を採択しました

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0000368 更新日:2020年8月1日更新

「阿蘇の景観を守る宣言」の採択について

宣言について

 令和2年1月16日、熊本県と阿蘇地域7市町村で構成する阿蘇世界文化遺産登録推進協議会は、「阿蘇の景観を守る」宣言を採択しました。

 この「宣言」は、先人たちから受け継がれてきた県民の宝である阿蘇の景観を、守り、育み、後世に伝えていくという熊本県と阿蘇地域7市町村の決意表明です。この宣言により、より多くの県民の皆様に阿蘇の景観について関心を持っていただき、また、無秩序な開発計画に対する牽制となることを期待しています。

「阿蘇の景観を守る宣言」(全文)

 熊本県の「阿蘇」は、活発な火山活動で形成された世界最大級のカルデラとその周辺の広大な外輪地域に約6万人の人々が生活している世界的にも類いまれな地域です。
 古くから火山への信仰や農耕祭事が伝えられる中で、草原、森林、田畑、集落などの土地利用が密接に絡み合いながら、日々の暮らしと人々の長年にわたる営みで、阿蘇の自然的・文化的普遍性が生まれ壮大で美しい景観が形成されてきました。
この景観を後世に伝えるため、熊本県と阿蘇地域7市町村は世界文化遺産登録を目指し、平成21年に「阿蘇世界文化遺産登録推進協議会」を組織し、全市町村で景観条例を制定、国から重要文化的景観の選定を受けるなど更なる保全活動に努めています。
 また、草原を守るために、地元農家だけでなく野焼き支援ボランティアによる野焼き作業や、民間団体等からなる「阿蘇草原再生千年委員会」による草原再生のための募金活動、並びに企業等による棚田保全・植林活動など、次世代へ繋ぐ体制が構築されています。

 ユネスコ世界遺産委員会は喫緊の課題として、開発行為が世界遺産の価値に影響を及ぼすことを指摘し、世界遺産登録を目指すにあたっては遺産の周辺を含めて、景観に十分配慮することを強く求めており、昨今の大規模太陽光発電施設等の設置や開発行為によって、人々を魅了する阿蘇の眺望を著しく傷つけることがあってはなりません。

 当協議会は、先人たちから受け継がれてきた貴重な財産である阿蘇地域全域の文化的景観を守り、育み、伝えることを、ここに宣言します。

令和2年(2020年)1月16日

阿蘇世界文化遺産登録推進協議会

  • 熊本県知事 蒲島 郁夫
  • 阿蘇市長 佐藤 義興
  • 南小国町長 高橋 周二
  • 小国町長 渡邉 誠次
  • 産山村長 市原 正文
  • 高森町長 草村 大成
  • 南阿蘇村長 吉良 清一
  • 西原村長 日置 和彦

(参考)「阿蘇」の世界遺産暫定一覧表入りに係る提案書の内容(概要)

  • 資産名称
    阿蘇カルデラー巨大なカルデラ火山を極限まで利用した文化的景観ー
  • 阿蘇の価値
    地形的にも形状が明瞭かつ世界最大規模のカルデラにおいて、人々が長年の営みの中で「火山との共生」という困難を克服し、形成した壮大な景観が、阿蘇の顕著で普遍的な価値である、と位置づけている

「阿蘇の景観を守る宣言」(写真)