地域資源活用総合
交流促進施設

 

芦北町のこの施設は、西に不知火海をのぞむ山の中腹、既存スカイドームに隣接して計画された。スポーツやイベントを通した地域の人々の交流を促す場であり、県の豊かな森林資源を活用した木造の、先駆的な試みのある提案が求められた。
矩形を5つの円弧でえぐり取ったような不整形の平面形は、求心的で閉鎖的になりやすいドーム状屋根を持つ建物を開き、豊かな樹木の緑や不知火海の風景を取込むことを意図している。円弧の壁はRC造、屋根架構は球面の木造シェル。横幅90p、厚み12pの杉集成材を編むように交互に組んだ架構は構造家佐藤淳氏の構造設計で、内部に有効な気積を確保し、木の力強い存在感と柔らかな香りを同時に生み出している。
完結性ではなく流動性を表現した屋根の形態は、風をはらんだ船の帆にも見え、伝統的な「うたせ船」の風景と同様、永く親しまれる施設になることを切に望んでいる。

建築データ

名称 地域資源活用総合交流促進施設
ふりがな ちいきしげんかつようそうごうこうりゅうそくしんしせつ
所在地 葦北郡芦北町大字花岡1523番地
主要用途 地域交流施設
事業主体 芦北町
設計者 高橋晶子+高橋寛/ワークステーション
施工者  建築/松下・佐藤建設工事共同企業体
電気/渕上電化綜合社
機械/松本電気工業
敷地面積 95,706u
建築面積 1,386.34u
延面積 1,386.34u
階数 地上1階
構造 鉄筋コンクリート造一部木造
外部仕上  屋根/ガルバリウム鋼板 竪ハゼ葺き 嵌合式t=0.4mm
外壁/RC化粧打放しの上フッ素樹脂系撥水剤塗布
施工期間 2008年2月〜2009年1月
総工事費 453百万円

高橋 晶子(たかはし あきこ)
1958年 静岡県生まれ
1980年 京都大学工学部建築学科卒業
1986年 東京工業大学博士課程修了
1986年 篠原一男アトリエ(〜88)
1988年 ワークステーション設立
2004年〜 武蔵野美術大学教授
 
高橋 寛(たかはし ひろし)
1953年 東京都生まれ
1978年 東京工業大学修士課程修了
1985年 東京工業大学建築学科助手(〜89)
1988年 ワークステーション設立
2009年現在 関東学院大学、武蔵野美術大学、東京電機大学非常勤講師
 
●主な作品
坂本龍馬記念館、岐阜県営住宅ハイタウン北方、野毛山動物園ふれあいコーナー、アパートメンツ東雲キャナルコート
 
●主な受賞
1992年 高知市都市美デザイン賞特別賞
  新日本建築家協会新人賞
1998年 横浜まちなみ景観賞
1999年 グッドデザイン賞施設部門
2000年 中部建築賞
2002年 商環境デザイン賞
2005年 グッドデザイン賞建築・環境デザイン部門金賞
2006年 BCS賞特別賞
2008年 第53回神奈川建築コンクール優秀賞


PHOTO:濱口廣一郎