議会における議案説明要旨【平成23年2月定例会】
平成23年2月定例県議会における議案説明要旨
今回の定例会に提出しております議案の説明の前に、県政運営について所信の一端を申し述べます。
第1 県政運営の所信について
21世紀も早10年が過ぎ、世界の潮流は大きなうねりをみせています。先進諸国が財政危機にあえいでいる一方、中国やインドなどのアジア諸国が世界経済を牽引しています。また、情報化の進展などによる経済のグローバル化が急速に進んでいます。
こうした中、我が国は、世界に類を見ないスピードで、少子高齢・人口減少社会に突入しており、このような時代に即した持続可能な社会・経済システムや、新たなビジネスモデルの構築が強く求められています。国・地方、官・民を問わず、まさに、今後世界が直面していく課題に対し、先行して挑戦していかなければなりません。
私は、ここ熊本が、「生まれてよかった、住んでよかった、これからもずっと住み続けたい」と思える、新しい時代を先導するモデルになり得ると確信しております。そのためにも新幹線の全線開業と熊本市の政令市移行という、百年に一度ともいうべきビッグチャンスを、最大限に生かしていく必要があります。
「農業や歴史・文化など、地域の核となる強みや魅力を生かす」、また「九州、そしてその地理的中心という地の利を生かして、アジアの成長を取り込む」、さらには「熊本の未来を担う人材を育てる」といった取組みを進め、交流人口の拡大やビジネスチャンスの最大化につなげて参ります。併せて、かけがえのない、そして未来に継承すべき熊本の宝である「阿蘇の草原」、「豊富な地下水」、「加藤・細川400年の歴史と文化」を磨き上げる取組みを強化して参ります。
こうした取組みを着実に進めることによって、熊本が、九州におけるハブ機能を担い、さらには、将来の州都実現という目標に近づくことができると考えます。
平成23年度は、知事として、任期の総仕上げの段階に入ります。「くまもとの夢4カ年戦略」に掲げた「3つの困難」については、解決に向け、確かな道筋をつけて参ります。また、「4つの夢」については、実現に向けた取組みを加速させて参ります。さらに、熊本の優れた市民力を結集し、文化の薫り高い品格のある熊本づくりに邁進して参ります。
第2 最近における県政の動向について
次に、最近におけるいくつかの県政の動向について御報告申し上げます。
1 鳥インフルエンザへの対応について
まず、宮崎県を中心に大きな被害が生じている鳥インフルエンザについては、幸いにして、これまで本県では発生しておりません。現在、各農家における消毒を徹底するとともに、隣県と協力して県境の道路における消毒にも取り組んでおります。今後も、県内では1件たりとも発生させないという強い覚悟で、防疫対策を徹底して参ります。
2 水俣病問題への対応について
水俣病問題につきましては、裁判上の和解による解決と、「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」による救済を図るため、救済対象者の診断や判定を進めております。
和解については、今年度内の成立に向け、国とともに原告及び弁護団との話し合いを重ねております。
今後とも、救済を受けるべき方々が可能な限り早期に救済されるよう、精一杯努めて参ります。
- 3 川辺川ダム問題への対応について
次に、川辺川ダム問題への対応です。
五木村の振興については、現在、国・県・村による協議の場で、村民の要望や地域の課題を踏まえながら村の再生に向けた協議を重ねており、今後も一層の取組みを進めて参ります。
また、ダムによらない治水につきましても、一日も早く流域住民が安心して暮らせるよう、県としての役割をしっかり果たして参ります。
4 公共関与による産業廃棄物最終処分場の整備について
南関町に計画している公共関与による産業廃棄物管理型最終処分場の整備については、安全性を極限まで追求し、全国的にも先進的な「クローズド・無放流型」の施設を建設することとしております。今後も、地元の方々の御理解を得られるよう、その必要性や安全性を丁寧に説明し、不安解消に向けて努力を積み重ねて参ります。
5 政令指定都市の実現について
次に、政令市の実現につきましては、権限移譲に関する県市基本協定の締結を踏まえ、昨年11月30日、熊本市から県に対して要望書等の提出がなされております。県としても、引き続き熊本市と連携し、政令市移行に向けた準備を進めて参ります。
第3 平成22年度2月補正予算について
次に、今定例会に提案しております平成22年度2月補正予算案について説明いたします。
2月補正予算は、依然として厳しい景気・雇用情勢を踏まえ、国の補正予算に基づく「ワクチン接種緊急促進基金」をはじめとする基金や、「地域活性化交付金」などを最大限に活用することで、経済対策関連予算135億円を計上し、景気・雇用対策に積極的に取り組むこととしております。
また一方で、歳出予算の徹底的な節減にも取り組み、県債発行を抑制するなど、財政再建戦略との整合も図りました。
これらにより、一般会計の補正額は、49億円の増額補正となり、これを現計予算と合算しますと、7,878億円となります。
第4 平成23年度当初予算について
次に、平成23年度当初予算案について説明いたします。
1 予算編成の基本的な考え方
まず、予算編成の基本的な考え方について述べます。
平成23年度当初予算は、新幹線全線開業、熊本市の政令市移行という、百年に一度ともいうべきビッグチャンスを最大限生かす、さらには「くまもとの夢」の実現をもう一段加速させるため、関連施策の重点化に取り組みました。
また、県内の景気浮揚や雇用確保に向けた事業を追加するとともに、財政再建戦略に掲げた取組みを着実に実施し、財政再建との両立を図りました。
これらの取組みにより「くまもとの夢」を実現し、県勢発展の礎を築いて参ります。
2 予算の概要
こうした考え方に基づき、まず、「経済上昇くまもと」、「長寿安心くまもと」、「品格あるくまもと」、「人が輝くくまもと」の4つの分野において、「くまもとの夢づくり推進枠」などを活用し、更なる重点化を図りました。
さらに、景気・雇用対策に積極的に対応しつつ、財政再建戦略との整合を図りながら予算編成を行った結果、平成23年度当初予算の規模は、7,213億円と対前年度比0.8%、59億円の増となっています。
投資的経費については、前年度比マイナス3.2%、42億円の減となっておりますが、これは、主に新幹線建設負担金の減や国の公共事業費の削減によるものです。一方で、景気浮揚に向けて、経済対策の基金などを活用し、県単独事業を追加することにより、新幹線建設負担金を除いた投資的経費の総額は、マイナス0.3%、3億円の減と、概ね前年並みの予算を確保しました。
また、雇用対策については、関係基金事業100億円を確保し、約5,000人の雇用創出につなげていきたいと考えております。
一方、財政再建に向けては、職員数や職員給与の削減など「財政再建戦略」に掲げた取組みを着実に実施するとともに、予算編成過程において、歳入・歳出両面にわたる更なる見直しにも取り組みました。こうした取組みにより、昨年10月時点で見込んでいた財源不足を解消し、収支均衡を図ることができました。
併せて、当初予算編成後の財政調整用基金の残高、いわゆる貯金は、61億円と、財政再建戦略における目標である53億円を8億円上回り、5年ぶりに増額となりました。また、私が知事に就任した際には、1兆700億円に迫ろうとしていた通常県債の残高、いわゆる借金についても、平成24年度末には1兆円を下回る見込みとなるなど、財政再建に向けた取組みは、着実に進んでおります。
3 予算の主な内容
以下、歳出予算の主な内容について、「くまもとの夢」実現に向け重点化した事業を中心に、説明いたします。
(1)戦略的な地域振興
一点目は、「経済上昇くまもと」、「長寿安心くまもと」、「品格あるくまもと」、「人が輝くくまもと」の全てにつながる、戦略的な地域振興施策の展開です。
地域への移住・定住の促進、地域資源を生かした起業、誘客、地域コミュニティの維持・再生といった課題を相互に結びつけ、戦略的に地域を振興していくためには、市町村や地域住民の自主的な取組みが不可欠です。
そのため、県では「地域づくり“夢チャレンジ”推進事業」を創設し、定住や雇用、交流の拡大、地域の安全・安心の確保に向けた、地域発の創意工夫ある取組みを、総合的に支援して参ります。
また、同時に、県としても次のような地域振興施策を展開して参ります。
<1> 定住促進・雇用創出の取組み
まず、定住促進と雇用創出に向けた取組みです。
農林水産業の分野では、稼げる農業を目指し、「くまもとイチ押しブランドづくり」や地産地消の推進、輸出の拡大、農商工連携などに、引き続き取り組みます。さらに、飼料用稲の生産と利用の拡大を図るくまもと型の新たなモデルづくりを進めます。
また、担い手不足などの地域の実情に沿った営農システムの確立や、地域ぐるみで新規就農者を育成・支援する仕組みづくりとともに、「くまもと農業経営塾」を通じた本県農業を担うリーダー育成に取り組みます。
併せて、間伐などの森林における作業の集約化や新たな担い手を育成する「林建連携雇用創出プロジェクト」などによる森林資源の有効活用を目指します。また、「売れる水産物づくり」、「水産業を活用した観光の創出」などの水産業の元気づくりにも取り組みます。
地域を支える重要な産業の一つである建設産業については、経営力強化や新分野への進出に向けた取組みを支援して参ります。
地場企業の振興については、地域のリーディング企業の育成を目指し、産業支援機関や金融機関等と連携して、総合的かつ継続的な支援に取り組みます。また、来月オープンする産業技術センターでは、県内企業の技術開発や有機薄膜分野をはじめとする熊本発の新技術の研究・開発を支援します。
さらに、地場企業が県内に工場等を新設又は増設し、雇用を拡大する場合の助成制度を創設します。
企業誘致については、新規誘致はもとより、既に本県で立地・操業している企業についても、フォローアップを丁寧に行い、次の投資の機会にも本県が選ばれるよう取り組んで参ります。
<2> 交流人口の拡大
次に、交流人口の拡大に向け、くまもとの魅力発信と、おもてなしの体制整備などに取り組みます。
特に、新幹線が全線開業する平成23年は、熊本を訪れた方々に心ゆくまで楽しんでいただけるよう、開業する3月を中心に、県内各地で、県民や民間団体の方々と連携した開業記念事業を展開します。
また、JRと南九州3県がタイアップした全国キャンペーンを展開するとともに、関西、中国地方では、「くまモン」の知名度も生かしながら、更に熊本の認知度を高めて参ります。
新幹線開業を見据えた社会資本整備については、九州の中心に位置するという地理的優位性を生かし、開業効果を県下全域に波及させるため、九州横断自動車道延岡線、南九州西回り自動車道をはじめとした幹線道路のネットワークづくりを進めます。
また、熊本駅周辺地域を品格ある陸の玄関口とするため、JR鹿児島本線の高架化に合わせ、駅周辺の道路など都市基盤整備を進めます。
阿蘇くまもと空港については、豊肥線快速列車の導入も踏まえ、空港アクセスの向上を目指す社会実験として、JR肥後大津駅と空港を結ぶ、無料空港ライナーを運行します。
<3> 地域の安全・安心の強化
次に、高齢者をはじめ、誰もが生まれ育った地域で暮らし続けることができるよう、地域の安全・安心の強化に取り組みます。
まず、高齢者や障がい者など、誰もが気軽に集い支え合う地域の縁がわづくりを進めます。それらを拠点に、地域住民による見守りなどの多彩な活動や起業化を支援するなどの「まちづくり型福祉」を、全国に先駆けて展開します。
医療・介護の分野では、ドクターヘリの導入などによる救急医療搬送体制の強化や、中山間地域における24時間介護サービス提供のモデルづくり、認知症ケアの質の向上に取り組むとともに、グループホームや特別養護老人ホームなどの整備を計画的に進めます。
さらに、携帯電話のメールシステムを活用した地域住民によるシルバー見守りネットワークの構築や、顔なじみの高齢者による防犯や交通安全啓発のための高齢世帯訪問、さらには高齢者による防犯ボランティアの活動などを支援します。
また、今年10月15日から18日までの4日間、県下各地で開催する「ねんりんピックふれ愛熊本」も、高齢者がいきいきと輝き、長寿を楽しむ社会の実現に向けた取組みの一つです。この大会は、熊本の魅力を全国に発信する絶好の機会でもあり、全国から参加される方々に満足していただけるよう、諸準備に万全を期して参ります。
<4> 水俣・芦北地域の振興
水俣・芦北地域の振興については、活力ある地域づくりと、医療福祉の充実に取り組みます。
まず、来年度からスタートする「第五次水俣・芦北地域振興計画」の最重要課題である産業振興と雇用創出に、全力を挙げて取り組んで参ります。そのため、地域を支える人材の育成、地域企業の新分野進出や業務拡大への支援、雇用への助成などに、地域一体となって取り組みます。
また、保健・医療・福祉の充実に向けては、胎児性・小児性水俣病患者の方々や、高齢化の進むそのご家族が、地域で安心して在宅生活を続けていただくことができるよう、より利用しやすい介護サービスの提供に努めます。併せて、支援を必要とされる方々を見守る活動の拡充や、訪問看護・訪問介護などの在宅生活支援サービスのモデル的な整備に取り組みます。
(2)新エネルギー推進
二点目は、「経済上昇くまもと」を牽引する、新エネルギーを活用する取組みです。
<1> 農山漁村のエネルギー革命
熊本は、農業用ハウスの加温面積が全国一で、原油価格高騰に対する備えや二酸化炭素排出量の削減への対応が課題となっています。一方で、県内には木質バイオマスや太陽光など、未利用の自然エネルギーが豊富にあります。こうした新たなエネルギーを活用し、農山漁村のエネルギー革命ともいえるような先駆的な取組みにつなげていきたいと考えております。
具体的には、木質ペレットなどのバイオマスエネルギー、太陽光発電などによるビニールハウスの加温や、農業用水による小水力発電などについて、実証実験に取り組んで参ります。
<2> 新エネルギー産業の振興
また、新エネルギー産業を、本県産業を牽引するリーディング産業へ育成するため、新エネルギーの利用拡大を図ります。
そのため、農山漁村において、太陽光発電などの導入とその効率的な活用、いわゆるスマートグリッドの実現に向けた実証実験を行います。さらに、太陽光発電日本一を目指した住宅用のソーラーシステム設置に対する助成や、電気自動車・電動バイクといった次世代モビリティの普及に向けた充電設備の整備も進めて参ります。
(3)アジアターゲット
三点目は、「経済上昇くまもと」につなげる、急成長するアジアをターゲットにした、誘客・ビジネス展開を最大化する取組みです。
まず、高い経済成長が続く中国において、経済の中心地である上海市に、熊本市、熊本大学と共同で、活動拠点となる事務所を開設します。
この上海事務所では、県内企業への情報提供や県産品の販路開拓に向けた市場調査、観光客誘致のための企業訪問などに取り組むとともに、県内製造業の中国進出を支援する工業専門のアドバイザーを設置します。
さらに、香港及びシンガポールにビジネスアドバイザーを配置するほか、上海や広西壮族自治区、韓国ソウルでの物産展、海外バイヤーを県内に招いての商談会など、県産品の販路拡大をトップセールスで展開していきます。
アジアからの観光客誘致については、昨年上半期の韓国からの宿泊者数が全国3位になりました。その原動力となった、これまで培ってきた姉妹・友好提携関係や、現地旅行会社などとのネットワークを活用した取組みを一層強化して参ります。さらに、アジアとの航空路線の強化、クルーズ船ツアー、医療観光の誘致など、新たな誘客対策にも取り組んで参ります。
(4)地下水・草原などの豊かな自然や文化を未来につなぐ
四点目は、「品格あるくまもと」を形づくる、豊かな地下水や阿蘇の草原などの「自然」と、長きにわたって伝えられてきた「文化」などの「くまもとの宝」を守り、磨き上げ、未来につなぐ取組みです。
<1> 地下水などを守る取組み
地下水を守る取組みとしては、「地下水は、県民のかけがえのない財産、いわば『公共水』である」と、県民が共通認識を持つことで、水量確保や水質保全につなげて参ります。
特に、100万人の命を支える熊本都市圏域の地下水を守るため、硝酸性窒素による汚染防止対策の検討や、県民・事業者・行政が一体となった地下水保全の協働体制づくりに、熊本市と共に取り組みます。
また、生産者と消費者・販売店の3者が、化学肥料などの使用量を削減し、地下への浸透など環境に与える負荷を減らすという価値観を共有することにより、「くまもとグリーン農業」を拡大して参ります。
<2> 阿蘇の草原の維持・再生
人と自然の千年の営みにより作り上げられた阿蘇の草原については、より多くの方々にその魅力に触れていただきたいと考えています。
私にとって阿蘇の原風景は、緑の草原と草を食(は)むあか牛の姿です。あか牛の放牧は、畜産経営の手法として効率的であるばかりでなく、草原の維持・再生に大変有益であり、さらに、雄大な風景は、観光資源としても類まれな「くまもとの宝」であります。この宝を更に広げていくため、放牧環境の整備とともにあか牛の放牧頭数の増加に向けた取組みを進めます。
また、多くの方々が、より快適に阿蘇を訪れていただけるよう、高速道路の複数のインターチェンジから阿蘇に至る、魅力あふれる様々なルートを周知して、国道57号の渋滞緩和を図ります。
さらに、世界文化遺産登録を目指し、阿蘇のみならず、万田坑・三角西港といった近代化産業遺産や天草のキリスト教関連遺産について、文化財の国指定などに向けた学術調査を進めて参ります。
<3> 水銀削減(ゼロ)に向けた取組み
次に、水俣病の歴史と教訓を世界に発信する機会として、平成25年に我が国で開催される予定の、水銀に関する条約の採択と署名のための外交会議について、水俣への招致に力を尽くします。
この国際会議招致も視野に、水銀使用量の多い製品の使用や廃棄処理の状況を調査するとともに、県環境センターなどをモデルに、蛍光灯・水銀灯のLED化を推進するなど、水銀使用の削減に取り組みます。
併せて、公共交通機関の利用をはじめとする環境配慮行動に対してポイントを付与する制度を創設するとともに、省エネ設備の導入や、環境にやさしい通勤に取り組む事業者の支援などにより、県民総ぐるみの地球温暖化防止活動を拡大していきます。
<4> 加藤家、細川家の文化の伝承と活用
400年にわたり受け継がれてきた加藤家、細川家の文化については、歴史回廊くまもとの柱の一つとして伝承と活用を図ります。
国宝をはじめ数多くの文化財を有し、日本有数の大名家の姿を伝える細川コレクションをより効果的に紹介するため、県立美術館における展示スペースを拡大します。さらに、九州新幹線の全線開業を記念した特別展「細川コレクション永青文庫の至宝」展を開催するなど、年間を通じて広く紹介していきます。
また、国宝青井阿蘇神社や、今年100年目を迎える辛亥革命を成し遂げた、孫文と宮崎滔天の交流など、各地に残された歴史と文化に再度光を当てるとともに、磨き上げていきます。
国営公園化を目指す鞠智城については、山鹿市、菊池市で開かれる「古代山城(さんじょう)サミット」においてシンポジウムを開催するなど、全国的な認知度向上に取り組んで参ります。
(5)若者の夢への挑戦サポート、郷土を支える次世代の育成
五点目は、「人が輝くくまもと」に向け、若者の夢への挑戦をサポートし、郷土を支える次世代を育成する取組みです。
<1> 基礎学力向上のための良好な学習環境の整備
まず、基礎学力向上のため、良好な学習環境の整備に取り組みます。
授業の質の向上に向けては、授業力に秀でた教職員を「授業マイスター」に認定し、公開授業や研修会等を通じて授業のスキルなどの伝授を進めます。また、学校、家庭と地域ボランティアを結ぶ地域教育コーディネーターを養成するなど、地域の力を結集して教育の社会的・経済的要因による格差の解消を図ります。
さらに、引き続きスクールサポーターなどによる非行防止や学習支援、スクールソーシャルワーカーによる不登校の状況にある子どもたちの家庭環境改善などに取り組みます。
中学生の英語力の向上については、英語音声教材を本県独自に開発し、授業や家庭での自主学習の教材として活用することで、日常的に英語に触れることのできる環境づくりに取り組みます。
県立高校の再編については、中期実施計画に基づき必要な整備を進めるとともに、特色ある学校づくりに取り組みます。
また、早急な対応を求められている、重度・重複障がい児童生徒の学習環境を整備するため、新たな特別支援学校設置に向けた基本構想の策定に着手します。
<2> 「熊本時習館構想」・夢教育の推進
私学振興については、生徒が「夢」を見つけ、挑戦し、実現するための学びの場を提供する「時習館構想」を展開して参ります。
具体的には、生徒の状況に応じて、退職教員等を活用した学習支援や進学を目的とした私学間の連携による講義への助成のほか、海外大学への進学を志す生徒の支援にも取り組みます。
加えて、教職員の指導力向上を図るため、経験豊富な教員などによる研修への助成や、県立高校と私立高校間の人事交流などに取り組みます。
また、大学等への進学の夢を、経済的理由により断念することなく、夢が叶えられるよう、来年度からは、児童養護施設などから進学を志す子どもたちへも生活費の無利子貸付を行うほか、生活保護世帯の子どもに対する大学進学応援資金を給付する制度を新設します。
<3> 若年者の雇用促進
若年者の雇用状況は、依然として厳しい状況にありますが、その中でも、特に厳しい状況にある新卒者については、民間企業で雇い入れ、職場実習を通じて知識・技術を習得させる就職支援や、ジョブカフェにおける就職相談などの取組みを強化します。
また、高校生に対しては、経済界等との連携により、インターンシップ実施率向上に取り組むとともに、専修学校等と連携した体験学習、熟練技術者からの実践的な技術・技能指導、企業経営者等による職業講話を通じたキャリア教育などに取り組みます。これらにより、勤労観・職業観を醸成するとともに、雇用のミスマッチを解消して参ります。
このほか、子育てと生計を一人で担うひとり親家庭については、家庭と仕事の両立が図りやすい在宅就業を核とした親の就業支援を推進するとともに、子どもたちの教育支援などに、総合的に取り組みます。
第5 その他の議案について
以上、予算案について御説明申し上げましたが、今定例会には、行政文書等の適正な管理、歴史公文書の適切な保存及び利用などを図る「熊本県行政文書等の管理に関する条例」の制定などの各種条例案件や、市町村負担金案件、工事案件、公の施設の指定管理者の指定なども併せて提案しております。
これらの議案についてよろしく御審議くださるようお願い申し上げます。






