特定漁港漁場整備事業計画(御所浦地区)
御所浦地区
特定漁港漁場整備事業計画書
1 目的
目的 |
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(1) 地域の特徴 御所浦町は、3つの有人島を含む18の島々で構成された本県唯一の全町離島の町であり、マダイやブリ、トラフグ等の養殖漁業を基幹産業としている。 観光資源としては御所浦島烏峠の展望台があり、360°の眺望が可能で、遠く鹿児島、長崎まで望むことができる。また、恐竜の化石が発見されたことから「全島博物館構想」に基づき、“探求と学習の島づくり”を推進中である。 漁港区域は、嵐口・本郷の2地区を含んでおり、区域の人口は2,062人(平成11年港勢調査)と町全体の45%を占めている。また、区域人口の約37%が漁協組合員であるなど、本区域の水産業が町の経済に与える影響は非常に大きなものである。 (2) 水産業の沿革と現状 本町の魚類養殖の歴史は古く、昭和45年頃からブリの蓄養、昭和50年頃からマダイ養殖、さらに昭和60年代後半からトラフグの養殖が開始され、現在に至っている。 しかしながら全町離島であるため、年間120~130億円(養殖漁業100~120億円、漁船漁業10~15億円)の水産物のほぼ全てが町外に陸揚げされているのが現状であり、県下最大の養殖基地でありながら、町の経済や地域の活性化への波及効果が極めて低い状況にある。 (3) 漁港漁場整備の沿革と役割 本区域は、嵐口漁港、本郷漁港として個々に整備を進めてきたが、平成13年3月2港を合併し熊本県管理の御所浦漁港としたところである。嵐口漁港は昭和26年から、本郷漁港は昭和39年の第3次漁港整備長期計画から漁港修築事業、漁港改修事業において整備を進めてきた。 また、離島である本町の玄関口として、天草地方の中心地である本渡市をはじめ、各地を結ぶ旅客、貨物の定期船、フェリー等の発着港として大きな役割を担っている。 (4) 当該事業計画の目的 [1]水産資源の持続的利用と良質な水産物を安全で効率的に供給する体制の整備 御所浦架橋整備計画が平成12年度に事業採択され、将来天草本土と陸続きになることとなった。しかし、現在は本郷地区に陸揚用物揚場が73mあるのみで嵐口地区には全くない状況である。このため、水産物の集出荷機能に特化した安全で効率的な陸揚げ基地を新設することにより九州本土へ漁獲物を直接出荷ができるようになり、流通形態が大きく変革する。 [2]水産資源の生育環境となる漁場等の積極的な保全・創造 大小の島々からなり、海岸線には多くの湾や入り江が点在する本町の良好な漁場環境を保全するとともに、水産資源の生育環境の積極的な創造を支援する。 [3]水産業の振興を核として良好な生活環境の形成を目的とした漁村の総合的な振興 御所浦架橋の建設及び集出荷基地の整備により、流通の効率化、水産業の経営力、競争力の強化を支援する。 現在も修学旅行の誘致などにより交流促進を図っているが、離島からの脱却により観光客の増加が期待されるため、漁業体験イベントの開催、水産物の直販などによる都市住民との交流を支援するため用地や道路等の整備を図る。 また、浮体式係船岸、緑地等を整備することにより、高齢者や女性に優しい、就労環境及び生活環境の改善を図る。 | |
2 施行に係る区域及び工事に関する事項
(1) 区域に関する事項
イ 区域名
区域名 | 御所浦地区 |
ロ 所在地等
都道府県名 | 熊本県 | 関係市町村名 | 天草郡 御所浦町 | |||
地域指定 | 離島、過疎、雲仙天草国立公園 | |||||
整備対象漁港名 |
御所浦漁港 | 整備対象漁場名 (関係漁港名等) | 京泊(第1)、(第2) 与一ヶ浦(第1)、(第2) 前島 計 5地区 | |||
ハ 位置図

ニ 当該地域の水産業の現状、課題及び整備方針
当該区域の水産業の現況、課題及び整備方針 |
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(1) 資源管理型漁業・つくり育てる漁業への支援 [1]現況と課題 ・海面漁業においては近年漁獲量が減少しており、水産資源の良好な生育環境の創造が求められている。 ・養殖漁業においては養殖魚の消費の落ち込み、天然物・輸入物との価格競争が激化しており漁家経営を圧迫している。消費者ニーズに対応した生産・加工・流通対策の強化が求められている。 [2]整備方針 ・海面漁業においては、魚礁工(12,500m3)の投入による水産資源の良好な生育環境の創造により漁獲量の増大を図る。 ・御所浦架橋建設に併せ、集出荷基地を整備することで、養殖場から陸揚基地までの輸送距離、時間の短縮に伴う流通コストの削減を図るとともに、消費者のニーズに対応した高鮮度、高品質な魚介類の出荷を可能とする。 (2)自然環境の保全と創造 [1]現況と課題 ・養殖残餌等による底質及び水質の悪化とあわせて、有害プランクトンによる赤潮の発生が見られる。 ・藻場の減少による産卵場、幼稚魚生育場が減少している。 [1]整備方針 ・投餌量や投餌方法の研究により残餌を極力少なくするとともに、赤潮に対する監視体制の強化、被害防止技術の開発により、良好な漁場環境を保全する施策を支援する。 (3) 水産物流通の効率化と一貫した品質管理 [1]現況と課題 ・本町は現在離島であるため、養殖漁業については各経営体が個別に天草島の漁港に直接陸揚げしており、コスト高な経営を強いられており、流通の効率化、品質管理が求められている。 [2]整備方針 ・御所浦架橋建設に併せ、集出荷基地を整備することで養殖場から陸揚基地までの輸送距離、時間の短縮に伴う流通コストの削減を図るとともに消費者のニーズに対応した高鮮度、高品質な魚介類の出荷を可能とする。 (4) 安全で快適な漁業地域の形成 [1]現況と課題 ・漁業者の高齢化や女性就業者が増加しており、また干満の差が大きく漁港施設利用に制約を受けているため、就労環境の改善が求められている。 [2]整備方針 ・静穏度を向上するための外郭施設の整備や、就労環境を改善するため高齢者や女性に優しく、大潮位差にも対応できる浮体式係船岸等の施設を整備する。 (5) 都市との交流の推進 [1]現況と課題 ・恐竜の化石が発見されたことから「全島博物館構想」に基づき“探求と学習の島づくり”を推進中であり、近年修学旅行生の来島が増加している。御所浦架橋建設後には一層の観光客の増加が見込まれる。 [2]整備方針 ・ 御所浦架橋建設後には観光客の増加が見込まれ、道路及び用地の整備により体験型漁業、漁村生活体験、海釣り等の海洋レクリエーションなどによる、都市との交流のための基盤づくりを支援する。 (6) 生産労働効率化・近代化、担い手支援 [1]現況と課題 ・漁業経営の強化を図るため、漁協合併、事業統合等を積極的に推進しているが、現在離島であるため、水産物の陸揚げ及び出荷は天草上島の漁港で各経営体毎に行われており、流通経費の増が漁業経営を圧迫している。 [2]整備方針 ・御所浦架橋建設後には水産物集出荷基地の整備により、陸揚げ作業や荷捌き作業が一元化されることにより流通時間の短縮、流通経費等の節減等生産労働の効率化等を支援する。 | |
ホ 整備対象漁港及び整備対象漁場の現況及び将来見通し
(現況) (平成11年現在)
御所浦漁港
| 属地陸揚量 5,250トン | 属地陸揚金額 828百万円 | 属人漁獲量 2,071トン | |
登録漁船隻数 361隻 | 利用漁船隻数 901隻 | 漁船以外利用船舶隻数201隻 | ||
主な漁業種類 魚類養殖、釣り、ひき網、まき網 | 主な魚種 タイ、タチウオ、ブリ、フグ | |||
整備対象 漁場全体 | 受益戸数(受益者数) 320戸 (320人) | 登録漁船数 320隻 | ||
(将来見通し) (目標年:平成23年)
御所浦漁港
| 属地陸揚量 4,4320トン | 属地陸揚金額 1,060百万円 |
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登録漁船隻数 272隻 | 利用漁船隻数 844 隻 | 漁船以外利用船舶隻数168隻 | ||
主な漁業種類 魚類養殖、釣り、ひき網、まき網 | 主な魚種 タイ、タチウオ、ブリ、フグ | |||
整備対象 漁場全体 | 受益戸数(受益者数) 241戸 (241人) | 登録漁船数 241隻 | ||
見通しの考え方] <属地陸揚量> 平成2年から平成11年の港勢デ-タ-を基に、対数回帰により目標年次(平成23年)における属地陸揚量を推定した。 <属地陸揚金額> 平成2年から平成11年の港勢デ-タ-を基に、対数回帰により目標年次(平成23年)における属地陸揚金額を推定した。 <登録漁船数> 平成2年から平成11年の港勢デ-タ-を基に、対数回帰により目標年次(平成23年)における登録漁船数を推定した。 <利用漁船隻数> 平成2年から平成11年の港勢デ-タ-を基に、対数回帰により目標年次(平成23年)における利用漁船数を推定した。 <受益戸数(受益者数)> 平成11年に対する平成23年の経営体数の比率を平成11年の受益戸数(受益者数)に乗じて算定した。
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(2) 工事に関する事項
イ 主要施設の種類、規模及び配置等
(漁港施設)
都道府県名 | 整備対象漁港名 | 漁港種類 | 所管 | 事業主体名 | 漁港管理者名 | |
熊本県 | 御所浦漁港 | 第2種 | 離島 | 熊本県 | 熊本県 | |
計画施設 | 計画工事種目 | 単位 | 計画数量 | 備考 | ||
外郭施設 | 浜中防波堤 | m | 30 | (3) 新設 | ||
1号防風フェンス | m | 310 | (4) 改良 | |||
新港防波堤 | m | 330 | (5) 新設 | |||
水域施設 | 新港-3m泊地浚渫 | m2 | 3,000 | (6) | ||
| -2m竹地6号物揚場 | m | 80 | (12) 新設 | ||
-2m1号物揚場(簡易ポンツーン) | m | 70 | (13) 新設 | |||
-2m2号物揚場(〃) | m | 100 | (14) 新設 | |||
-2m竹地6号物揚場(〃) | m | 70 | (16) 新設 | |||
浮桟橋 | 基 | 1 | (20) 新設 | |||
新港-3m岸壁 | m | 236 | (21) 新設 | |||
輸送施設 | 道路 | m | 360 | (24) 新設 | ||
竹地道路 | m | 90 | (25) 新設 | |||
新港道路 | m | 400 | (27) 新設 | |||
竹地用地 | m2 | 6,880 | (31) 新設 | |||
新港用地 | m2 | 15,620 | (32) 新設 | |||
新港護岸 | m | 183 | (33) 新設 | |||
その他 |
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(漁場施設等)
都道府県名 | 整備対象漁場名 | 所管 | 事業主体名 | 関係市町村名 | 対象生物 | |
熊本県 | 御所浦 | 離島 | 熊本県 | 御所浦町 | アジ、タイ、イサキ | |
魚礁施設
| 魚礁工 | 空m3 | 12,500 | 105ha (12,500空m3) |
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ロ 工事の着手及び完了の予定時期
着手予定年月日 | 平成14年度 | 完了予定年度 | 平成23年度 |
ハ 計画平面図、写真


3 事業費に関する事項

計画事業費 | 3,390(百万円) |
4 効果に関する事項
1.主要な水産施策別の事業効果 | 3.費用対効果分析結果 |
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[1] 資源管理型漁業・つくり育てる漁業への支援 ・魚礁工の投入による水産資源生育環境の創造による漁獲量の増化が見込まれる。 ・御所浦架橋建設に併せ、集出荷基地を整備 することで、養殖場から陸揚基地までの輸送距離、時間の短縮に伴う流通コストの削減が図られるとともに、消費者のニーズに対応した高鮮度、高品質な魚介類の出荷が可能となる。 [2] 自然環境の保全と創造 ・投餌量や投餌方法の研究により残餌を極力少なくするとともに、赤潮に対する監視態勢の強化、被害防止技術の開発により、良好な漁場環境を保全する施策を支援する。 [3] 水産物流通の効率化と一貫した品質管理 ・御所浦架橋建設に併せ、集出荷基地を整備することで養殖場から陸揚基地までの輸送距離、時間の短縮に伴う流通コストの削減が図られるとともに消費者のニーズに対応した高鮮度、高品質な魚介類の出荷が可能となる。 [4] 安全で快適な漁業地域の形成 ・外郭施設の整備により静穏度が確保されとともに、浮体式係船岸の整備により高齢者や女性に優しく、大潮位差にも対応できる就労環境が確保できる。 [5] 都市との交流の促進 ・道路及び用地を整備することで体験型観光漁業、漁村生活体験、海釣り等の海洋レクリエーションなどによる、都市との交流のための基盤づくりを支援する。
| 社会的割引率4.0% | 投資期間 平成14年~23年 |
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現在価値化の基準年度 平成14年 | 施設の耐用年数 50年 |
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貨幣化による分析結果 |
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| 貨幣化した効果項目
| [1]水産物の生産性の向上 ・水産物生産コストの削減効果
[2]漁業就業環境の向上 ・漁業就業者の労働環境改善効果
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総便益額B | 3,638百万円 | |||||
総費用額C | 3,035百万円 | |||||
費用便益率 | (B/C) 1.20 | |||||
参考 | 純現在価値:(B-C)602百万円 | |||||
内部収益率:(IRR)5.5% | ||||||
4.事業の定量的・定性的効果 (貨幣化が困難な効果) |
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[1] 沿岸域における漁村の形成:漁村の定住化を促進させることにより、沿岸域の生活圏を確保し、国土の均衡ある発展に寄与する。
[2] 防災・避難効果:漁港整備により漁業者だけでなく、地区住民や来訪者の漁港に対する心理的な満足度が向上する。
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2.地域に与える影響 |
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御所浦町は、豊かな生産力を持つ好漁場に恵まれており、県内屈指の漁業基地として栄えてきた。御所浦架橋の建設及び集出荷基地の整備により流通の効率化、水産業の経営力、競争力の強化が図られる。 |
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5 環境との調和に関する事項
環境との調和に関する事項 |
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漁港外郭施設建設において、港内の海水交換等が図られる透過型の防波堤の設置など環境に配慮した施設を整備する。 | |
6 他の水産関係施設との関係
特になし