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グループホーム清陽 上野彩夏さん(介護福祉士)
ご家族から「とても元気になりました」とお言葉をいただいた時、この上ない喜びを感じます。
高校で福祉を学んだ後、介護職の道を選んだ上野さん。今年で介護歴15年になる介護福祉士です。
「入職して最初の頃は色々うまくいきませんでした。おむつ交換が全然できませんでしたし、お客様(ご入居者)にうまくお声がけもできずにいました。トイレでよく泣いていました」
そんな上野さんでしたが、負けずに介護に向き合い努力を続けた結果、仕事が楽しくなってきたそう。
「お客様の気持ちになって介護をすることが何よりも大事だと分かり、それからやりがいを感じるようになりました。お客様が携われてこられたお仕事のこと、趣味、家族構成などの情報を頭に入れ、会話をするようにしています。認知症で言葉が出ない方でも、ご家族の話をするととても喜ばれます。最近ご入居された方は、それまで面倒を見てこられた息子さんと離れ離れになってしまわれたのですが、事あるごとに息子さんの話をすると、素敵な笑顔になられます」
ご入居者とご家族のふれあいを見て、思わずもらい泣きをしてしまったこともあるとか。
「ある日、東京に就職し、大好きなおばあちゃんになかなか会えずにいたお孫さんが面会に来られました。認知症のお客様は、最初お孫さんのことが分からなかったのですが、お孫さんが一生懸命語りかけるうちに思い出され、名前を呼ばれました。涙するお孫さんを見て、私も感激してしまいました」
上野さんにとって何よりも嬉しいのは、「とても元気になりました」とご家族から感謝されること。
「この施設は少人数のグループホームなので、お一人お一人とじっくり向き合えます。ほとんどの方が入居前より元気になられます。最初言葉が出なかった方でも、『おはようございます』と声をかけ続けると、『おはよう』と笑顔で返していただけるようになります。そのお姿を見られるのが幸せで、この仕事をしていて良かったと思います」
職場も、職員同士が助け合い、いい雰囲気の中仕事ができているそう。
「以前は言いたいことがあっても飲み込んでいたのですが、今は誰かの意見を受け入れるだけではなく、自分の主張もちゃんと伝えるようにしています。それから仕事がさらに楽しくなりました」
相手を認めつつ、自分の考えもしっかり伝えるようにしているそう。
小さい頃見たテレビ番組で介護を知り、感銘を受けたのがこの仕事を目指すきっかけ。子どもの頃からの夢を叶え、楽しそうに働く上野さん。はじける笑顔がとても輝いていました。