高齢者の入浴中の死亡事故が増えています!
高齢者の入浴中の死亡事故が増えています!
昨年に比べ、今年は高齢者の入浴中の死亡事故が増加しています。
入浴中の死亡事故は、全国でも年間約14,000人と推計され、交通事故による死亡より多く、特に12月~2月と冬場に集中しています。
高齢者が安心して、安全に入浴できるように、入浴中の死亡事故を予防するための対策を知っておくことが大切です。
◇目次

○県内の入浴中の死亡事故状況は?
平成23年11月27日付け熊本日日新聞の記事によると、熊本県の入浴中の死者数は今年10月末現在で、過去5年で最悪のペースで発生しています。
日本人の不慮の溺死及び溺水の死亡率は、諸外国に比較して高く、特に65歳以上の高齢者では非常に高くなっています。さらに、入浴中の死亡に限ると日本は世界でも最多の国と言われています。これは、熱い湯に長時間肩までつかるという、風呂好きな日本人の伝統的な入浴スタイルが影響しているようです。
○入浴中の死亡事故は何故起こるのか?
冬場、脱衣室では、寒さのために血管が収縮して血圧が上がります。そして、急激に熱い湯に入ることで、一層血圧が上昇し、脳出血のリスクが高まります。さらに、長時間の入浴では発汗で血液が濃くなり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になることもあります。
また、高齢になるほど体調の変化に気づきにくくなり、死亡事故に繋がりやすいといえます。
○ 入浴中の死亡事故の特徴は?
・ 高齢者、特に75歳以上の高齢者に多い。
・ 気温の低い冬に集中し、特に深夜に死亡者が多い。
・ 8割強は心筋梗塞、脳出血などの病気発作が原因と考えられる。
・ 42℃以上の高温の湯で長湯する場合に生じやすい。
・ 約8割は、一人で入浴している高齢者で起きている。
○入浴中の死亡事故を予防するためには?
入浴中突然死予防のための8か条 (国民生活センター消費者被害注意情報(1998))
1.冬場の熱い長湯は避ける。お湯の温度は38℃から41℃までとし、全入浴時間は20分以内とする。
2.脱衣場の暖房化などを工夫する。浴槽は深くないほうがよく、浴室内に手すりを付ける、転倒時の災害防止のため安全ガラスを使用するなど可能な限り浴室構造、浴槽を改善する。
3.ほかの家族が入浴したあとに高齢者が入浴するようにすれば、浴室も温まっているし、浴槽の中の湯も沸かしたてではないので熱すぎることがなく、体への負担が少ない。(「二番湯入浴」)
4.浴槽への給湯をシャワーでする「シャワー給湯」は、シャワーの蒸気で浴室が暖かくなるので入浴中の病気発作に予防効果がある。「二番湯入浴」できない一人暮らしの高齢者には、この方法がよい。
5.「かけ湯」や「半身浴」を組み合わせるなど入浴法も工夫する。
足元→おなか→肩というように、体の末端部分から心臓に至るようにお湯をかける。
6.血圧降下剤を入浴の直前、直後に服用しない。飲酒後や向精神薬(精神安定剤、睡眠薬など)服用直後の入浴は避ける。
7.高血圧、動脈硬化、糖尿病、脳梗塞、パーキンソン病、てんかんなどの既往症のある高齢者の入浴はふだんから注意が必要。これらの既往症のある人は一人湯や長湯を避ける。
8.万一の事故が起きたときに速やかに対応できるよう高齢者が入浴する際には、家族にひと声かけてから入るようにする。
また、入浴事故を予防するために以下のことにも留意しましょう。
1.入浴前後にはコップ1杯の水分を補給する。
2.高齢者が一人で入浴中の時は、家族や周囲の人が時々声かけをするようにする。
○入浴中の事故を発見した場合は?
1.大声を出して家族を呼び、助けを求めます。
2.意識がないときは、溺れないようあごを風呂のふたや浴槽のふちにのせます。
3.浴槽の栓を抜きます。
4.力があれば、水中から引き上げ、風呂から出します。
5.救急車を呼びます。
6.心肺蘇生法を試みます。
7.タオルや毛布をかけて、身体を暖めます。
出展:
・熊本日日新聞(平成23年11月27日(日曜日)の記事:「入浴死」多発。冬場に注意)
・国民生活センターホームページ
・ 国民衛生の動向(2010/2011)
・熊本県人口動態統計
・日本医事新報No.3996






