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もしも多重債務になってしまったら

更新日:2010年7月23日

多重債務って何だろう?

多重債務とは、すでにある借金の返済にあてるために別の金融業者から借金を繰り返し、利息の支払いがかさんで借金が雪だるま式に増え続ける状況をいいます。

債務者は借金を繰り返すことで状況をさらに悪化させ、日々取り立てに追われることで次第に冷静な判断ができなくなっていきます。周りに相談できないまま苦しんでいる多重債務者は全国に大勢います。

 

どうして多重債務になるの?

多重債務について、自分には関係のないことだと思ってはいませんか。

多重債務は、収入が減って生活費が足りない、友人が結婚して突然の出費があったなど、ちょっとしたきっかけでお金を借りることから始まる場合もあります。

なかなか返済ができずに困っている債務者は、目の前の借金返済や取り立ての恐怖で頭がいっぱいになり、その場しのぎで別の借金をしてしまう、こういったことが多重債務の原因になります。返済額がどの程度になるか、完済できる見通しはあるかをよく考えないまま無計画にお金を借りると取り返しのつかないことになるのです。

 

もしも多重債務になってしまったら

多重債務になってしまう、あるいはなりそうになったら、早めに家族、専門家に相談をしましょう。

借金を人に知られたくない、話してもどうにもならない、法律専門家に相談するのは敷居が高いなど一人で抱え込んでいる人は多いかもしれません。しかし、的確なアドバイスを受ければ、必ず良い解決方法が見つかります。借金から逃げずに、きちんとした債務整理を行えば、安心で平穏な生活を取り戻すことは可能なのです。

 

債務整理について知ろう

債務整理とは、法律の力を借りることによって借金をなくしたり減らしたりすることです。債務整理には次の4つの方法があります。

 

*任意整理

裁判所を利用しないで当事者が話し合い、債務者に無理のない範囲で借金の返済方法や金額を決め直す方法です。

主なメリット

○当事者間の話し合いによるため、柔軟な返済計画を組むことが可能です。

○利息制限法の金利で引き直し計算することにより、借金の額の減額が可能です。

○法律専門家が債権者へ受任通知をすることにより取立てが止まります。(全ての手続に共通。特定調停の場合は、裁判所が受任通知を行います。)

主なデメリット

○当事者間の任意の話し合いのため、話し合いに応じない貸金業者に対する強制力がありません。

○事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録される恐れがあります。(全ての手続に共通)

・所要期間:2~4か月※

所要費用:弁護士等に依頼した場合1社2万5千円程度※

(過払金が返還された場合、さらに成功報酬が必要な場合もあります。)

※(注)ここで紹介する数値は、一例です。具体的には法律専門家に確認してください。以下※部分については同様です。

*特定調停

裁判所の調停委員に仲介してもらい債権者と交渉する方法です。合意ができた場合に作成される調停調書は、判決と同じ効力があります。

主なメリット

○裁判所に選任された調停委員が仲介するので、公平な結論が期待できます。

○返済計画に強制力があり、給与の差押え等も止められます。

○法律専門家を頼まずにできるので、費用が安くなります。

主なデメリット

○借金をしている全ての貸金業者の合意を得る必要があります。

○返済計画に強制力があるため、返済が滞ると直ちに給与等を差し押さえらます。

・所要期間:1~2か月程度※

・所要費用:数千円程度※

 

*個人版民事再生

裁判所が認可した再生計画に基づき、債務のうちの一部を分割して返済し、残りの債務を免除してもらう方法です。

主なメリット

○話合いによる解決が難しい場合でも債務整理可能です。

○住宅ローン特別条項により、住宅を失わずに借金を整理することも可能です。(住宅に住宅ローン以外の抵当権が設定されている場合など特別条項を利用できない場合もあります。)

○給与の差押え等を止められます。

主なデメリット

○利用できる者に制限があります。

○手続が相対的に複雑なため費用と時間がかかります。

○官報に氏名、住所が記載されます。

・所要期間:1年程度(返済期間を除く)※

・所要費用:30~60万円程度※

 

*自己破産

裁判所に破産の申し立てをして、自己の全財産(生活必需品を除く)を返済に充て残債については免責してもらう方法です。

主なメリット

○免責が許可されれば、早期に借金から解放されます。

○給与の差押え等を止められます。

主なデメリット

○最低限の生活資材を除き、住宅等の財産を失います。

○官報に氏名、住所が記載されます。

○免責が許可されるまで一定の職業に就けない等の制約があります。

○5~7年間は銀行からの借金やクレジットカードを作ることが難しくなります。

・所要期間:2~6か月程度※

・所要費用:30~60万円程度※

ただし、自己破産の申し立てをしても、誰もが免責されるわけではありません。過去7年以内に免責されていた場合や浪費やギャンブルなどで過大な借金を背負った場合など、免責が許可されないことがあります。

 

自己破産について誤解しているかも!?

選挙権がなくなることはありません。

戸籍や住民票に記載されることはありません。

銀行の口座が使えなくなることはありません。

会社に通知されたり、解雇されることはありません。

破産手続き開始後に得た収入は、すべて破産者が使うことができます。

 

多重債務を防ぐには

多重債務を防ぐには、次のことに気をつけましょう。

・返済できる見通しの立たないお金は借りない。

・クレジットカードを必要以上に持たない。安易にキャッシングしない。

・友人や知人に頼まれても、安易に連帯保証人を引き受けたり、名義を貸したりしない。

・借金返済のための借金をしない。

・返済ができなくなったら早めに周囲や相談機関に相談する。

知っておこう!

~グレーゾーン金利の廃止~

借金の利率は、利息制限法と出資法という2つの法律によって規制されています。貸金業者の場合、2つの法律による金利の上限には約9~14%ほどの開きがあり、この間の金利帯を通称「グレーゾーン金利」といいます。

利息制限法では、定められた利率を超えた利息契約は、その超過部分につき無効とされていますが、貸金業法では一定の要件を満たせば有効なものとみなされます。そのため、以前はほとんどの業者がグレーゾーン金利で貸付をしてきました。しかし、近年の裁判では、この要件は厳格に解釈されるべきとして、グレーゾーン金利を無効とする多くの判決が出されており、さらに、払いすぎたお金(過払い金)の返還を請求することができます。

なお、グレーゾーン金利は、貸金業法と出資法が改定されて、平成22年6月18日以降に撤廃されました。

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