くまもとアートポリス構造シンポジウム「熊本駅東口駅前広場の大屋根における建築デザインと構造のコラボレーション」を開催しました
プログラム
○日時:平成22年11月13日(土曜日)
○場所:熊本市青年会館ホール(熊本市総合体育館内)
○講演 13時30分~14時00分
「21世紀のPC建築」/ 鈴木計夫(大阪大学名誉教授・NPO法人PC建築技術支援センター理事長)
○プレゼンテーション(敬称略) 14時00分~15時00分
アラン・バーデン(構造家・熊本駅東口駅前広場構造設計者)
○パネルディスカッション(50音順、敬称略) 15時00分~16時30分
コーディネーター: 末廣香織(建築家・くまもとアートポリスアドバイザー)
パネリスト: アラン・バーデン(構造家・熊本駅東口駅前広場構造設計者)
徐光(建築家・構造家)
鈴木計夫(大阪大学名誉教授・NPO法人PC建築技術支援センター理事長)
三井宜之(熊本大学名誉教授・熊本駅東口駅前広場上屋構造評価委員会委員長)
講演会
プレストレストコンクリートがこれから舞台の中心となってくる。
PCは復元力がすごい。荷重をかけてコンクリートに亀裂が入っても復元できる。
これからの建物に求められるものは、耐震性・耐久性・利便性。
プレゼンテーション
1. 西沢立衛(建築家・熊本駅東口駅前広場設計者)
敷地が多角形で、市電やバス、人々などいろいろな動線がいろいろな角度から入ってくる。
人も車もカーブして入ってくるので、機能的にも敷地の形状にも雲形のカーブした屋根がよく合う。
通過空間だけに留まらず、やってくる人がくつろげる憩いの場、そこを目指していけるような空間、いわば公園のような広場にした。
遮蔽物がなく、熊本へ初めて訪れた人が熊本駅前の風景をパノラマ状で体験できる。
コンクリートというと重々しいイメージがあるが、薄くて平たい板が空中に浮かぶということで、透明感がある駅前になる。
2. アラン・バーデン(構造家・熊本駅東口駅前広場構造設計者)
西沢さんとは何度か一緒に仕事をしているが、コンセプトが強く、最初に見たスケッチや模型からあまり変わらない。
東口駅前広場についてはコンペから一緒にさせていただいているが、「コンクリートでやりたい」とはじめから西沢さんは言っていた。
プレストレストは、公共物にとって重要な「耐久性」があることが魅力。
コンクリートではひび割れが入ってきて、気をつけないと水が入って鉄筋が腐ったりしてしまう。プレストレストコンクリートはメンテが少ない。
コンクリートであればプレストレストコンクリートが適切と考えた。
また、板の厚さを薄くできる。よってプレストレストコンクリートでいくことになった。
パネルディスカッション
コーディネーター 末廣香織氏(建築家・くまもとアートポリスアドバイザー)
最近は大量生産より違うものを求める時代になっていて、有機的な自然に近い建築に魅力を感じる時代になっていると思う。
1960年代には構造技術、施工技術、建築デザインが結びついていた。そういう時代がまた来ていると感じる。
このイベントをきっかけに意匠設計の方には構造を考えていただきたいし、構造設計の方には積極的にデザインに関与していただきたい。
パネリスト アラン・バーデン氏
建築家は空間を操作しながらつくる。エンジニアは力の流れや経済性などを考えていて、目指しているところが違う。
エンジニアだけが設計するとつまらなくて、意匠と構造のコラボレーションの意味はそこにあると思う。
パネリスト 徐光氏( 建築家・構造家)
アランさんは今回、PCの力をうまく利用している。
大スパンの床版に対して長期たわみだけでなく直下地震に対応して上方向に対してもPC鋼線が入っているので、
地震に対していろいろ考慮されたのではと思った。
パネリスト 鈴木計夫氏
デザイン・構造・施工の3拍子そろわないといけない。施工は非常に大切。
パネリスト 西沢立衛氏
電車の上につくるので難しかった。PCも初めての経験だった。最終的には問題なくできて満足のいく結果だった。
パネリスト 三井宜之氏(熊本大学名誉教授・熊本駅東口駅前広場上屋構造評価委員会委員長)
デザインの特徴は基礎、柱、上にPC板が乗っているという極めてシンプルなもの。
片持ちは固定をきちんとしないと不安定構造になるので、基礎は背の高いつなぎ梁。
上はピン接合。屋根は完全なフラットスラブ。パンチングシアーに対しても余裕をもった設計となっている。
遠心鋳造管はφ450×75。長さが6.7~7.6m。長すぎて遠心鋳造管を一度に作れない。途中溶接が必要となった。
西沢事務所が頑張って、機械仕上げになってきれいなフラット仕上げになった。






