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熊本県男女共同参画推進条例

印刷 文字を大きくして印刷 ページ番号:0001464 更新日:2020年8月1日更新

熊本県男女共同参画推進条例(平成13年12月20日公布、熊本県条例第59号)

前文

 男女が、互いにその人権を尊重しつつ、責任を分かち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は、少子高齢化の進展、経済活動の成熟化など社会経済情勢が急速に変化するなかにあって、県民一人一人が人として尊重される真に豊かで活力のある地域を実現するために重要な課題である。
 本県においては、男女共同参画社会の実現に向け様々な取組が進められてきたが、性別による固定的な役割分担意識や男女の生き方の自由な選択に影響を及ぼす慣行が依然として存在するなど多くの課題が残されており、社会のあらゆる分野において男女共同参画をさらに進めていくことが求められている。
 男女共同参画社会の実現が、本県の将来を決定する重要な課題であることを深く自覚し、県、県民、事業者及び市町村が連携協力しながら、男女共同参画社会の形成に向けた取組を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。

第一章総則(第一条~第十四条)

目的

第一条 この条例は、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者(県内において事業活動を行うすべてのものをいう。以下同じ。)の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策について基本となる事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。

定義

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することをいう。
二 積極的改善措置前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。

男女の人権の尊重

第三条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別による差別的取扱い(明確な差別的意図がなくとも、差別を容認したと認められる取扱いを含む。)を受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。

社会における制度又は慣行についての配慮

第四条 男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なものとするように配慮されなければならない。

政策等の立案及び決定への共同参画

第五条 男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、県その他の団体における政策又は方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保されることを旨として、行われなければならない。

家庭生活における活動と他の活動の両立

第六条 男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、家事、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たし、かつ、家庭生活における活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなければならない。

国際的協調

第七条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることにかんがみ、男女共同参画社会の形成は、国際的な協調の下に行われなければならない。

県、県民、事業者及び市町村の協働

第八条 男女共同参画社会の形成は、県、県民、事業者及び市町村の主体的な取組及び相互の連携協力により促進されることを旨として、これらの者の協働の下に行われなければならない。

県の責務

第九条 県は、第三条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施しなければならない。

  1. 県は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。

県民の責務

第十条 県民は、基本理念にのっとり、職場、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、自ら男女共同参画社会の形成に努めなければならない。

事業者の責務

第十一条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、自ら男女共同参画社会の形成に努め、男女が対等に事業活動に参画できる機会を確保し、及び職業生活における活動と他の活動とを両立できる職場環境を整備するよう努めなければならない。

市町村との連携

第十二条 県は、市町村の男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画の策定及び施策の推進を支援するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

  1. 県は、市町村に対し、県が行う男女共同参画社会の形成の促進に関する施策への協力を求めることができる。

男女共同参画社会の形成を阻害する行為の禁止

第十三条 何人も、男女共同参画社会の形成を阻害する次に掲げる行為をしてはならない。
一 職場、学校、地域、家庭等のあらゆる場における性的な言動により当該言動を受けた個人の生活環境を害る行為又は性的な言動を受けた個人の対応により当該個人に不利益を与える行為
二 配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)に対し身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的な行為その他の男女間における身体的又は精神的な苦痛を与える暴力的な行為

公衆に表示する情報における表現への配慮

第十四条 何人も、公衆に表示する情報において、性別による固定的な役割分担又は女性に対する暴力を助長し、又は連想させる表現及び過度の性的表現を行わないよう配慮しなければならない。

第二章 男女共同参画社会の形成に関する施策の推進(第十五条~第二十四条)

男女共同参画計画の策定等

第十五条 知事は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画の推進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画計画」という。)を定めなければならない。

  1. 男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
    一 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱
    二 前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
  2. 知事は、男女共同参画計画を定めようとするときは、県民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、熊本県男女共同参画審議会の意見を聴かなければならない。
  3. 知事は、男女共同参画計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。
  4. 前二項の規定は、男女共同参画計画の変更について準用する。

県民及び事業者の理解を深めるための措置

第十六条 県は、広報活動を通じて基本理念に関する県民及び事業者の理解を深めるよう適切な措置を講ずるものとする。

  1. 県は、学校教育及び社会教育を通じて基本理念に関する県民の理解を深めるよう、男女共同参画に関する教育及び学習の充実のための適切な措置を講ずるものとする。

職業生活と家庭生活等との両立の促進

第十七条 県は、男女が共に職業生活と家庭生活等とを両立することができるよう、保育及び介護に関するサービスの充実、職場における環境づくりの促進等のための適切な措置を講ずるものとする。

農山漁村における男女共同参画社会の形成の促進

第十八条 県は、農山漁村において、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって、農林水産業経営及びこれに関連する活動又は地域における活動に共同して参画する機会を確保するため、活動の支援、条件の整備等必要な措置を講ずるものとする。

県の附属機関の委員の選任における配慮等

第十九条 知事その他の県の執行機関は、その管理に属する附属機関等を組織する委員その他の構成員の選任に当たっては、できる限り男女の数の均衡を図るものとする。

  1. 知事その他の県の任命権者は、その職員の登用に当たっては、性別にかかわらず、その能力に応じ均等な機会を確保するよう努めるものとする。

調査研究

第二十条 県は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に必要な調査及び研究を行うものとする。

推進体制の整備等

第二十一条 県は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、体制の整備を図るとともに、必要な法制上又は財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

拠点施設の設置

第二十二条 県は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施し、並びに県民及び男女共同参画社会の形成を推進する団体が行う男女共同参画社会の形成に関する活動を支援するための拠点となる施設を設置するものとする。

苦情の処理等

第二十三条 県民又は事業者は、県が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策について苦情があるときは、知事に申し出ることができる。

  1. 県民又は県内に在勤若しくは在学する者は、第十三条に掲げる行為その他の男女共同参画社会の形成を阻害する行為を受けたときは、知事に相談を申し出ることができる。 
  2. 知事は、第一項に規定する苦情の申出について、迅速かつ適切に処理するための体制を整備するとともに、その処理のため必要があると認めるときは、熊本県男女共同参画審議会の意見を聴くものとする。
  3. 知事は、第二項に規定する相談の申出について、迅速かつ適切に処理するため相談員の設置等必要な体制を整備するとともに、必要に応じ関係機関と連携してその処理に努めるものとする。

年次報告

第二十四条 知事は、男女共同参画社会の形成の状況及び男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を明らかにするため、毎年度、報告書を作成し、これを公表するものとする。

第三章 熊本県男女共同参画審議会(第二十五条~第二十七条)

審議会の設置

第二十五条 知事の附属機関として、熊本県男女共同参画審議会(以下「審議会」という。)を置く。

  1. 審議会は、知事の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。
    一 男女共同参画計画の策定に関する事項
    二 第二十三条第一項の苦情の処理に関する事項
    三 県が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の評価に関する事項
    四 前三号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成に関する重要事項
  2. 審議会は、前項各号に掲げる事項について、知事に意見を述べることができる。

組織

第二十六条 審議会は、委員十人以内で組織し、男女のいずれの委員の数も、委員の総数の十分の四未満であってはならない。

  1. 委員は、男女共同参画に関し識見を有する者のうちから知事が任命する。
  2. 委員の任期は、二年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
  3. 委員は、再任されることができる。

専門部会

第二十七条 審議会は、必要に応じ、専門部会を置くことができる。

第四章 雑則(第二十八条)

雑則

第二十八条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、知事が定める。

附則

  1. この条例は、平成十四年四月一日から施行する。
  2. 男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)第十四条第一項の規定により定められた男女共同参画計画は、第十五条の規定により定められた男女共同参画計画とみなす。