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農業革新支援センター情報 - (増補)平成28年熊本地震の発生に伴う地下水質やほ場基盤の変化に対する注意

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農林水産部 農業技術課 TEL:096-333-2251 FAX:096-381-8491 メール nogyogijutsu@pref.kumamoto.lg.jp
 

平成28年熊本地震の発生に伴う地下水質やほ場基盤の変化に対する注意 (増補、平成28年4月20日、情報第9号) 

 4月14日から発生した一連の平成28年熊本地震により、規模の大きな被害が発生し、地下水質の変化やほ場基盤の変化が見られます。つきましては、以下の点に留意していただき、必要な対策を早急に行っていただきますようにお願いいたします。
 なお、余震も続いており、道路やほ場に危険な箇所もありますので、身の安全を最優先に行動されてください。
 

(1) 水田(水稲等作付前の水田機能の確保)
1.ほ場の均平
 ほ場内の陥没、隆起ならびに段差について確認する。一般的には、栽培に必要な高低差は5cm以内である。(1)5~10cm程度の場合は、入水以前の運土、さらに代かき時に角材を引くこと等により、ほ場の均平を確保する。このとき、レベラー(水準器)付の機械を用いると精度が高い。(2)高低差が10cm以上の場合は、土木工事が必要とされる。
 なお、作付後も高低差が残った場合、こまめな水管理に留意するとともに、水深が深い場合は必要に応じて部分的なスクミリンゴガイ対策を行い、田面露出により初期除草剤の効果が得られなかった場合は中期剤で対応する。

 

2.あぜ、法面ならびにほ場の漏水確認
 亀裂や破損を確認する。必要に応じてあぜ塗りや畦畔板設置を行う。ほ場内の20cm以上の亀裂には掘削して突き固めを行う。付き固めには亀裂内に1kg/平米のベントナイトを施用すると効果的である。代かきは通常よりも念入りに行う。作付後も減水深が大きい場合は除草剤の効果が劣ることから、ジャンボ剤やフロアブル剤ではなく粒剤を使用する。
 
※ほ場の均平や漏水については、ある程度の降雨後や、可能であれば実際に入水してみるとわかりやすい。ただし、入水に伴って見えない亀裂等から崩落を起こす可能性もあるので、周囲の安全に十分留意して行うこと。
 
3.用排水施設
 用水路破損の目視確認、またパイプラインや水栓の通水確認を行う。
 
4.以上1~3の対策を個人で行うことができない程度の被災状況の場合、土木工事を伴う災害復旧事業の対象になる場合があるので、地区の担当窓口に連絡を行う。
 
5.液状化(噴砂)が発生しているほ場
 上記の条件をクリアしたところにおいて、液状化(噴砂)が発生しているほ場では、(1)沿岸近くでは塩水が混入している可能性があるため、ECあるいは塩分濃度を確認し、必要な場合は除塩を行う、(2)保水性を確保するために代かきは通常よりも念入りに行う、(3)噴砂の部分は土壌の養分肥沃度が低いため、砂の混入程度に応じて、作付前に堆きゅう肥の施用や基肥(窒素、リン酸、カリ、ケイ酸)の増肥等を検討する。栽培中も生育診断に基づく追肥を行うことで、生育ムラをなくす。
 
(2) 園芸作
1.地下水質(EC)の変化
 かん水用に地下水を使用しているほ場では、地盤や水脈の変動により、水質や水量等に変化が起こる可能性がある。(1)ECの変化について、沿岸に近い地域では塩水、阿蘇谷では硫酸イオン等を含む水が地下水に混入する可能性があるため、水のECを確認する。かん水に不適な場合は使用を控え、別の水源を確保する。なお、土壌に塩分が集積している場合は、次作前までに除塩を行う。(2)濁水が出る場合、フィルターが目詰まりを起こす可能性があるので注意する。(以下の情報第17号を参照)
 
2.ほ場の液状化(噴砂)
 液状化が発生したほ場については、沿岸に近い地域では塩水が混入している場合があるため、ECあるいは塩分濃度を確認し、必要に応じて除塩を行う。また、噴砂の部分は土壌養分が少ないため、次作の前に必要に応じて堆きゅう肥等の施用を行い、元の作土を含めよく混和する。

※各作物に適する土壌・水のECおよび塩分濃度は以下ファイル中の別添1、除塩の方法については別添2を参照されたい。
  

平成28年熊本地震の発生に伴う井戸水の濁り対策 (平成28年6月8日、情報第17号)

 4月14日から発生した平成28年熊本地震により、地下水の水量や水質に変化が認められている(上記情報第9号)が、かん水用の井戸水が砂で濁る事例が県内の広い範囲において確認されている。この原因は、地下の水みちの変化あるいは井戸内への土砂混入によるものだと考えられる。サンドフィルターがすぐに目詰まりしてかん水に支障を来すため、以下の対策を講じる。
(対策1)
 しばらく日数をかけて大量の水を出すことによって、元の澄んだ水に戻る事例がある。その期間は10~14日間を一つの目安とする。
(対策2)
 別途貯水タンクを用意して、砂を沈殿させ、上澄みを利用する。かん水に砂が混入しないように管の配置等を工夫する。大きな貯水容量を要する場合、コンパネを組んで貯水槽を自作する方法もある(以下の農業研究センター生産環境研究所の雨水貯水槽組立手順書を参考とする)。
 以上の対策によって濁りを除くことが不可能である場合、あるいは濁りの成分が砂でなく鉄分である場合も除くことが難しいため、新たな井戸を掘削するなど、別途水源を確保する。
 なお、情報第9号のとおり、海岸に近い地域や阿蘇谷では地下水のECが高くなる場合があるので、分析により確認すること。
  • PDF 農業革新支援センター情報第17号 新しいウィンドウで(PDF:328.4キロバイト)
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      平成28年熊本地震によるほ場の亀裂発生に伴う土壌保水性の低下対策 (平成28年6月27日、情報第20号)new

      4月14日から発生した平成28年熊本地震によって地下水やほ場基盤の変化が認められている(上記情報第9号)が、地下に亀裂が発生することで土壌の保水性が低下する可能性のある事例が出ていることから、以下の対策を講じる。
      1 水稲
       あぜ、法面ならびにほ場における亀裂や破損および沈降を確認し、漏水や不陸の防止のため、必要に応じてあぜ塗りや畦畔板設置を行う。特に液状化が発生したところでは、代かきは通常よりも念入りに行う。ただし、見えない亀裂により漏水が発生する場合もあり
      うる。移植後も減水深が大きい場合は、強い中干しを行わないこと。
      2 施設園芸
       地震発生に伴い、耕盤等に亀裂が生じることで、ほ場の保水性が低下(バイパス流の発生)し、かん水に必要な水量の増大や、作物体の水分不足を招いている可能性のある事例が見られる。
      1)注意すべきほ場
       液状化(噴砂)、亀裂、地表への水の染み出し、暗渠から多くの水が出る等の現象が確認されたほ場では、特に注意を要する。また、気づきにくい箇所や地表下に見えない亀裂が発生している可能性も考えられる。現在は冬春作等の栽培終了の時期であるが、片付け時にマルチ下の土壌に変化が無いか目視で確認を行うこと。
      2)対策
       栽培途中においては、土壌水分や樹勢を確認しながら、かん水量(時間、回数)を増やす、暗渠の出口を塞ぎ保水性を向上させる等の対策が考えられる。
       栽培終了後は、次作の対策として、深い耕起や、代かきの実施によって亀裂を塞ぐ。代かきは土壌構造を単粒化することにより耕盤を復元しやすいが、透水性を過度に低下させないよう、ほ場の本来の透水性も考慮して行うこと。なお、40cm 以深におよぶ開口亀裂については、重機による修復も検討する。
このページに関する
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農林水産部 農業技術課 地域農業支援班
電話:096-333-2384
ファックス:096-381-8491
メール nougisien25@pref.kumamoto.lg.jp
(ID:15440)

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