熊本県文化振興基本条例 (昭和63年12月制定)

(前文)
 わがふるさと熊本は、豊かな自然の恵みと先人たちのたゆみない営みによって、古くから個性ある文化がはぐくまれてきた。
 この使命を達成し、熊本が潤いのある文化の地となることを願い、その道しるべとして、ここにこの条例を制定する。
〔解説〕
 文化の振興の基本理念及び本条例を制定する目的を総括的に表現し、本条例の解釈及び運用に当たっての指針を与えるものです。
 ここでいう文化とは、従来から言われてきた知識文化や芸術文化あるいは文化財などの伝統文化だけでなく、快適な生活空間を創造していく環境文化や日常における生活文化なども含め、広く人問が心豊かで創造的な生活を営んでいくための活動のすべてを言うものととらえている。

第1章 総 則
(趣旨)
第1条 この条例は、文化の振興に関する県の責務を明らかにするとともに、文化の振興に関する県の施策の基本となる事項を定めるものとする。
〔解説〕
 本条例の規定内容を示し、本条例が本県の文化の振興に関する基本法的性格を有するものであることを明らかにしたものです。
 
(県の責務)
第2条 県は、文化の振興を図るための施策(以下「文化振興施策」という。)を体系化し、その総合的かつ効果的な推進に努めなければならない。
2 県は、その行う施策のすべてが文化の振興に寄与することとなるよう努めなければならない。
〔解説〕
 文化の振興を図るため、県が果すべき責務として、
  (1) 文化の振興を効果的に進めるための施策を体系化して、総合的に取り組むこと(施策の体系化)
  (2) 県が行うあらゆる施策が、文化に関わることを考慮して、県行政の全てにわたって、常に文化的視点に立った施策の運営に努めなければならないこと(行政の文化化)を定めたものである。
 
(県民との関係)
第3条 県は、文化振興施策の推進に当たっては、県民自らが文化の担い手であることを 認識し、県民の自主性と創造性が発揮されるよう十分配慮しなければならない。
〔解説〕
 県が文化振興施策を進めるに当たっては、文化を創造し、守り育てていく主体はあくまでも県民一人ひとりであることから、県民の自主性と創造性を尊重しなければならないという基本姿勢を明らかにしたものです。
 
(市町村との関係)
第4条 県は、文化振興施策の推進に当たっては、市町村と連携協力するとともに、各地 域の文化の特性が生かされるよう十分配慮しなければならない。
〔解説〕
 具体的な地域文化の振興については、県民と密接な関わりを持つ市町村の役割が、極めて大きいため、県は、文化振興施策を推進するに当たっては、
  (1) 市町村と十分協力、連携を図りながら、一体となって取り組む必要があること
  (2) 県内各地域が持っている文化的特性に十分配慮しなければならないこと。
という基本姿勢を明らかにしたものです。